口唇口蓋裂でいじめにあわないか不安なご両親へ。両親の不安な気持ちが子どもに伝わらない告知の仕方!

 

見た目で問題が分かる口唇口蓋裂。お子さんが幼少期から学齢期に進むにつれて周りの反応が変わり始める時期に親御さんも不安で悩まれると思います。当事者であり、言語聴覚士として勤務していた私だから伝えられる内容をお伝えしますね。
 

【目次】

1.見た目の問題から心配が絶えない。いじめられないか心配と思ってしまう
2.気遣うご両親ほど告知が辛く話しづらくなるのは「告知の目的があいまい」だから
3.安心できる居場所を作る告知

 
 

1.見た目の問題から心配が絶えない。いじめられないか心配と思ってしまう

 
 
新しい環境が変わる進級進学シーズンになりましたね。
 
 
子どもの環境の変化を控えている親御さんの中で、
 
 
「子どもが見た目の問題で、いじめにあわないか」
 
「子どもが他の子からの、からかいを受けて悲しい思いをしないか」
 
 
不安だと悩んでいませんか。
 
 
子どもに対するいじめ懸念を解決するには、ご両親が「告知の目的」を理解することがポイントなんです。
 
 
何も言わないで受け入れてくれる環境があれば特に問題なくなじめるでしょうが、少なからず不思議に思って聞いてくるお友達も少くありません。
 
 
相手に悪気がなくても、「その鼻と口どうしたの?」と聞かれている場合、すこし心が締め付けられる思いをするかもしれません。
 
 
私も生まれつき口唇顎裂という症状で産まれました。
 
 
物心つくときは長期入院をしていて、病院でのお友達と仲良く遊んでいました。
 
 
そんな時に突然「なんで入院しているの?」とお友達に聞かれて、「鼻と口かな?」とはっきり言えなかったことを覚えています。
 
 
 
 
私は両親から告知を受けなかったタイプです。
 
 
心のどこかで「なにか自分には問題があるの?」と違和感に気が付いても、誰にも相談せず一人で抱えていました。
 
 
そんな当事者であり、言語聴覚士として口唇口蓋裂のお子さんを見ていた私の視点があるからこそ、今こうやってお伝えできると今では思います。
 
 
この記事ではなぜご両親が告知を身構えるのかの心理と親の不安な気持ちが子どもに伝わらない告知についてお伝えしますね。
 
 
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2.気遣うご両親ほど告知が辛く話しづらくなるのは「告知の目的があいまい」だから

 
 
子どもを傷つけるかもという悩みは、親の告知への考え方を変える事がスタートなんです。
 
 
子どもへ病気を伝えると思うと身構えるけど「あなたには居場所があるんだよ」と親の考え方1つで、少しだけご両親の気持ちが軽くなりませんか。
 
 
病名を伝える事が重要ではなく、子どもの脳と心を守る告知を親が正しく理解することが大事です。
 
 
ポイントを2つお伝えします。
 
 
1つ目は、子どもにとって、心強い人がいると知らせること。
 
 
周りにどんなことを言われても、子ども自身が
 
「自分をわかってくれる人がいる」
「自分の居場所がある」
 
と思える・気づけることが大事です。
 
 
 
 
2つ目は、自分に強みや得意があることに気づくこと。
 
 
常日頃から「ここってできているよ」「ここが素敵だね」と肯定的な声を周りが声かけしていれば子どもは自信を持つことができます。
 
 
つまり大事なことは子どもが自分のことを正しく理解すれば、自分の味方である人を大切に関わっていこうという気持ちが芽生える事です。
 
 
では具体的な伝え方のタイミング、方法について次にお伝えします。
 
 
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3.安心できる居場所を作る告知

 
 

◆環境が変わるタイミングで告知するかを考える

 
 
何歳になってたらお伝えしましょうとは断言できません。
 
 
ですが、ご両親が気にかけてほしいタイミングについてお伝えします。
 
 
それは環境が変わる前に伝える事です。からかいを受ける前に事前に伝えていく方法です。
 
 
その時のポイントは、子どもに好きなモノを選ばせ自分で選べて嬉しい思いをしているときに、一緒に告知する方法です。
 
 
例えば、
 
・入学前であればランドセルが手元に来た日
 
・習い事始める前であれば、習い事で必要なものを子どもと一緒に選んだ日
 
・夏休みを利用して長期入院する前であれば好きなパジャマを選んだ日
 
・矯正歯科を始めるタイミングであればとっておきの歯ブラシを選んだ日など
 
 
嬉しい思いをしているときに合わせて伝える方法です。
 
 
タイミングだけでなく、ご両親からかけてあげる言葉も大切ですよね。
 
 

◆年齢に合った伝え方をする

 
 
絶対にしてほしくない事は「コケて傷ができたのよ」など正しくない内容を伝える事です。
 
 
お子さんの年齢に合わせた内容で伝えてみてください。
 
 
例えば
 
 
「おなかの中にいたときに鼻と口がくっつけなかったの。誰のせいでもないし、同じように頑張っている他のお友達がいるんだよ」
 
 
と原因を伝えて
 
 
「赤ちゃんの時から今まで、たくさん痛い思いをしたけど、よく頑張っているよね」
 
 
と今までの頑張りをねぎらい、
 
 
「時間はかかるけど今よりきれいになるからパパとママと一緒に頑張ろうね」
 
 
と未来についてもともに歩んでいこうねという点。
 
 
そして「誰よりも粘り強い子になれるんだよ」と子どもに何があっても自分で自分を励ますことができる言葉をかけてあげましょう。
 
 
 
 
私が言語聴覚士として勤務していた時にこんな子がいました。
 
 
告知を受けたお子さんは、お友達にも自分のことを伝えられたようです。
 
 
そこで友達が「手術頑張ってるんだね」と言ってくれたよと教えてくれた子もいました。
 
 
大事なことは親子ともに自分のことを肯定的に受けいれいる事が出来る点です。
 
 
私も自分が経験しているのでこの記事が書けますし、誰かに勇気を与える活動ができています。
 
 
ぜひご両親の考え方を変える視点からも押さえてみてください。
 
 
 
 

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執筆者:戸ノ上 なみ
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