「発表会、うちの子だけ踊れてなかった…」なんでなの?こんな経験はありませんか? 今回は、発表会で固まってしまった早産児の長男を通して気づいた「がんばった過程を見てあげること」の大切さを、発達の視点でお届けします。
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【目次】
1.発表会、踊れなかった…発達の視点としては、成功?失敗?
2.早産児の脳は「結果」ではなく「できた事の数」で育つ
3.出来ないこと多めだった早産児を、チャレンジできる子に変えた関わり方
1.発表会、踊れなかった…発達の視点としては、成功?失敗?
私の長男は2か月早産(31週)で産まれました。
早産児は、予定より早く母体外に出るため、発達が未熟。
人生の初期においては、同じ年の子の様にできないことも多いです。

保育園での発表会の時の事です。
他の子は元気に踊る中、うちの子はステージの上で固まったまま。
しばらくすると、全く違う事をし始めました。
胸がギュッとなりました。
「やっぱりうちの子は他の子と違うんだ」
「なんでみんなと同じにできないんだ?」
そんな思いが押し寄せて、涙が出そうでした。
でも後から振り返って、私は大切なことを見逃していたことに気づいたんです。
2.早産児の脳は「結果」ではなく「できた事の数」で育つ
みんなと同じように踊れなかった。
ここだけ見ると失敗ですが、長男は発表会の練習をし、当日も参加し、最後までステージに立ち続けました。
この出来た事に注目することが、失敗を成功体験に変えるカギなのです!
早産児は、予定より早くおなかの外に出てくるため、発達が未熟です。
その為、どうしても“できないこと”が多くなります。これは異常ではなく、むしろ当然のこと。
問題は、できない体験が積み重なることで、子ども自身が「自分はできない子なんだ」と思い込み、自信を失ってしまうことです。

だからこそ、できて当たり前と思えることにも、親が注目し「できてたよ」と伝えることで、子どもは《できた自分》に気づけるようになります。
その体験が、“自信を保ち続ける土台”になります。
そして、自信があるからこそ、「できるかも!」と新しいことにチャレンジできるようになるのです。
逆に、周囲と比べて「できた・できない」だけで判断してしまうと、子どもにとって大切な挑戦体験が“失敗”として記憶されてしまい、次のチャレンジへの気持ちがしぼんでしまいます。
脳は行動した分だけ発達します。
早産児の発達の遅れを巻き返すカギは、行動量を増やすことにあります。
その為、結果だけを評価せずに、その過程のできたこと・子供の想いに注目し認める事で、こどもがまた挑戦しようと思う事が大事なのです。
3.出来ない事が多めな早産キッズがチャレンジできる子に変わった関わり方
私も以前は、「うまくいかなかった」と決めつけて落ち込むことが多かったです。
しかし、発達科学コミュニケーションを学び、早産キッズに一番必要なのは《自信》だと知ってから、関わり方がガラッと変わりました。
発表会のあと、私はこんな声かけをしました。
「最後まで参加できたね」
「練習も頑張ってたって先生から聞いたよ」
「ドキドキしても、舞台に立ったことがすごいよ!」
できた事に注目して伝えることで、息子は「ぼくもできた!」という気持ちを持つことができました。
そして、それ以降に行われた発表会もすべて参加し、先生やクラスの子の助けを借りて、みんなと同じように踊れるようになりました。
「ぼくなんて、やっても無駄だ」と思い込んでいたら、発表会=嫌な思い出となり、きっとチャレンジしなかったでしょう。
「やればできるかも」「またやってみよう」――この前向きな気持ちこそが、子どもを次のステップに進ませる原動力になります。

いかがでしたか?
「できなかった発表会」も、出来ていた事を伝え、認めてあげることで、出来た体験になり、次の行動につながります。
今、子どもに必要なのは、「結果」よりも“過程を見てくれる人”。
「次はやってみる!」と自分で言える子に育てたいなら――
まずはあなたの目で「できている事」を見つけて、伝えてあげてください。
それが、お子さんの「挑戦する力」の土台になります。
パステルキッズの学校生活をより良くするためのヒントが多数あります!
執筆者:大島さくの
(発達科学コミュニケーション トレーナー)
(発達科学コミュニケーション トレーナー)