不登校の小学生の子が「好きなことしかしない」のは疲れた心を回復させるだけでなく、苦手なことにも取り組めるようになる1番の近道です。脳科学では“好き”こそ頑張れる力を育てる土台です。不安な毎日を希望に変える、家での過ごし方を紹介します。
【目次】
1.不登校の小学生、好きなことしかしなくて大丈夫?
2.不登校になり暴言・暴力…荒れた息子が自信を取り戻したわが家のストーリー
3.“好き”から伸ばす!不登校の子の家での過ごし方
① 好きなことを思いっきり肯定する
② 一緒にやってみる・体験してみる
③ うまくいったことを肯定して記憶に残す
1.不登校の小学生、好きなことしかしなくて大丈夫?
不登校で家にいる小学生のわが子が、毎日好きなことしかしていない姿を見て「大丈夫かな…」と、不安になっていませんか?
実は脳科学的な子どもの発達の順番から考えると、好きなことに没頭する方が結果的に苦手なことにも取り組める力が育っていくんです。
子どもの脳は“好きなことをしている時”にいちばん発達します。
好きなことなら、
・自分から動ける
・何度もくり返せる
・成功体験が積み重なる
集中力・思考力・工夫・継続力…あらゆる“生きる力”が育つんです。

好きなことならば、ポジティブな気持ちで取り組んでいるので、多少失敗したり、うまくいかない過程があったりしても、めげずに続けることができます。
好きなことの中で、うまくいかないことや苦手な作業などを乗り越えた経験は、脳にしっかり記憶され、他のことにも応用されます。
好きなことは、子どもの脳がいちばん伸びる最高の教材。
学校での「やるべきこと」に縛られない“不登校の今”こそ、家での過ごし方は「好きなことをとことんやる」でOKなんです!
2.不登校になり暴言・暴力…荒れた息子が自信を取り戻したわが家のストーリー
この章では、息子の不登校に向き合った私のストーリーを紹介します。
◆暴言・暴力で荒れた息子
私には注意欠陥多動性障害(ADHD)で、読み書きが苦手な小学生の息子がいます。
息子は小2の冬から不登校になり、家で暴言・暴力が一気に増えました。
家の前で大声、少しの刺激で爆発、「死にたい」「生まれてこなければよかった」と自分を否定する言葉も言うようになり、親子ともに苦しみました。
刺激が多い学校。ただでさえ情報処理が苦手な息子には、キャパオーバーだったんです。
私は“もう限界”という息子のSOSを受け止め、家での過ごし方は、息子が好きなこと・楽しいことだけにしました。
家ではゲームやYouTubeばかりでもそれを肯定し、時には平日でも外出。
大好きな飛行機や電車を見に行って、ポジティブな記憶をどんどん作っていきました。
すると、楽しい思い出を親子で一緒に作ることをいつも以上に意識して積み重ねたことで、1ヶ月ほどで気持ちが安定し、落ち着き始めました。
飛行機の工作や料理など、ゲームやYouTube以外のことにも取り組むようになりました。

◆うまくいかなくてもあきらめない力が育ち始めた!
ちょうど不登校中に、スノーボードに初挑戦した息子。
最初は転んでばかりでグローブはびっしょりでした。
ですが、これまでなら諦める場面でも、息子から出た言葉は「楽しい!」だったんです。
この“楽しい”が、脳を一気に育てます。
・上手い人を観察する
・どうしてできたか説明する
・YouTubeで研究する
・転んでもあきらめない
「うまくいかなくてもあきらめずにやり続ける力」が育っていると思えた瞬間でした。
息子にとってしんどいことの多い学校では、育ちにくい力です。
自分の好きなことで自信を取り戻し「できた!」が積み重なった息子は、大っ嫌いな勉強にも少しずつ取り組めるようになりました。
そして、また学校に通えるようになったんです。
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3.“好き”から伸ばす!不登校の子の家での過ごし方
この章では、わが家で実際に効果のあった“好きから伸ばす関わり方”を3ステップで紹介します。
◆① 好きなことを思いっきり肯定する
不登校になると、子どもは“自信のストック”が一気に減ります。
まず必要なのは、心を回復させること。
自分の好きなことをそのまま認めてもらえることは、子どもの安心の土台を育てます。
それがたとえゲームやYouTubeでも大丈夫!
「なんのゲームしてるの?」
「これおもしろそうだね!」
「そんなに難しいのに、どうやって覚えたの?」
こんなふうに、まずはやっていることに興味関心を向ける声かけをしてみてください。
◆② 一緒にやってみる・体験してみる
脳は行動することで発達します!
子どもがママの誘いにのってきそうなら、好きなことから行動を広げてみましょう。
・ゲームや工作なら一緒にやってみる
・乗り物が好きなら、実際に乗る・見に行ってみる
・推しがいるなら、グッズを探しに行く
「平日に外出していいの?」と思うかもしれませんが、案外大丈夫なものです。
少し外に出るだけでも
・新しい景色
・新しい刺激
・親子の会話
が生まれ、世界が広がります。

◆③ うまくいったことを肯定して記憶に残す
実際に行動したり、外に出たりしてみると、想定外のことやうまくいかないことも起きると思います。
もしかしたら、途中でやめてしまうこともあるかもしれません。
それでも取り組んだこと、一歩踏み出したことをママの声かけで「成功」の記憶にしてあげましょう。
「今日は一緒にやれて楽しかったね!」
「ここまでできたの!びっくり!!」
1ミリの“できた”を見つけて、言葉で伝えてあげてくださいね!
こうした肯定の積み重ねが、挑戦できる力へとつながり、最終的に学校の課題にも向かえるエネルギーを育てます。
不登校の今、 家で好きなことしかしない姿を見て不安で押しつぶされそうになるかもしれません。
でも大丈夫です!
“好き”を味方にしてあげることで未来へ向かう力が育ちます。
子どもの伸びようとする力を信じてあげてくださいね!
▼好きなことで苦手を伸ばすといい理由を動画で解説!
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執筆者:若月綾
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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