「中学校行きたくない!」中1の不安は冬休みに解消!不安を和らげるリセット法

 

冬休み明けに「中学校行きたくない」中1の子どもの心理は、2学期の学校生活でのネガティブな記憶が残っているからです。冬休みの間にネガティブな記憶を書き換えて不安をリセットし、子どもに自信を授ける親の対処法をお伝えします。
 

【目次】

 
 

1.冬休み明け「中学校に行きたくない」中1の気持ち

 
 
冬休みも終わりに近づきそろそろ3学期、休み明け学校行きたくないと言われないか不安を感じていませんか?
 
 
こんな「中学校行きたくない!」の気持ちをリセットするには、冬休みの間にポジティブな記憶への書き換えと小さな成功体験を積むことが大切です。
 
 
子どもが「休み明けもう学校に行きたくない!」という理由は、2学期までの学校での失敗体験やネガティブな記憶が残っているためです。
 
 
 
 
中学生になると授業時間が長くなり、それに加え部活動も増え1日のほとんどの時間を学校で過ごすことになります。
 
 
学期ごとのテストや2学期の行事。土日は部活の練習や試合と息つく暇がありません。
 
 
そんな中やっと迎えた冬休み。
 
 
遊びに没頭したくなる子どもの気持ちもわかりますよね。
 
 
我が家の息子の場合も、2学期をなんとか乗り切り冬休みに突入。
 
 
クリスマスやお正月と普段とは違う生活で、少しずつ生活のペースが乱れてしまいました。
 
 
そして残すところ数日というタイミングでほとんど終わっていない宿題を強制的にやらせ、できていない所をガミガミ言いながら何とか終わらせるようなことをしていました。
 
 
私は2学期までの学校生活で、ネガティブな記憶が残っていることに気付かず、ガミガミ叱ることでさらにネガティブな記憶を上書きしてしまったのです。
 
 
その結果、3学期が始まると「だるい、今日はしんどい」と言うことが増え行き渋りをし始めました。
 
 
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2.休み明け学校に行きたくない理由

 
 
冬休み明けに学校に行きたがらない理由は、自分への自信のなさと環境の変化による不安からくるものです。
 
 
ではその理由を、もう少し詳しく解説していきますね。
 
 

◆①自信がない

 
 
子どもが自信をなくしてしまう理由は、期までの失敗体験や先生からの注意や勉強の苦手さから「自分はダメだ」と自分を否定してしまうからです。
 
 
また自信をなくしてしまうことで自己肯定感も下がってしまいます。
 
 
自己肯定感とは、「自分にもできる。大丈夫」と思える気持ちのことを言い、行動を起こす源になります。
 
 
自己肯定感が低いと自分に自信が持てず、次へ動き出そうとするときにブレーキをかけてしまうため「休み明け学校行きたくない」となり、行き渋りを起こす原因となります。
 
 
発達障害の子どもは苦手なことが多く、失敗することで周りから指摘されたり、先生からの注意を受ける事がたくさんあります。
 
 
また、毎日苦手ながらも必死にフル回転で学校生活を送ろうと頑張っています。
 
 
頑張っているにも関わらず、周りからの注意が多いと自信もヤル気も失ってしまいます。
 
 
学校に行きたがらない状況は、まさに子どもがこのような状態だと言えます。
 
 
 
 

◆②環境の変化に対する不安

 
 
発達障害の子どもは先を見通す力が弱いため、環境の変化に対応しづらいという特徴があります。
 
 
そのため、環境が変わるタイミングの3学期を不安に感じてしまい「もう学校に行きたくない」となってしまうんです。
 
 
先を見通すことが苦手な発達障害の子どもは、2学期まででやっと友達ができ環境に慣れてきたと感じたところで進級。
 
 
そうなるとまた新しい環境と友達を作らなければならず、その環境の変化をハードルが高いと感じてしまいます。
 
 
また友達関係だけでなく、先生との関係についても進級の都度新しい環境に慣れる必要があります。
 
 
中学生になると教科ごとに先生が変わりやり方も指導の仕方も違うため、子どもはそれにあわせて柔軟に対応することが求められてきます。
 
 
しかし発達障害の子どもは環境の変化に対応することが難しいため、先生に応じた柔軟な対応をすることが大変になり、子ども自身辛くなってきてしまいます。
 
 
子どもが先生に応じた柔軟な対応ができないことで、先生から叱られたり周りの友達から指摘されることが多くなり、自分はダメなんだと感じ「もう学校に行きたくない」となってしまいます。
 
 
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3.「もう学校に行きたくない」気持ちのリセット法

 
 
「もう学校に行きたくない」と感じさせないためには、ネガティブな記憶をポジティブな記憶に変換させ、小さな成功体験を積み自信をつけることが必要です。
 
 
冬休みは2学期までのネガティブな記憶をリセットして、自分に自信をつけさせるタイミングに最適です。
 
 
2学期までのネガティブな記憶を3学期が始まるまでの冬休みにリセットすることで3学期をスムーズにスタートさせられます。
 
 
冬休みの間にできる「もう学校行きたくない」と感じさせない効果的な親の対処法についてご紹介します。
 
 

◆①記憶の書き換え

 
 
ネガティブな記憶をポジティブな記憶に書き換える気持ちのリセット法は、失敗を失敗として捉えずその中からうまくいったポイントを見つけて会話をすることです。
 
 
ネガティブな記憶をポジティブに書き換えるためには、親がポジティブに発想を転換し子どもにそれを言葉で伝えることが大切です。
 
 
例えば、冬休みの部活練習に行くのに準備していた水筒を忘れていったことがありました。
 
 
こんな時親は「準備してあるのに、どうして忘れるの!」と文句をいいがちですよね。
 
 
しかし子どもからしてみれば「どうして?」と言われても忘れる理由がわからないのです。
 
 
子ども自身忘れる理由がわからないのに怒られても困りますよね。
 
 
忘れたことを叱るのではなく、「水筒忘れてたけど水分補給した?」と子どもの行動にフォーカスした会話をすることが大切です。
 
 
すると子どもは「うん。学校の水飲み場で水分とったし大丈夫やった!」と返してくれました。
 
 
これを聞いて「良かった!〇〇はトラブルがあっても自分で考えて行動できるし、お母ちゃん安心できるよ!」と話せば、ネガティブな記憶も「オレって大丈夫!」とポジティブな記憶に書き換えられますよね。
 
 
このように親が失敗を失敗と捉えずに、いまできていることにフォーカスしてポジティブな捉え方をした会話をすることでネガティブな記憶もポジティブな記憶に書き換えられます。
 
 
 
 

◆②小さな成功体験

 
 
小さな成功体験を積む親の対処法は、当たり前にできていることを褒めたり、感謝の言葉をかけたりすることです。
 
 
日常生活で「朝起きることができた」「歯磨きができた」「学校に行けた」など、今子どもが当たり前のようにやっている事を褒めてあげればOKです。
 
 
そうすることで普段の生活の中で小さな「できた!」を感じることができ、自分に自信を持つことができるようになります。
 
 
また人間関係においても、「おはよう」と挨拶したり「ありがとう」と感謝の言葉を伝えることで、相手に喜んでもらえたと実感することができます。
 
 
つまり自分の存在が誰かを幸せにすることができるという達成感を味わうことで、自分に自信をもつことができます。
 
 
日常生活の中での小さな成功体験を通してたくさんの自信をつけることで、難しいことにも挑戦してみようという前向きな考えを持つことができるようになります。
 
 
例え失敗することがあっても、「次はどうしようか?」と親子で作戦会議をすることで失敗しても大丈夫なんだと感じ失敗にも前向きに取り組むことができるようになります。
 
 
次で我が家の息子が冬休みに気持ちをリセットできたことをご紹介しますね。
 
 

4.冬休みの間に気持ちをリセットできた息子の変化

 
 
我が家の息子が中1の頃、運動会で学年対抗別リレーのメンバーに選ばれ本人も内心嬉しそうな様子で、当日も全力で走り切っていました。
 
 
しかしその様子をみた同級生の女子から「凄い形相で走ってるよね。ヤバ〜」の言葉。
 
 
その言葉に傷ついた息子は、何もかも頑張ることをやめてしまいました。
 
 
そして、何もかもやる気を失った息子はゲームに没頭し昼夜逆転の生活を送るようになりました。
 
 
そんな状態の息子であっても笑顔で「おはよう」と言い、どんな事も否定せず当たり前にできていることを認める会話をしました。
 
 
そして、息子に自信を取り戻してもらい小さな「できた!」を経験してもらえるような会話をするように徹底しました。
 
 
そんな頃、中2の運動会で担任の先生から「見に来るだけでもどう?」とお誘いを受けました。
 
 
さらには友達から「せっかく〇〇がくるなら、力の強い〇〇に綱引き参加してもらいたい!絶対その方が勝てるから一緒に参加して欲しい!」の言葉。
 
 
そんな言葉を聞いて、中1の冬休み以降学校に行ってなかった息子が「綱引きだけ参加してくる」と言って運動会に参加したんです!
 
 
運動会に参加して帰ってきた息子は晴れ晴れとした表情で「ギリギリのところで負けたけど楽しかった~」と話してくれました。
 
 
 
 
ここから「もう学校に行きたくない」という発言はなくなっていき、少しずつ学校に行く回数が増えていくようになりました。
 
 
息子の場合は、「もう学校行きたくない」と言って行き渋りをこじらせ不登校にまで発展してしまいました。
 
 
それでも親が、失敗体験をポジティブに変換した会話や小さな「できた!」を感じることができる関わりをすることで、息子は前向きな行動を起こすことができるようになりました。
 
 
皆さんも是非冬休みの時間を、楽しくポジティブな記憶が残る時間を過ごしてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:平野可奈子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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