怒り出すと止まらない、暴言ばかり言う、そんな思春期男子との毎日に疲弊していませんか。少しのコミュニケーションの違いで、子どもの態度はガラッと変わります。 本人にとっても家族にとっても発達障害思春期のストレスと上手く付き合える毎日を手に入れましょう！
【目次】
１．感情が揺れ易い発達障害思春期はストレスも倍増 今までできた事もできなくなる？
２．発達障害の思春期とはー襲ってくる感情と子どもも戦っているー
３．思春期男子のストレスを減らして心と脳を動かす作戦２選
１．感情が揺れ易い発達障害思春期はストレスも倍増 今までできた事もできなくなる？
周りとのズレから、学校生活でストレスを感じ易い発達特性がある子達。
頑張って通学していても、嫌なことが重なったりしてストレスが増えると、我慢できていたことができなくなるばかりか、あらゆることに対してやる気がダウンして、今までできていた事もできなくなってしまいます。
そんな時はお母さんお父さんが感情をコントロールできるきっかけを与えてあげることで、お子さんは負の感情にのまれることなく前を向くことができるようになります。
発達特性がある息子が小学生高学年の時に、特に友達関係や学校の先生との関係、習い事先で苦しみ、ストレスでここまで豹変させられてしまうんだという、辛い体験をしました。
ちょっとしたことですぐにキレる。物に当たりまくる息子は、自分が責められることに敏感で過剰に反応し、ちょっと注意をしよう物ならものすごい形相でこちらを睨んできました。
友達がしてくることを冗談とは感じられず、我慢ならなくなり、クラスで暴言を吐いたり、物に当たったりすることもありました。
息子はクラスのみんなから嫌われていると感じ、登校しぶりをするようになりました。
また、先生は自分にだけ叱ってくる、他の子と同じことをしても自分だけが怒られると捉えることがありました。
さらに、習い事の先生からは吃音が出ると「ちゃんとした日本語を話せ」と言われました。
このようなことが重なり、何をやっても上手くいかない、生きていてもしょうがない、早く生きることを終わらせたいと言うようになってしまったのです。
一緒に居る家族もしんどいですが、当の本人が一番苦しんでいるんですよね。
ただでさえ感情が揺れる思春期に、発達障害の子はさらに難しさを抱えてしまいます。
そのストレスに対して耐性力を付けてあげて、お子さんを生きやすく、お家の中を穏やかにしませんか。
そんな辛い思春期を子どもへの関わり方を変えることで、生きていたくない、から変化させてあげることができました。
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２．発達障害の思春期とはー襲ってくる感情と子どもは戦っているー
「イケていたハズの自分が違った？」
思春期は周りとの感じ方のズレや違いに気づくと同時に、周りの言葉にとても敏感になる時期でもあります。
毎日が臨戦態勢なのです。
感情的になったり、攻撃的になっている子ども本人が、自分の感情をどうしていいかわからず困っているのです。
感情的になる、暴力的になる＝子どもからのSOS。
発達特性があり、こだわりの強いタイプの思春期の子どもは自己肯定感が落ちてくると、自分のルールに固執し、より他人にも厳しくなります。
特にストレスが多いと許容範囲もグッと狭まり、怒りやすくなります。
もともと許容範囲が狭い傾向があるので、自分の許せないことには真っ向から反発してしまったり、それができずに外で不満をためると感情コントロールが難しくなり、おうちで暴言を連発してしまったりするといった特性が出て来てしまうのです。
結果、周りや家族とぶつかる事が増え、さらにイライラの原因も増加。
ストレスにより脳の血流が悪くなるため、イライラは脳の動きを悪くしてしまいます。
常に感情が不安定になり易く、そのことが生活の色々な事に影響を及ぼします。
休み時間の出来事で授業に集中できなくなったり、やる気を無くしてしまったりして、それがテストのタイミングだと大いに点数に響いてしまいます。
このように元々感情のコントロールが難しいことも重なり、自分にとって不利な状況に自分を追い込んでしまうのです。
そして自分でもその怒りをどうして良いか分からなくなり、攻撃や暴言を吐くと言った行動で表している場合もあります。
その行動が子どもからのSOSサインだと分かっていると、親としても子どもにイライラするばかりではなく、対応を変えてあげることで、悪い状況を回避することができます。
行動の理由を分かって対応してあげることで、子どもの気持ちを楽にしてあげ、この思春期を乗り越えたいものです。
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３．思春期男子のストレスを減らして心と脳を動かす作戦２選
ストレスにより、やりたいことができなくなったり、QOLが下がってしまわないように、ちょっとしたことでグラグラしない、身体を手に入れたいものです。
お母さんが子どもに伝えていくことで、子どもがストレスに対して自分で自分をコントロールできる様にしてあげられます。
下の写真は我が家の息子がイライラからやってしまった無残な教科書です。ストレスを減らす手段を実行したことで、このようなことはなくなりました。
毎日イライラ、ピリピリしている思春期の子には、まずは心の休養を。
休憩ができたら、ストレス耐性力や感情をコントロール力をアップできる様、働きかけをしました。以下、ご紹介します。
◆作戦① 落ち着く行動を自分でみつけるきっかけを作る
イライラを抑えられない時、「これに怒りをぶつけてみたら？」という案を出してみました。
バランスボールを思いっきりたたく、紙をビリビリにするなど。最初はそれで怒りを発散していました。
そのうちに息子は自分で、嫌な事があった日は、家に着くなりYoutubeを観て気持ちを沈めるようになりました。 それが習慣化して、イライラする時はYoutubeを観て、気持ちを切り替えるようになりました。
例えばゲームで負けた後、友達に煽られた後など。
実際しばらく動画を観た後は、感情が落ち着いていて、こちらの話し掛けにも穏やかに返事をするようになりました。
休憩ができたら、自信を取り戻す働きかけをします。
行動を認めるだけでOKです。
あからさまに褒めるのは思春期の子には逆効果だったりしますよね。まずは子どもの行動の実況中継からしてみましょう。
「落ち着けたね」「優しく言えたね」など。また、「自分で落ち着く方法を見つけたの、いいじゃん」と声を掛けると行動が定着しました。
◆作戦② 創造活動をする
次に好きなこと、脳が覚醒することをするのがオススメです。
ストレスを落ち着けるところから、ストレスを減らすまたは無くして次の行動を引き出すまで、次の作戦を繰り返しました。
何もやる気が起きない。全てが嫌という状態から少し元気さを取り戻した時に、何か行動に繋がるものはないかと思い、創作活動を薦めてみました。
工作など手先を使うこと、試行錯誤することで前頭葉が使われ、感情を落ち着かせる作用があります。
そこでリビングにパズルを置いておきました。私がやっている途中だよ、という感じで置いておくと、息子がいつの間にかやっていて、私よりも下の子よりもサクサクとはめていくので、下の子も○○すごーいと褒めてプラスの感情アップ！となりました。
また、味噌汁作りが得意な息子。スマホ時間にも飽きてきた頃に「何かすることないー？」と聞いてきたので、「前に作ってくれたお味噌汁また飲みたいなー」と言うと、そうだ！とばかりに動き出しました。
作る過程でも「ちゃんと味噌の量計るから美味しいんだね！ママ適当だからねー」とか、作ってくれたらものすごく美味しそうに飲みます。そして「やっぱりおいしいよ、ありがとう」と笑顔で伝えます。
全て肯定の関わりです。
創作意欲が満たされると、充実感や達成感が味わえ、脳が動き出します。
すると、行動しようとする気持ちが湧いてきます。
いつも完璧ではない。荒れる日があってもOK、という心づもりで居て、暴言や物に八つ当たりはスルーをする。
ついつい注意したくなるような、お菓子の爆食いや散らかしっぱなしの部屋も今は大目にみます。
大人への道を一生懸命進んでいる、思春期の子達、これから出会う世界で自分をしっかり持って歩いて行くことができたら、どんな人、どんな環境に出会っても強くいられますよね。
母親としてそんな未来を子どもに手渡してあげたいと思うのです。
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執筆者：五上亮子
（発達科学コミュニケーションリサーチャー）
（発達科学コミュニケーションリサーチャー）
