お友達をすぐ叩く子・すぐ手が出る子は発達障害の特性が原因!?小学生低学年までに解決する対応

 

お友達をすぐ叩く子・すぐ手が出る子は、発達障害が原因かもしれません。小学生になっても続くその問題行動を低学年までに解決するための3ステップを自閉症スペクトラムの診断が出ている息子のケースをご紹介しながらお伝えしていきます。
 

【目次】

 

1.お友達をすぐ叩く子・すぐ手が出る子の原因は発達障害の特性かも…

 
 
小学生になって成長したら落ち着くかな…と「お友達をすぐ叩く子・すぐ手が出る子」に様子を見ているお母さん。または、小学生になってもその問題行動が続くと悩んでいるお母さんはいませんか? 
 
 
それは、発達障害の特性が原因かもしれません。 
 
 
我が家には小学1年生の息子がいます。3歳のときに自閉症スペクトラムの診断が出ました。
 
 
3歳くらいまでは「マイペースで個性的な子」と、そのユニークさを純粋に面白いと思って私は育てていました。
 
 
しかし、ある特徴的な行動が出始め、そこで初めて危機感を感じるようになったのです。
 
 
その行動というのが「お友達をたたく」「噛む」などの衝動的な問題行動です。
 
 
家でも手が出るようになっていたので、当時はどうすればいいのか私も悩み続け、 本当に苦しかったです。
 
 
その危険行為が増えたことをきっかけに、息子の発達に懸念を感じ、医療機関の診察を受ける決断をしました。
 
 
自閉症スペクトラムという診断結果が出たのですが、「コミュニケーションが苦手」「こだわりが強い」などがその代表的な特性です。
 
 
実は、そのコミュニケーションが苦手であること、こだわりの強さなどが原因で 衝動性が高くなることがあります。
 
 
コミュニケーションを取るのが苦手な為、相手の気持ちや状況を読み取ることができません。そして、特に自閉症スペクトラムの子どもは不安感がとても強い傾向も多く見られます。
 
 
いつも不安感を抱えた子どもは、相手のちょっとした言葉や態度から「攻撃されている」と感じ取り、本能的に防衛体制に入り、反射的に手が出てしまうのです。
 
 
 
 
脳の成長が進むに連れて、徐々にこの反射的な行動は薄まってきます。しかしながら、特に幼児期~小学生低学年くらいまでの発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、 脳の特性や発達がゆっくりです。
 
 
そのため、周りの子と比較すると原始反応が色濃く残っていたり、 組み替え間違いのまま残っていることも…。その反射的な行動が残っている為に、衝動的な行動が問題化してしまう、ということが多いのです。
 
 
また、注意欠如・多動性障害(ADHD)のお子さんの場合、別の理由でこの「すぐ手が出る」という衝動的な行動に出てしまうことがあります。
 
 
これは自閉症スペクトラム症の子どもとは違い、興味関心から先に身体が動いてしまうのです。
 
 
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の傾向がある子どもは好奇心が旺盛なため、お友だちが何かやっているところに「面白そう!」と急に割り込んでしまい、それを指摘されると怒って手が出てしまう、というケースを良く耳にします。
 
 
いずれにしても、「すぐ叩く」・「すぐ手が出る」のは発達障害の特性であり、本人には悪気は全くないのです…
 
 
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2.自閉症スペクトラムの息子のケース

 
 
息子は4歳になった頃に家でも手が出るようになりました。主人に対してのみで、私には殆どありません。
 
 
その理由は、私がすでに発達コミュニケーションを学び始めており、息子への対応を変えていた為だと思います。
 
 
言い換えれば、息子も人を選んでやっているということ。
 
 
主人への攻撃で一番悩まされたのが、隣の席で食事をしているときに急に顔にパンチ!することでした。息子は癇癪を起こすし、主人も怒るし…もう散々です。
 
 
 
 
そのときは突発的で理由もなくという風に見えていたので、私もすぐに対応ができず頭を悩ませていました。
 
 
しかしあるとき、よくよく考えて振り返ってみると、コレかな?という理由に思い当たったのです。
 
 
息子は食事中にウロウロして最後まで食べないことが多く、息子が残していたものを主人が食べてしまうことが何度かありました。
 
 
食べ物は残さない主義の主人にしたら、残すのは勿体ない!という純粋な思いから食べていただけです。
 
 
しかし、いつものウロウロの後テーブルに戻ってきた息子は、自分のお皿に残っていたはずの食べ物がないことに気付き、主人に激怒。
 
 
同じことが何度か繰り返されました。そのうちに家族で食事をしているだけなのに、顔にストレートパンチ! ボクサー並みの早業です。あまりの早さに主人は防御できません。
 
 
そんな早業を巧みに繰り出す、衝動性の高い息子にどう対応していったのか、 3つのステップにまとめてご紹介していきます。
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3.簡単3ステップ!幼児期~小学生低学年に出やすい特徴を把握して正しく対応 

 
 

◆①手が出る理由の把握と予防(直前刺激を取り除く)

 
 
先ほどもお伝えしましたが、一見なんの理由もなく突発的な行動に見えたとしても、手が出るなどの衝動的な行動にも必ず理由があります。 
 
 
発達障害やグレーゾーンの子どもは不安感が強い傾向があるため、ある出来事で感じた不快感を抱えたまま長い時間を過ごすこともあります。
 
 
そして、不快感を感じた相手がたまたま前を通りかかったことをきっかけに、その不快感が強く蘇り手が出てしまう、というなどのケースもあるのです。
 
 
つまり、何かしらの刺激がなければ、このような問題行動は出ないのです。
 
 
ということは、どのような状況で、何が刺激になったのかを把握できれば、事前に予防できるとも言えます。
 
 
きっかけや刺激としては、音や光など感覚的なこと、もしくはコミュニケーション、対人に関わることに大体絞られます。
 
 
今回のケースでの直前刺激は、コミュニケーション、対人に関わること。「パパが僕の食事を食べてしまう」というのがそれに当たります。
 
 
ですので「席を立ってもパパは息子の食事を食べない」と決めておくことが、直前刺激を取り除くことになります。
 
 
 

◆②パターンを変える

 
 
発達障害、特に自閉症スペクトラム傾向のある子どもは、こだわりの強さゆえに、何事もパターン化してしまう傾向がありますのでその点にも注意が必要です。
 
 
息子の場合、 パパと隣同士で食事→また取られるかも→パパ嫌い→パンチ、という流れがパターン化してしまっていたと言えます。
 
 
悪い方にパターン化した場合は、そのパターンを変えておくことも大事です。
 
 
食事の際、息子と主人の座席を離すことでこのパターンは断ち切れました。「隣に座っているパパに手が出る」パターンだったので、パパの座席を息子から斜め前の位置に変更。
 
 
席を立って主人の席までぐるっと回って行かなくてはならなくなった為、わざわざグーパンチをしに行く、ということは自然となくなりました。
 
 

◆③褒めることで定着化

 
 
あらかじめ予防し、手が出にくい状況を作ったうえで、手がでなかったことを褒める。食事を取れている短い時間内にも、食べていることを褒める。
 
 
褒められたことは本人の中でも良い行動として定着していきます。
 
 
「予防」と「褒め」で悪いパターンを良いパターンに変えて定着させる、というのが成功のポイントです。
 
 
今でも家での食事中にはウロウロします。しかしながら、席を隣に戻しても、主人に手が出ることは全くありません。
 
 
衝動的に手が出る行為というものは、発達障害の特性からきていることもあり、急に治まるものではありません。けれど、間違った対応をしなければ、徐々に治まってきます。
 
 
小学生になってもすぐに手が出てしまうのは発達障害・グレーゾーンの子どもの衝動性や癇癪を起しやすいという特性でもあります。
 
 
その特性からくる行動であるのに、本人がコントロールすることができないことで怒られることが多くなります。
 
 
怒られてどんどん自信を無くしてしまうと、さらに自分を守ろうとして衝動的な行動を増長させてしまうことにもなりかねません。
 
 
 
 
ママの肯定的な対応で、ママや家庭が安全基地となり、不安感が和らぐことで改善していきます。
 
 
正しく対応することで、小学生の間にこの衝動的な行動は落ち着かせることができます。中学校に進学する頃までこの困りごとを持ち越すような心配はないですよ!
 
 
一番困っているのは本人だということを理解してあげて、できることから少しずつ取り組んで行ってくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:瀬名香織
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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