行動の切り替えが苦手な発達障害の子ども。「何度声をかけても、なかなか次の行動に移れない…」こんな風に悩んでいませんか?実はあるアイテムを使うと、発達障害の子どもがスッと行動できるようになるんですよ! |
【目次】
1.「うちの子、行動の切り替えが苦手…」と悩んでいませんか?
2.子どもの脳に必要なのは「行動したくなる仕掛け」
①「やらせる声かけ」に変える
②環境を変える
3.発達障害の子どもをスッと動かすアイテムとは?
1.「うちの子、行動の切り替えが苦手…」と悩んでいませんか?
行動の切り替えが苦手な発達障害の子どもたち。
「遊ぶのをやめて学校に行く準備をしなさい!」
「漫画を読むのをやめてお風呂に入りなさい!」
などと何度声をかけてもなかなか次の行動に移れず、最後はバトルになってしまう…こんな悩みはありませんか?
実は発達障害の子どもの「行動の切り替えが苦手」という様子には
・次の行動に向かってエンジンをかけるのが苦手
・見通しを持って行動することが苦手
など様々な特性が関係しています。だから「遊ぶのをやめなさい!」と何回言っても、子どもはなかなかやめることができないのです。
ではどういう対応をすれば、発達障害の子どもはスムーズに行動の切り替えができるようになるのでしょうか?
実は子どもを行動させたいときに、必ずお母さんに知っていてほしいことがあります。それは子どもを行動させたいときには、子どもの脳がスムーズに働くような対応が必要であるということです。
子どもの脳がスムーズに働くというのは、子どもが自主的に行動しているときの脳の状態です。
つまり「遊ぶのをやめなさい!」という声かけが発達障害の子どもに効かないのは、子どものやる気を引き出せていないからなんです。
そこで今回は、我が家の実践を例に、行動の切り替えが苦手な子どもがスッと動けるようになる仕掛けを紹介します。
2.子どもの脳に必要なのは「行動したくなる仕掛け」
先ほど述べたように、発達障害の子どもを行動させるポイントは、子どもの脳をスムーズに働かせる、つまり子どもが自主的に行動したくなる仕掛けを作ることです。
ここでは、実際にどういう対応をすればいいのかについて考えていきます。
◆①「やらせる声かけ」に変える
まず、1つ目は「やらせる声かけ」に変えるということです。例えば、子どもが公園で遊んでいたとします。
ここで「遊ぶのをやめなさい!」という声かけをすると、楽しくてフル稼動していた子どもの脳はブレーキをかけられます。その結果、子どもはやる気を失い自主的に行動することが難しくなるのです。
ところが反対に「最後にかっこよく滑り台を滑ったら終わりにしよう!」とやらせる声かけに変えると、子どもはやる気を出し自主的に行動し始めるのです。
つまり「〇〇するのをやめなさい!」ではなく、やらせる声かけに変えるだけで、発達障害の子どもはスッと行動の切り替えができるようになるんです。
◆②環境を変える
そしてもう1つ、行動の切り替えが苦手な子どもに対応するときに気をつけてほしいことがあります。
それは環境を変えることです。 例えば、子どもが「このおもちゃがほしい!」とお店で癇癪を起こしたとします。
大抵のお母さんはその場で「今日は買えないよ!」と言い聞かせると思いますが、実はこの状況、子どもにとっては気持ちを切り替えるのがとても難しい状況なんです。
なぜなら、ほしいおもちゃが「目の前に見えている」からです。発達障害の子どもは視覚優位と言って、目から入ってきた情報に影響を受けやすい傾向があります。
つまり気持ちを切り替えさせたかったら、環境を変えてあげることも大事なんです。
先ほどのおもちゃの例だと、まず、おもちゃ売り場から離れて、完全におもちゃが見えない場所まで連れて行くことが必要になります。
つまり、行動の切り替えが苦手な発達障害の子どもに対応するときは
・「やらせる声かけ」に変えること
・環境を変えること
の2つがポイントなんです。
3.発達障害の子どもをスッと動かすアイテムとは?
ここでは、我が家の実践を例に行動の切り替えが苦手な子どもへの対応についてお話します。我が家の息子は、発達障害グレーゾーンの小1です。
行動の切り替えが苦手な傾向があり、特に学校に行く前はなかなか遊ぶのをやめられず悩んでいました。 そこで私は機械やボタンが大好きな息子に、タイマーを使うことにしました。
まず私は、息子の机にタイマーを置き「後5分で学校に行く時間だよ。タイマーが鳴ったらボタンを押して、トイレに行こうね!」と声をかけました。
これに対し、息子は「分かった!」と返事してくれたものの結果は失敗。息子はタイマーを止めた後、「後少しやらせて!」とまた作業に戻ってしまったのです。
どうしてこの作戦は失敗してしまったのでしょうか?答えは「目の前に遊ぶ物がある状態だから」です。
そこで私は、ドアの近くにある冷蔵庫にタイマーを設置することにしました。すると今度は成功!
タイマーを止めるためには机から離れる必要があるため、タイマーを止めた流れでそのままトイレに行き、学校に行く準備ができるようになったのです。
さらにしばらく続けると、時間感覚が身についてきたようで、タイマーが鳴る前に自分から遊ぶのをやめることができるようになってきました。
つまり行動の切り替えが苦手な息子に効果的だったのは、タイマーを使って
・「後5分だよ。タイマーが鳴ったらボタンを押して、トイレに行こうね」と時間を予告して、次にすべきことを伝える
・次の行動に移りやすいように、タイマーは机の上ではなくドアの近くに設置する
という方法だったんです。
息子の場合はタイマーで満足してくれましたが、お子さんによってはキャラクターの目覚ましなどを使うと、やる気を引き出しやすいかもしれません。
いかがでしたか?行動の切り替えが苦手な発達障害の子どもへの対応には、「行動したくなる仕掛け」が必要です。
こうやって声かけや環境を工夫すれば、親があれこれ言わなくても、子どもは自主的に行動できるようになるんですよ。子どもがスッと動けるように、お母さんも楽しみながら工夫してくださいね!
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)