癇癪がひどい小学生・高学年の子どもに困っていませんか?思春期になって急に癇癪を起こすのは、もしかしたら発達障害アスペルガーが原因かもしれません。特性を理解して今すぐ対応を変えることでひどい癇癪が減り、感情コントロールができるようになります。
【目次】
1.急に癇癪を起こすようになった小学生・高学年の息子…
2.アスペルガーの子が小学生・高学年でひどい癇癪になる理由
3.アスペルガーの小学生の感情を落ち着ける対応
①口出しをしない
②できていることを認める
③癇癪が起きてしまった時の対応
4.癇癪がひどかった息子が感情をコントロールして、穏やかに!
1.急に癇癪を起こすようになった小学生・高学年の息子…
毎日イライラしていて、ちょっとしたことで癇癪を起こす小学生・高学年の子どもに怯える日々を過ごしていませんか?
頑張って対応しているのに癇癪が増えてしまうと、自分の子育ての仕方が悪いのではと落ち込んでしまいますよね。
しかし、子どもの特性と癇癪の原因を理解して対応することで、小学生・高学年の癇癪を減らし、穏やかに過ごすことができるのです!
私には発達障害・自閉スペクトラム症(ASD)のアスペルガータイプの中学1年生の息子がいます。
小さい頃は少しこだわりが強いかなということはあったものの、小学校中学年までは学校にも行き、友達と楽しく過ごしていました。
そんな息子が小学生4年生になってから時々「学校に行きたくない」と言うようになり、急に癇癪を起こすようになってしまったのです。
今までは特に問題もなく学校にも行けていたので、なんで急に癇癪を起こすようになってしまったのか分からず、本当に困り果ててしまいました。
理由が分からないので、「行きたくない」という息子をなんとか学校に連れて行く毎日でした。
しかし、息子の気持ちや状況を理解しなかったことで、だんだん癇癪がひどくなり、学校に連れて行く度に、大きな声で叫んだり、壁を蹴ったりするなどの癇癪を起こすようになってしまいました。
このような状態になって、初めて病院を受診し、小学生5年生でASD・アスペルガータイプだと判明しました。
私が間違った対応をしていたため、息子は教室どころか、学校にもだんだん行けなくなってしまったのです。
そして、家でもいつもイライラし、ちょっとしたことで癇癪を起こすようになってしまいました。
そんな時に発コミュに出会い、私が今までしていた「しつけ」の子育てが特に小学生・高学年の時期の発達障害・アスペルガーの子どもに逆効果だったことを知り、本当に衝撃を受けました。
特性にあった対応に変えたことで、癇癪が減り、今ではイライラすることがあっても自分で気持ちを切り変えることができるようになりました。
そんな我が家の事例から、発達障害に早めに気づいて対応できるお母さんが増えて欲しいと思い、今回はアスペルガーの小学生の癇癪の原因と思春期の対応の仕方をお伝えします。
2.アスペルガーの子が小学生・高学年でひどい癇癪になる理由
今まで特に問題がなかったアスペルガーの子どもが、小学生・高学年になって突然ひどい癇癪をおこすのは、なぜでしょうか?
それは「自己への気づき」と「思春期と発達特性のイライラ」があるからです。
◆自己への気づき
小学生・高学年の時期は客観的思考が育ち、自分と友達を客観的に比較して、自信をなくしたり、自分がみんなと違うことに気づく時期です。
発達の特性があるために、他の子どものように上手く友達と関われなかったり、気持ちを伝えられなかったりすることで、どんどん自信を失っていきます。
また、仲間意識に敏感な時期でもあるため、「普通じゃなきゃダメなんだ!」との思いがあり、自己肯定感が低くなり、癇癪の原因になってしまうのです。
◆思春期と特性のイライラ
小学生・高学年からは思春期が始まり、子どもから大人に変化する時期のため、一時的にホルモンのバランスが崩れ、イライラしやすくなります。
また、アスペルガーの子どもの場合、思春期のイライラに加えて感情のコントロールが苦手という特性が加わり、イライラを抑えることができずに癇癪になりやすいのです。
アスペルガーの子どもは小さい頃に少し育てにくさはあるものの、言葉の発達の遅れがなく、学力的にも問題がないので、気づかれにくい傾向があります!
そんなアスペルガーの子どもだからこそ、小学生・高学年になってでる癇癪は子どもからのSOSです!
我が家のように、アスペルガーの子どもが特性を理解されず、適切なサポートが受けられない環境の中で過ごすと、強いストレスを感じやすくなり、暴言暴力、自傷行為、不登校などの二次障害になってしまいます。
思春期になり、子どもが突然癇癪を起こすようになっているなら、ママが特性に気づき、今すぐ対応を変えて、二次障害を防いであげて欲しいのです。
3.アスペルガーの小学生の感情を落ち着ける対応
ひどい癇癪をおこすようになってしまった小学生・高学年のアスペルガーの子どもの感情を落ち着けるにはどうしたらいいのでしょうか?
感情を落ち着けるために大切なことは、安心した環境で自信を育てるということです。
3つのポイントをお伝えします。
◆①口出しをしない
思春期は自我が芽生えてくる時期のため、親はできるだけ口出しをしないことが大切です。
良かれと思って言った親の助言は、ほぼすべて逆効果になります。
日本の教育は「しつけ」を重視するため、「ああしなさい」「こうしなさい」「ダメ!」と言って、子どもの行動を正そうとする傾向があります。
これは、思春期の子どものフラストレーションに繋がってしまいます。
いろいろ注意やアドバイスをしたくなりますが、そこをぐっと我慢して、子どもの話に口出しせずに「そう思うんだね」と気持ちに寄り添いながら聞いてあげてください。
また文句を言ってきても、ぐっと我慢して「わかる!」と一言だけ。
理解してもらえた経験が心の安定に繋がっていきます。
◆②できていることを認める
自信を取り戻すために、当たり前にできていることを認める声かけが大切です。
二次障害でイライラしやすくなってしまった子どもは、本人もとても辛い状態です。
今までできていたことができない自分に苛立ちを感じたり、学校に行けない自分に自信をなくしてしまったりしています。
そんな自信をなくしてしまった子どもには、普段の生活の中で、できていることを認める声がけが効果的になります。
特にイライラしやすい思春期の子どもには感謝を伝えたり、興味・関心を示したりする対応が大切です。
食べ終わったお皿を下げたときに「お皿を下げてくれて、ありがとう」と感謝を伝えたり、 興味・関心を持って、「面白そうな動画観ているね」などの声かけをします。
このように親が自分のことを認めてくれたり、興味を持ってくれたりしていると分かると、自信を取り戻すことができます。
◆癇癪が起きてしまった時の対応
もし暴言暴力などの癇癪がでてしまった場合は、感情に巻き込まれず、見て見ぬふりをすることを徹底します。
そばにいると、ついついチラッと見てしまったり、「やめなさい!」など声をかけたくなったりしてしまいますよね。
そんなときは、子どもの安全を確保した上で、別の部屋に行き、家事などをして癇癪が落ち着くのを待ってください。
そして、癇癪が落ち着いたところで、すかさず褒めます。
こうすることで、癇癪を起こしても意味がないということを理解していきます。
始めは落ち着くまでに時間がかかるかもしれません。
しかし、だんだん自分で落ち着ける時間が短くなり、癇癪の回数も減っていきます。
二次障害になり、自信を失った思春期・アスペルガーの子どもの気持ちに寄り添い、自分にもたくさんできることがあると気付かせる対応をすることで、みるみるイライラやひどい癇癪が落ち着いていきますよ。
4. 癇癪がひどかった息子が感情をコントロールして、穏やかに!
私は不登校でひどい癇癪の息子の自信を取り戻すことを最優先に、安心した環境で過ごすことを意識しました。
すると、自信を失い、常にイライラしていた息子が穏やかになり、親子で笑顔で会話できる日々が戻ってきました。
たまに、イライラすることがあっても、自分の気持ちを言葉で伝えたり、飲み物を飲んだり、音楽を聴いたりして、自分なりの方法で、落ち着けるようにもなりました。
さらに、自信を取り戻したら、「旅行に行きたい」「勉強をしようかな」と前向きな言葉もたくさん出てくるようになりました。
不登校などの二次障害になり、家にいてもイライラしたり、ひどい癇癪をおこしたりしている小学生・高学年の子どもをみると不安でいっぱいになるかもしれません。
しかし、時間はかかるかもしれませんが、特性と思春期の心の変化を理解し、対応することで、必ず変わります。
焦らず、安心した環境を作ってあげてくださいね。
子どもの癇癪に困り果てているママ!対応策をご紹介しています!
執筆者:倉本 紗衣
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)