お子さんとのコミュニケーションがうまくいかなくてイライラする場合、お母さんはどう対応すれば良いのか?というお話です。
発達科学コミュニケーションリサーチャーの渡辺みゆきです。
発達障害・自閉症スペクトラムタイプで、説明が苦手な子どもの会話力を上達させる方法
レッスンスクリプト
お子さんの話を聞いたとき、
・説明が回りくどい
・主語や述語が抜けている
・話の内容があちこちに飛ぶ
・話の時系列がバラバラ
といったことはありませんか?これは、発達障害の自閉症スペクトラムタイプの人の「話し方あるある」です。
話はしてくれるけど「誰が?」「どこで?」「なんの話?」という感じで、わからないところだらけ。
さっきは、朝の会の話題だったのに、いきなり休み時間の話へワープ!そしてさらに登校中の話に巻き戻って…といった風に、時系列がめちゃくちゃ…ということもあります。
話を聞いてるお母さんも、しだいにイライラして「主語が抜けてる!」「話が唐突でわからない!」などと、きつく言ってしまいますよね。
ようやくお子さんの話の内容が理解できた頃には、お互いのイライラがMAXになってしまいます…。
お母さんの立場としては「相手にわかりやすいように話してよ!」となりますよね。
しかし、指摘され続けてるお子さんの立場だと「お母さんは全然話を聞いてれない!」「途中でダメ出しするから、何を話しているか分からなくなるじゃん!」となるのです。
せっかくの親子の会話が楽しめないのは辛いですよね。親子の会話でこんな調子だと、お友だちとの会話でもつまづきやすくなるし、社会に出て影響が出ないか心配になります。
でも、ご安心ください!今からでもお子さんのコミュニケーション力を高めることは十分可能です。会話の成功体験をたくさん積ませて、お子さんの会話力をアップさせてあげましょう!
そこで、お子さんの会話力をアップさせる3つのポイントを紹介します。
まず1つ目。あいづちで気持ちをしっかり受け止める!
まずはお子さんの話を聴いて、「へ~」「ふ~ん」「そうなんだ~」とあいづちを打って、しっかり受け止めます。
ここで、主語が抜けたり話題がすっ飛んでても、話の途中で質問をはさまずに最後まで聞くことが大切です。
2つ目は、足りない情報は質問で補うことです。
お子さんの話をひと通り聞いた後に、主語が述語など、抜けている情報は質問して補ってあげます。
「それは朝のこと?昼休みのこと?」とか「それって学校のことだっけ?学童のことだっけ?」など、なんとなく聞き逃しちゃった~、という姿勢で不足する情報を聴き出します。
または、「へ~?どうしてそうなったの?」とか「そのとき、どうなったの?」とか「他には?」といった質問で、お子さんの話を広げてあげるのもいいですね。
3つ目は、話の内容を簡潔にまとめて、共感と褒めの言葉で締めくくります。
「△△の後に、〇〇ってことだったんだね。それは辛かったね~。」
「□□してあげたんだ~。いいところに気が付いたね。お友達も助かったでしょう?」
など言いたかったことを時系列でまとめてあげて、共感や褒めの言葉を加えて締めます。この「共感や褒めの言葉で会話が終わること」が重要です。
その日の気持ちのモヤモヤが、良い記憶として整理されて、お母さんと話すと気持ちが落ち着く、という経験が蓄積されていきます。
すると、また次の会話につながり、心が通い合うコミュニケーションに発展していきます。
お子さんも、「会話には前提があること」「相手が理解や共感しているか?などの情報を確認しながら進めるもの」ということを感じて、情報を整理しながら話せるようになってきます。
発達科学コミュニケーションの基本は、肯定的な関わり方から始まります。
お子さんの話がわかりにくくても、肯定的な態度で耳を傾けてあげると、会話での成功体験が積み重なって、自信がつくと同時に、会話力も上がります。
いかがでしたか?説明する力や、会話する力は日常のコミュニケーションの中で育っていきます。まずは、おうちでのコミュニケーションで、楽しみながら育てていきましょう。
講師:渡辺みゆき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)