「コミュニケーションが苦手…」そんな発達グレーゾーンの子にお悩みではないですか?無理に話させなくても大丈夫。脳の特性に合わせた声かけで、子どもは少しずつ“話したい気持ち”を取り戻せます。焦らず寄り添うだけで、安心と自信も育ちます。その具体的な方法を解説します。
【目次】
1.コミュニケーションが苦手な理由は“脳の特性”にある
2.私が娘を見て気づいた“待つこと”の大切さ
3.発達グレーの子を“話したくなる子”に変える待つための工夫
1.コミュニケーションが苦手な理由は“脳の特性”にある
こんな経験ありませんか?
「友達と話していても、うちの子はすぐ黙ってしまう」
「質問されても考え込んでしまい、返事ができない」
「自分の意見があるのに、最後まで言えずに終わってしまう」
実はこれ、発達グレーゾーンの子どもによく見られる姿です。
なぜかというと、脳の特性が深く関わっているからです。
・空気を読むのが苦手
・考えながら話すのが苦手だから頭がいっぱいになって黙ってしまう
・不安や緊張が高まり「どう思われるだろう」と考えすぎて声が出ない
・心の中に思いはあるのに、適切な言葉に変換できない
こうした特徴が重なると、「話したいのに話せない」になってしまうんです。

人はコミュニケーションをとるとき、見たり、聞いたり、感じたりして情報をキャッチし、正しく理解し、そして行動に移すというステップを踏んでいます。
でも、自己主張が苦手な子どもたちは、このステップのどこかでつまずきやすく、言いたいことが言えなかったり、気持ちを伝えられなかったりすることがあります。
つまり、コミュニケーションが苦手なのは性格のせいでも、甘えでもないんです。
まだ育ち途中の脳のせい。だからこそ、毎日一緒に過ごすママの関わりが大きな力になります。
2.私が娘を見て気づいた“待つこと”の大切さ
「もっとちゃんと教えてよ」
「なんで黙ってるの?」
とつい、急かしてしまう。過去に私がやってしまっていたことです。
でもそれは逆効果でした。急がせるほど子どもは余計に話せなくなってしまう…
なぜなら、“話さなきゃ”というプレッシャーで不安がさらに強まるからです。
その結果、子どもはこんな気持ちを抱えやすくなります。
・どうせ話せない
・言ってもわかってもらえない
・急かされると気持ちが失せる
こうした気持ちが積み重なり、話せないだけでなく自分はダメだという思いこみにつながってしまいます。

不安や緊張が強いタイプ、言語発達が少しゆっくりしているタイプの子には、特にゆっくりゆっくり話を聞いてあげる、そんな経験がとても大事です。
過去の私の対応は、大事な子どもとの関わり「脳を育てる」こととは全く逆のことをしていたのです。
ママが急かさず待つことで子どもは安心して少しずつ言葉を出せるようになります。
私が対応を変えると、娘も徐々に今日あったことや思ったことをこちらが何も聞かなくても話してくれるようになりました。
今日は、待つための工夫をお伝えしますね。
3.発達グレーっ子を“話したくなる子”に変える待つための工夫
「待つ」ことは簡単なようで実はとても難しい対応です。
特に、不安や緊張が強いタイプ、言語発達がゆっくりなタイプの子にとっては、ママの聞く姿勢が“安心できるかどうか”を決める分かれ道になります。
◆➀笑顔でうなずき「言いたくなったらでいいよ」と伝える
自己主張が苦手な子に「早く話しなさい」と急かしても、脳の緊張が高まり言葉は出てきません。
優しい声で「大丈夫、ゆっくりでいいよ」と伝えることで、偏桃体の不安反応が和らぎ、安心して言葉を探せるようになります。

◆②ママが自然に動きながら“聞いているよ”を示す
「待つ=じっと正面で構える」必要はありません。
むしろ、監視されているように感じて余計に話しづらくなることも。
洗い物や片付けなど、軽く動きながら「うんうん」と相づちを打つ方が子どもは安心します。
そして、子どもが話し始めたら一度手を止めて目を合わせる。
これが「聞いているよ」のサインになります。
◆③感謝を伝える
「話してくれてありがとう」「そう思ったんだね」と笑顔で肯定的に返すこと。

脳は“言葉にしたら認めてもらえた”と学習し、次もまた話してみようという意欲につながります。
焦らずやることが大事です。
自己主張が苦手な発達グレーっ子に必要なのは、言葉を急がせることではなく、安心して待ってもらえる経験です。
小さな自己主張を肯定し、待って聴いてもらい、感謝で受け止めてもらう——その積み重ねが、やがて「自分の意見を言える力」につながっていきます。
自己主張ができない子が心配なママ必見!対応策をご紹介しています!
執筆者:瑞上 ようこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)