もうすぐお正月ですね。昔からお正月は、神様をお迎えするための行事であると考えられています。実はお正月の風習をうまく使えば、空気が読めない発達障害の子どもの脳をぐんと伸ばすことができちゃうんですよ! |
【目次】
1.お正月の神様が子どもの脳を発達させる!?
いよいよ今年も残りわずか。もうすぐお正月がやってきますね。お正月の風習には様々なものがあります。皆さんはどういう意味があるか知っていますか?
日本では昔から、お正月になると新年の神様がそれぞれの家庭にやってくると言われています。その大事な神様をお迎えするために生まれたのが、鏡餅、おせち料理、大掃除などの様々な風習です。
そして当たり前ですが、この神様は目には見えません。つまり昔から日本人は、目には見えない神様の存在を想定しながらお正月の準備をしてきたんです。
実はこの「目には見えない存在を想定しながら行動をする」というのは発達障害の子どもにはとても大事なことなんです。
発達障害の子どもは、状況を理解したり相手の気持ちを考えるなど、空気を読むことが苦手な傾向があります。つまり、「目には見えないものに想像力を働かせる」ということが苦手なんです。
そこでぜひ活用してほしいのが、お正月の神様です!今回はお正月の風習を活用して、空気が読めない発達障害の子どもの脳を伸ばす対応をお伝えします。
2.発達障害の「空気が読めない」には脳の発達が大きく関係!
では、どうして発達障害の子どもは空気が読めない傾向があるのでしょうか?これには脳の発達が大きく関係しています。
私たちの脳は場所によって働きが違います。「空気が読めない」という特性には脳の複数の場所が関係しているのですが、その中でも特に関係が深いのは脳の「理解する部分」です。
「理解する」ということには、言葉の理解と状況の理解の2種類があります。具体的には
・話を聞いて内容を理解する→言葉の理解
・表情や声のトーンから相手の気持ちを理解する→状況の理解
という感じです。ところが発達障害の子どもは、言葉の理解力はあっても状況の理解をすることが苦手な傾向があります。そのために、空気が読めないと言われてしまうんです。
つまり、空気が読めない発達障害の子どもには脳の「状況を理解する部分」を伸ばしてあげることが必要なんです。
空気が読めないタイプの子どもは言葉の理解力はあります。そして脳の発達に欠かせないことは子どもに行動させることです。
つまり脳を発達させて、空気を読めるようにしてあげるためには
・言葉を補ってあげること
・実際に体験させること
の2つが必要なんです。
3.子どもの脳を発達させる、お正月の風習の伝え方
では空気が読めない子どもの脳を発達させるためには、具体的にどうすればいいのでしょうか?
それは、目には見えない神様の存在をお母さんが説明して、子どもに楽しみながら行動させることです。
まずは「お正月ってね、とっても特別な行事なんだよ。実はね、〇〇君の家に神様が来て幸せを分けてくれるんだよ!」などとお正月とは何かを説明してあげてください。
さらにお正月の風習には
・大掃除→神様に気持ちよく来てもらうため
・門松や松飾り→神様のための道案内
・おせち料理→神様をおもてなしするための料理
・鏡餅→お正月の間、神様が泊まる場所
など様々な意味があります。この風習の由来をヒントに
「神様がびっくりするくらい、きれいに掃除しよう!」
「神様がすぐにお家を見つけられるように、素敵な飾りを作ろう!」
「おせち料理を食べると、神様からパワーが分けてもらえるんだよ!」
「鏡餅は神様のお部屋だから、かっこいいのを用意しようね!」
などと、子どもがワクワクするような声かけをしてあげてください。そして行動できたら「わーピカピカ!これなら神様も喜んでくれるね!」「素敵な飾りができたね!」などとたくさん褒めてあげましょう。
子どもは褒められると自信がつき行動力が上がります。その結果、脳がぐんぐん発達していくんですよ。
さらにもう1つ、大事なことをお伝えします。お正月は、神様から新年の幸福を授けていただくという目的があります。つまり、おせち料理や大掃除など風習は「みんなが幸せに1年過ごせるように」という願いが込められているのです。
空気が読めない傾向がある発達障害の子どもは、普段から自信をなくす機会がたくさんあります。
「あなたとこうやって一緒にお正月を迎えらえて、お母さんはとっても幸せだよ。」
お正月にはこんな言葉をたくさんかけて、子どもの自信を取り戻してあげてくださいね!
子どもの自信を取り戻す方法、発信中!
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)