不登校小学生に休ませるだけでは不十分?復帰が早くなる家での過ごし方

 

不登校になりたての小学生、休ませるだけで本当に大丈夫?と心配になっていませんか?不登校は脳がストレス状態にあることが原因。ただ休むだけでは自信と脳の回復は進みません。学校復帰を早める家での過ごし方をお伝えします。
 

【目次】

1.不登校小学生に休ませるだけで本当に大丈夫?
2.不登校の子どもは脳がストレス状態?〜ただ休むだけで不十分な理由〜
3.学校復帰を早める家での過ごし方
◆ステップ1 ストレス0期間
◆ステップ2 自信を育む声かけ
◆ステップ3 好きなことをさせる

 
 

1.不登校小学生に休ませるだけで本当に大丈夫?

 
 
お子さんが学校に行き渋ったり、休みが続いたりすると
 
 
 ・「“ゆっくり休ませましょう”って聞くけど、いつまで休ませたらいいの?」
 
 ・「このまま学校に戻れなくなったらどうしよう」
 
 ・「ただ家で休ませるだけで、本当に回復するの?」
 
 
そんな不安で胸がいっぱいになっていませんか?
 
 
心配になるのは当然です。ですが、不登校は正しく対応すれば、決して怖いものではありません。
 
 
先に結論をお伝えすると…「休ませること」は正解。
 
 
ですが、“休ませるだけ” では学校に戻る力までは育ちません。
 
 
なぜなら、不登校の子どもは決して怠けているのではなく、脳がストレスに耐えられない状態になっているからです。
 
 
 一度休ませることで一時的に脳ストレスが軽減し、登校できるようになる場合もありますが、また同じようにストレスがかかると、再び学校に行けなくなってしまうケースはとても多いです。
 
 

 
 
学校生活は、子どもにとって社会そのもの。
 
・朝起きて支度をする  
・時間割に従う  
・先生の指示を聞く  
・友達と関わる  
・授業についていく
 
この一つひとつが、子どもの脳には刺激であり、同時にストレスにもなります。
 
 
特に、発達に凸凹があったり、敏感で繊細なタイプの子は、学校生活で “脳の頑張りスイッチ” が入りっぱなしになりやすい特性があります。
 
 
学校は脳の負荷がかかりやすい環境。
 
 
この記事では、不登校の小学生が安心して回復し、学校復帰につながる“家での過ごし方”を具体的にお伝えします。
 
 
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 2.不登校の子どもは脳がストレス状態?〜ただ休むだけで不十分な理由〜

 
 
そもそも、なぜお子さんはなぜ学校に行けなくなってしまったのでしょうか?「学校にいけない理由がわからない」と悩むママも多いと思います。
 
 
・集団が苦手
・苦手な授業がある
・合わない先生やお友達がいる
・いじめにやトラブルにあった
 
 
このように“はっきりした理由”がある場合もありますが、多くの子どもは言葉にできない理由のないつらさ を抱えています。
 
 
共通して言えるのは、不登校の背景には脳がストレスに耐えられない状態になっているということ。
 
 
これは怠けでも甘えでもなく、“脳の仕組み”が限界に達しているサインです。
 
 

 ◆脳が戦闘モードになっている

 
 
 脳は「外側(理性)」と「内側(本能)」の2つの層に分けて考えることができます。
 
 
 ・外側の脳(理性的):落ち着いているときに働く
 ・内側の脳(本能的):危険を感じたときに働く
 
 
 通常は外側:内側=3:1でバランスが取れています。
 
 
しかし、不安が強いとき、怖いとき、気が張っているときは、外側:内側=1:3に逆転すると言われています。
 
 
これは、人が身を守ろうとするときに自然に起きる反応です。
 
 
特に、発達に凸凹がある子、感覚が敏感な子、繊細で不安が強い子は、この“逆転”が起きている時間が定型発達の子より長い傾向があります。
 
 
つまり、学校にいる間ずっと脳が“戦闘モード(ストレス状態)”になっているのです。
 
 

 
 

 ◆休ませるだけでは不十分な本当の理由

 
 
脳は ストレスを感じている間、発達を始めません。
 
 
エネルギーのすべてを“守る”ことに使うため、新しいことに挑戦する力や、失敗しても立ち上がる力、行動してみようと思う意欲といった“成長の力”は、脳が安心しているときにしか育ちません。
 
 
そのため、ストレス状態のまま学校に戻っても、また不登校を繰り返してしまいます
 
 
休ませることは必要ですが、それだけでは十分ではありません。脳が安心して発達できる状態を作ることが、学校復帰への土台となります。
 
 
つまり、休んでいる時間をどう使うかで、復帰のスピードも、その後の安定も大きく変わっていくんです!
 
 
では、どのように脳を発達させたら、学校復帰ができるのでしょうか?
 
 

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3.学校復帰を早める家での過ごし方

 
 
脳が発達し、ストレス耐性が整うほど、学校に復帰できるスピードは自然と早まります。ここでは、具体的な家での過ごし方を3ステップで紹介します。
 
 

◆ステップ1 ストレスゼロ期間

 
 
 学校で脳が戦闘モードだった子は、家では  
 
・刺激を避けたい  
・安心を取り戻したい  
・自分を守りたい
 
 という状態になり、結果としてゲーム・TV・わがままが増えることもあります。
 
 
 ですが、これはわがままや怠けではなく、脳がストレスから回復しようとしている自然な行動です。
 
 

家での過ごし方のポイント

・登校しぶりや休みが続いているときは、お子さんへの要求量を減らす
・勉強や家事、決まりごとに追われず、リラックスできる環境を作る

・ゲームやTVの時間が長くてもOK、少しだらしない生活でもOK
 
 
家は 「パワーチャージの場所」 と考え、脳が安心して回復できる時間をたっぷりと与えましょう。
 
 
まずは上手に休ませて“ストレスを取り除く”ことが最初のステップ。ストレスが取り除かれたら、次は少しずつ自信を取り戻す関わりをしていきましょう。
 
 

◆ステップ2 自信を育む声かけ

 
 
ストレスが取り除かれたあとに必要なのは、発達を加速させる関わりです。
 
 
不登校の子どもは、学校を休むことで罪悪感を感じ、自信を失っていることが多くあります。
 
 
お母さんにできることは、今できていることを認めて、自信を育てること。
 
 
自信がつくと、苦手なことや学校に行くことにも「やってみよう」という気持ちが少しずつ湧いてきます。
 
 
 声かけのポイントは、日常の当たり前にできている行動を言葉にして認めてあげること。
 
 
 「起きてきたね!
ご飯を食べられたね!
今〇〇してるんだね!
 
 
 ありのままの事実を肯定することで、子どもは「自分はできる」と感じ、自信を育てられます。
 
 
 自信が育つと、行動する意欲が湧き、少しずつ挑戦できる力が回復します。
 
 
 まずは、小さな“できたこと”を認める声かけで、行動する力の土台を作っていきましょう。
 
 

◆ステップ3 好きなことをさせる

 
 
ストレスゼロ期間で疲れた脳を休め、自信が育った子どもは、前向きに行動するようになります。
 
 
自信が育ったこのタイミングこそ、脳を回復させ、発達を促す最大のチャンスです。
 
 
遊びや好きなことに取り組む時間は、脳を活性化させ、楽しさを通して発達を促す大切なポイントです。
 
 
好きなことに夢中になると、次のような変化が見られることがあります。
 
 
・自分の気持ちを言葉で伝えられるようになる  
・これまで避けていたことにも挑戦できるようになる  
・日常生活でのエネルギーが高まり、行動力が増す
 
 
大事なのは、お子さんが十分にエネルギーを回復し、物事に向き合える状態になること
 
 
この3ステップを順番に行うことで、学校復帰への土台を整えてあげてくださいね!
 
 
不安な気持ちをコツを、動画でご紹介!
 
 
 
 

不登校の対応に関するよくある質問(FAQ)

 
 

Q1:学校を休ませるだけで本当に大丈夫でしょうか?

 
A1:休ませること自体は正解です。ただし、“休ませるだけ”では学校に戻る力や自信は育ちません。脳が安心して発達できる状態を整えるために、この記事で紹介している3ステップ(ストレスゼロ期間・自信を育む声かけ・好きなことをさせる)を組み合わせることが大切です。
 
 

Q2:学校に行けない理由がわからなくても、この方法で大丈夫ですか?

 
A2:はい、大丈夫です。多くの不登校の子どもは、言葉にできない“理由のないつらさ”を抱えています。家での過ごし方は、脳のストレスを取り除き、自信を育むことを目的としているため、理由がはっきりしていなくても効果があります。
 
 

Q3:ゲームやテレビばかりでも、脳の回復に問題はありませんか?

 
A3:問題ありません。学校で脳が戦闘モードになっていた子どもにとって、家で安心して過ごす時間は重要です。ゲームやテレビを楽しむことも、脳の回復とエネルギー補充の一部と考えてOKです。まずはストレスを取り除くことが最優先です。
 
 
執筆者:中井春菜
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)

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