自分で決められない子の決断力を育む!小さな決める習慣づくり

 

「どうしてうちの子は、いつも自分で決められないんだろう?」そんな風に思っていませんか?発達障害のお子さんの中には、うまくできなかった経験から自信がなくなり、簡単なことも決めるのが難しいという子もいます。自分で決める小さな習慣を続けることで、決断力を伸ばし、行動力が広がりますよ。
 

【目次】

1.簡単なことが決められない「どうしたらいいの?」が口癖
2.発達障害の子どもが自分で決められないのはなぜ?
3.うちの子も変われた!優柔不断な子の決断力UP大作戦
➀行動したことを褒める
➁選択肢を与える

 
 

1.簡単なことが決められない「どうしたらいいの?」が口癖

 
 
簡単なことが決められずに 「どうしたらいいの?」と、いつも人に頼ってしまい自分で決められない子。
 
 
そんな優柔不断な様子を見て、ご心配な方も多いのではないでしょうか?
 
 
実は、自分で決める小さな習慣を続けることで、発達障害の子どもの決断力が驚くほど成長する可能性を秘めているのです。
 
 
私には自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠陥多動症(ADHD)の診断がある小6の息子がいます。
 
 
日常生活の簡単なことが決められずに、毎回「どうしたらいいの?」と言うのが口癖でした。
 
 
・買い物中に、自分で買うものを選択できない
 
・どのゴミ箱に捨てればいいのか迷う
 
・今日着る服はどれにすればいいかわからない
 
 
ですが、何度教えても覚えることができず、「どうすればいいの?」と聞かれることがなくなることはありませんでした。
 
 
 
 
もう高学年だから決断力をもってほしい。
 
 
これからたくさんの選択を迫られる場面が多くなってくるのに、このままではどうなってしまうんだろうと、心配が絶えませんでした。
 
 
1日に何度も「どうしたらいいの?」と優柔不断な様子に不安しかありません。
 
 
いつしか私は、発達障害の息子に聞かれる前に答えを教える、先回りの声掛けをすることが増えていきました。
 
 
でもこれが、自分で決める力が育たない状態を加速する対応だったと、ようやく気づきました。
 
 
それから、小さな習慣を続けることで、自分で決めることを増やしていきました。
 
 
成功体験の積み重ねから、決断力が育ち、いつしか息子の「どうしたらいいの?」という口癖はなくなっていったのです。
 
 
この記事では、自分で決めることが難しい優柔不断な子の脳の特性から、2つの簡単な習慣を取り入れることで、決断力を育む方法についてご紹介します。
 
 
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2.発達障害の子どもが自分で決められないのはなぜ?

 
 
発達障害の子どもの中には、「どうしたらいいの?」と、些細なことも自分で決められずに困ってしまう子がいます。
 
 
これは決して怠けや甘えではなく、脳の働き方の違いが大きく影響していると考えられます。
 
 
・情報が多すぎて、整理できない
 
一度にたくさんの情報が入ってくると、何が大切なのか判断できずに、混乱してしまうことがあります。
 
 
・優先順位をつけるのが苦手
 
情報がたくさんありすぎて、注意散漫になり、1つのことに集中できずに、優先すべきものを選ぶのに時間がかかることがあります。
 
 
・不安が強い
 
失敗を恐れるあまり、「本当にこれでいいのかな?」と迷いすぎるため優柔不断に見えることがあります。
 
 
・先回りの声かけ
 
先回りの声かけが多いと、「どうすればいいかな?」と子どもが考える脳を使う機会が減ってしまいます。
 
 
このように発達障害の子どもは、脳の特性から不安を溜め込みやすく、きちんとやらなければいけないという思いから、行動をためらってしまうのです。
 
 
簡単なことも決められない息子は、私が出した先回りの声掛けにもすぐに動くことができなかったり、動き出したと思っても何度も確認しながら行ったりすることがありました。
 
 
人に決めてもらって動いても、きちんとできなかったらどうしよう?という不安があると、本当にこれで合ってるの?と迷うことが多くなります。
 
 
すると、自分で決めて動くという習慣も身に付きにくくなりがちなのです。
 
 
 
 
人は1日に最大3万5000回の決断をしていると言われています。
 
 
意識的に、あるいは無意識に選択を繰り返しているのです。
 
 
「自分で決めること 」は一見、シンプルに見えますが、思考、感情、経験など様々な要素が絡み合って行なっています。
 
 
そのため、簡単なことが決められない優柔不断な子は、「小さな決める習慣」を繰り返していくことで、少しずつ決断力を身につけることが大切になってきます。
 
 
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3.うちの子も変われた!優柔不断な子の決断力UP大作戦

 
 
自分で決める力を身につけるためには、何度も同じような経験を繰り返していくことが大切になってきます。
 
 
まず、行動したことに注目して褒めていき、選択肢を与えて選んだことを肯定することで、子どもの自信を増やし、決断力を育てていきましょう。
 
 

◆➀行動したことを褒める

 
 
「どうしたらいいの?」と聞かれたときに、「ママならこうするよ」ということを伝えて、行動したことを褒めていきます。
 
 
着る服に迷って「何着ればいい?」と聞いてきた時は、
 
 
「今日の気温20度と天気予報で言ってるから、ママなら半袖着るよ」
 
 
着替えができたら「いいね。半袖着たんだね!」
 
 
このゴミ、どうすればいい?と迷っていたら、
 
 
「どれどれ?プラスチックのマーク書いてるね。プラゴミだね!」
 
 
ごみ箱に捨てれたら「ごみ箱に捨てれたね」
 
 
今できたことを実況中継の声掛けで褒めていきます。
 
 
子ども自身ができた行動に注目するようになり、小さな自信を積み重ねていくことで、不安で動けないことが減っていき、自分で決める力がついていきますよ。
 
 
 
 

◆➁選択肢を与える

 
 
簡単なことが決められずに優柔不断な様子がある時、「どうしたい?」と聞いても、どれかを選ぶには情報が多すぎるため、自分で決める前に考えるのをやめてしまうことがあります。
 
 
そのため、「どうでもいい」という状態になりがちです。
 
 
このときに、子どもがどちらを選んでも行動できる選択肢を与えていくことで、子ども自身が自分で決めるためのハードルを下げてあげることができます。
 
 
どの服を着ていいかわからない‼と言ってきた時は、
 
 
母:「長袖にする?半袖にする?」
 
子ども:「長袖にする」
 
母:「いいね。自分で長袖にするって決めれたね」
  「長袖着たんだね!いいじゃん!」
 
 
買い物で「お菓子1つ買っていいよ」と言われて迷っているときは、
 
 
母:「どのお菓子で迷っているの?ベスト3を言ってみて!」
  「この中でベスト1を選んでみて!」
 
 
というように、子どもが自分で選択肢を作りやすい声掛けをして、選んで決めるという行動を促していくこともできます。
 
 
このように、決めて動けたことを続けていくことで、できた経験を思い出し、次も自分で決めてみようとする行動が身についていきますよ。
 
 
「どうしたらいいの?」が口癖だった簡単なことも決められない息子は、もし何を選ぶか迷っても「こっちにしようと思うんだけど、どう思う?」と相手に決めてもらうのではなく、相談ができるようになりました。
 
 
優柔不断な様子が減り、自分で決める力がついていったんです。
 
 
そして「これにするわ!」と自分で決めたことを宣言することもしています。
 
 
そんな息子を見て、決断力すごさを改めて感じています。
 
 
ぜひ皆さんも、お子さんと一緒に「自分で決める力」を身につける対応法を試してくださいね。
 
 
 
 
自分で決めて動けた!が伸びる子育てのコツをお伝えしています。

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執筆者:かねた 愛
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
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