不安が強いASDの子どもが自ら動き出す!「ストレスに強い脳」を育てる3ステップ

 

不安が強いASDの子どもには、ママの声かけで「ストレスに強い脳」を育てることで、自ら動ける子になります。脳科学に基づいた家庭でできる関わり方で、癇癪・登校しぶりを減らし、前向きな行動を引き出すコツを紹介します。
 

【目次】

 
 

1.2学期は要注意!ASD・不安が強い子どもがストレス過多になる理由

 
 
「学校では頑張ってるのに家では癇癪」
「宿題もせずにダラダラしている」
 
 
そんな子どもの様子を見てイライラしていませんか?
 
 
自閉スペクトラム症(ASD)や不安が強いタイプの子どもは、周りの刺激を人一倍キャッチしてしまうため、心も脳も疲れやすくなります。
 
 
特に行事が多く、生活リズムが乱れやすい2学期は“ストレス過多”になりやすい季節なんです。
 
 
そんな時こそ「ストレスに強い脳を育てる関わり」が必要です。
 
 
この記事では、不安が強いASDの子どもが自分から動き出せるようになる3つの声かけステップを、脳科学に基づいてわかりやすく紹介します。
 
 
 
 
・何をすればいいのかわからず大きなストレスになる
・大きな音や声での指示で、普段以上の刺激で疲れてしまう
・人前で発表する、大勢の前で行動する機会が増えることで、緊張が強まる
 
 
学校で疲れて、家では登校しぶり癇癪ゲームばかり…そんな行動は、怠けではなく「脳のSOS」です。
 
 
「頑張れない子」ではなく、「もう頑張りすぎている子」と捉えてあげることから始めましょう。
 
 
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2.なぜASDの子どもはストレスに弱い?脳科学でわかる「脳の仕組み」

 
 
なぜASDや不安が強い子どもは、ストレスを受けやすいのでしょうか。
 
 
その理由は「脳の情報処理の仕方」にあります。
 
 
ASDや不安が強い子が疲れやすいのは、「たくさんの情報を受け取りすぎる状態」だからです。
 
 
同じ出来事でも感じ取る情報量が多く、脳が処理しきれずに疲れやすくなります。
 
 
例えば授業中、周りの子は先生の話だけを聞いているのに対して、ASDの子どもは先生の声だけでなく、
 
 
・隣の子がノートを書く音
・扇風機の回る音
・廊下を歩く足音
 
 
など、いろいろな情報を一度にキャッチしてしまいます。
 
 
まるで“脳のお皿”が小さいまま、いろんな刺激を山盛りにのせられているような状態。
 
 
刺激が大きい行事などでは、さらにストレスがかかりやすくなります。
 
 
 
 
学校では頑張っていて、元気そうに見えても、お家に帰ると「やるべきことを後回しにする」「不機嫌になる」。
 
 
そんな様子は、甘えているわけではなく、脳がいっぱいいっぱいでエネルギー切れの状態なんです。
 
 
そこに、お母さんからの「あれして、これして」という情報がさらに入ってくると、脳はさらにストレスを受け、悪循環に陥ってしまいます。
 
 
だからこそ、まずしてあげることは、脳のストレスを取り除き、脳に負荷がかからない声かけに変えること。
 
 
脳が発達してくると“脳のお皿”もだんだん大きくなっていきます。
 
 
すると、同じ状況でも疲れにくく、ストレスに感じることが少なくなっていくのです。
 
 

3.【体験談】ガミガミママ卒業!“声かけ”で息子が変わった理由

 
 
「わかってあげたいのに、ついガミガミ言ってしまう…」そう感じているママも多いのではないでしょうか。
 
 
実は私自身も、同じように悩んでいた時期がありました。
 
 
この章では、私の実体験を通して“ストレスに強い脳を育てる関わり方”をお伝えします。
 
 
 
 
学校では頑張っているのに、家に帰ると不機嫌になったり、宿題を前に動けなくなったりする息子。
 
 
宿題をやろうとしない息子に対して、私のしてほしいタイミングでやらせようとしていたので、息子のやる気は下がる一方でした。
 
 
そんなやる気の下がった状態の息子に、
 
「お母さんだって忙しいのに時間作って見てあげてるんだよ!」
「今やらないなら1人でやりなさいよ!」
「将来困るのは自分なんだからね!」
 
とガミガミ怒って余計にやる気をなくしていました。
 
 
ですがあるとき、息子にはやる気が出るタイミングと、どうしてもやる気が出ないタイミングがあることに気づいたんです。
 
 
こだわりの強い発達凸凹の子は、人から言われたことでは動けないことが多いです。
 
 
それは、裏を返せば、自分で決めたこと、自分でやろうと思ったことなら動くことができるということ!
 
 
「できていないこと」より「できていること」に目を向け、自分で選択させる声かけにしたことで、今では自分から課題に取り組み、期限までに提出できるようになりました。
 
 

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4.ママの声かけで変わる!ストレスに強い脳を育てる3ステップ

 
 
ママの声かけで脳を発達させて、受け取れる情報を増やすことで、ストレスに強い脳を育てることができます。
 
 
この章では、ストレスに強い脳を育てるママの声かけ3ステップを紹介します!
 
 

◆①ストレスを減らし自信を育てる肯定の声かけ

 
 
学校で負荷がかかっているとき、お家では肯定の声かけで「ストレスゼロ」にしてあげましょう。
 
 
無理に褒めようとするよりも、「すでにできていること」に目を向ける声かけが効果的です。
 
 
「歯を磨いたね」
「ノートを開けたね」
「お風呂に入ってスッキリしたね」
 
 
など、行動をそのまんま実況中継してあげてくださいね!
 
 
また、子どもの興味に寄り添う言葉も大切です。
 
 
「そのキャラクター、好きなんだね」
「面白そうな動画見てるね」
 
 
と声をかけるだけで、「ママは自分を見てくれている」という安心感と自信が生まれます。
 
 
この「肯定の声かけ」が、ストレスに強い脳の土台になります。
 
 
▼不安が強い子への肯定の声かけを動画で紹介しています!
 
 
 

◆②行動を引き出す声かけ

 
 
脳は行動することで発達し、ストレスにも対応できるようになっていきます。
 
 
不安が強い子は、やる気がないのではなく「どう動けばいいのか」がわからなくなることがあります。
 
 
そんなときに「早くしなさい」「やらないの?」と言っても、脳はストレスで動けなくなってしまいます。
 
 
代わりにおすすめなのが、「選択指示」
 
 
「宿題は今やる?それともおやつのあとにする?」
「片づけはひとりでやる?一緒にやる?」
 
 
というように、「どちらを選んでも動ける選択肢」を出すのがポイントです。
 
 
自分で選ぶ経験は、行動のエネルギーを引き出し、脳に「やってみよう」というスイッチを入れてくれます。
 
 
 
 

◆③最後にもう一度肯定!自己効力感を育てる

 
 
行動できた瞬間には、「自分で決めてできたね!」と優しく声をかけてあげましょう。
 
 
「できた」「自分でやれた」という成功体験の積み重ねが、子どもの自己効力感を育てます。
 
 
もし途中でつまずいたときも、「ここまでできたね」「少しずつ進めてるね」と、小さなできたを見つけて伝えてください。
 
 
ママの一言が、子どもの脳に「自分にはできる」という確信を育てていきます。
 
 
この3ステップが、不安が強いASDの子どもの「ストレスに強い脳」を育てます。
 
 
ストレスに強い脳を育てると、子どもは自分から挑戦できるようになります。
 
 
今日から試してみてくださいね!
 
 

不安が強い子のよくある質問(FAQ)

 
 

Q1:うちの子はASDではないけど、不安が強いタイプでも効果がありますか?

 
 
A1:もちろんです。不安が強い子や感覚が敏感な子にも、同じように「ストレスに強い脳」を育てる効果があります。声かけは脳の使い方を変えるトレーニングなので、診断の有無に関係なく活用できます。
 
 

Q2:“肯定の声かけ”がうまくできません。どんな言葉から始めればいいですか?

 
 
A2:「すでにできていること」を実況するのがおすすめです。たとえば「ノート開けたね」「準備できたね」など、小さな行動を認めるだけでOKです。
 
 

Q3:効果が出るまでどのくらいかかりますか?

 
 
A3:子どもの特性や状況にもよりますが、早ければ1〜2週間、多くの人が3週間ほどで変化を感じ始めています。
 
 
 
 
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執筆者:笠井みほ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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