運動に対して苦手意識のある発達障害自閉症スペクトラム、アスペルガー、ADHDタイプの子におすすめのスポーツはスキーです!球技や走るのが苦手、筋力がない子でも、子ども心を掴んだ指導方法で楽しくスキーをマスターできる教室をご紹介します。 |
【目次】
1.運動が苦手な我が子が「得意なスポーツはスキーです!」と言い切る自信
2.発達障害自閉症スペクトラム、アスペルガー、ADHDタイプの運動が苦手な子どもでもスキーが上手になる理由
①半日コースよりも1日コースがおすすめ!
②レベルに合わせて成功体験!
③気分が乗らなくなったら…?
④ステップアップ方式で達成感!
3.スクールに預けられない小さい子向け設備
4.上達したら…
1.運動が苦手な我が子が「得意なスポーツはスキーです!」と言い切る自信
発達障害自閉症スペクトラム・グレーゾーンの長女は、歩けるようになっても、なぜか片腕で抱っこができないグニャグニャの子でした。筋力がなく、反対の手で背中を支えていないと、すぐ倒れ落ちそうになるのです。
食も細く、食べさせるのにも一苦労。体力はないくせに、夜中の11時過ぎにならないと寝ないので寝かしつけにも毎日2時間以上かかる状態でした。
そんな我が子がスキーを始めたのは4歳の冬でした。私たち夫婦は中学の移動教室で少しスキーをかじった程度で、興味もありませんでした。
そんなときに友人から紹介され、遊びの一貫で体験したスキー教室にドはまりしてしまいました。というのも、そんなグニャグニャの我が子が半日でスイスイと山を滑り降りてきたからです。
そのときの活き活きとした顔!先生にたくさん褒められ、自信満々の笑顔でした。もちろん親もべた褒めしました! そして、昼食は一人前をペロリと食べ、午後のスキーへ!
1日スキーを楽しんだ後は、グッスリ眠ってしまい、どこの子ですか?うちの子ですか?というぐらい見たことのない、はつらつとした子になっていました。
それからは毎冬、同じスキー教室に通っています。これと言って得意と言えるものはなかったのですが、「スキーが得意です!」と自信を持って言える子になりました。
スキーは自転車に似ています。バランス感覚をつかめば、筋力のない幼児でもすぐに滑れるようになります。一見難しそうに見えることができるようになるので、子どもが自信をつけやすいスポーツです!
2.発達障害自閉症スペクトラム、アスペルガー、ADHDタイプの運動が苦手な子どもでもスキーが上手になる理由
山梨県清里にあるサンメドウズ清里スキー場に「スキッズ・キャンプ」という子ども向けのスキー教室があります。スキー教室は3歳から、スノーボードは小学生から受講できます。飽きっぽい子ども心をよく理解した指導が行われています。
◆①半日コースよりも1日コースがおすすめ!
レッスンは半日ごとに選べます。
【午前】10:00~12:00(2時間)6000円
【午後】13:30~15:30(2時間)5500円
【1日】10:00~15:30(4時間)7500円
1日コースは「食事付き(+1000円)」にすると、10:00~15:30まで親は不要になります。
幼児の内は、何かあると(例:おもらししたなど)携帯電話に連絡が来るので、すぐにかけつけられるようスキー場に残ることをお勧めしますが、そうでもなければ昼食の世話もおトイレもすべて面倒をみてくれます。
おもらしなどの心配がなくなる小学生ぐらいになると、親は山を下りて清里駅周辺の観光地を散策したり、美味しいランチを食べに行ったりすることもできます。
ロッジで仮眠をとったり、パソコンを広げて仕事をしたり、毎週末通う人はそこで友達になった親御さん同士で談笑しています。では、子ども達はどうしているか?というと…
12:00頃、センターハウスに戻り、インストラクターの先生と一緒に「スキッズランチ」を食べます。どの子もあっという間に食べ終わり、先生に連れられてどこかに行ってしまいます…。
行先はトイレです。一つのトイレに数名が並び、先生がウェアを脱がせ、後始末をし、また着せて…とまるで保育士の先生のようにみてくれます。
その後、スクールの受付会場にあるTVでアニメのDVDを観ながらゴロゴロと休憩をします。その間に先生が髪を直してくれたり、ウェアを調整してくれたりもしています。
この様子はすべてコソコソ後をつけて観た様子なので、他の過ごし方もあるのかもしれませんが、一連の行動をサクサクこなす娘に驚いたものです。
親が手を出していたら、確実に倍の時間がかかっている時期でした。DVD鑑賞中は幼児だけでなく、小学生も一緒に過ごしています。上の子が下の子の遊び相手になっていたり、年齢の異なる子ども同士が交流したりといったこともあります。
行く度にメンバーは変わりますが、常連メンバーもいるので、再会を楽しむ場にもなっています。1日コースはスキー以外にも学ぶことがありおすすめです!
◆②レベルに合わせて成功体験!
レッスンは、レベルに合わせて6段階に分かれて行います。初めての子どもは「グリーン」から始まります。
まずは傾斜が緩やかな専用のスペースで安全にプルークボーゲンを学びます。 ストックは使わず、板だけつけた状態で、子ども達がスリスリと雪の上を歩いて専用スペースに向かいます。
その姿はカルガモの行進さながらの可愛さです。しかし、インストラクターの先生方は大変です。
歩くのが精いっぱいの子達ですから、しりもち をついたり、遅れたり、絡み合ったりしている子達のそばを何往復もしながら、スキー用具の着脱方法、転び方、起き上がり方、ボーゲンとブレーキの仕方を指導します。
そのときの年齢層、人数によって先生がつく人数も変わるようです。3~4歳が多い時は、先生の人数も多めです。小学校低学年の子が多いときは、少人数に分かれて5~6名に一人の先生がついてレッスンをするようです。
そのときの子ども達の構成でグループがうまく作られています。ときに、予想と異なる動きをする子どもがいる場合は、グループ構成を変えて指導されていることもありました。
初日はそこでのレッスンが続くのだろうと思っていたのですが、1時間ほどでリフトに乗り、初級コースを滑り降りてくるようになるから不思議です。
◆③気分が乗らなくなったら…?
そのときの天気によって山上は氷点下になることもあります。寒さだけで気分が乗らなくなる子もいるようです。子どもの気分はコロコロ変わります。 そんなときは「飴ちゃん」が出てくるようです。
山上のできごとなので、直接見た訳ではありませんが、子どもの話によると、「〇〇ちゃんが転んで泣いちゃって、泣き止まないから飴もらった」ということもあれば、「初めて〇コース行けたからご褒美に飴もらった」や、「寒いから飴もらった」というときなど色々のようです。
それまで飴をあまり与えていなかったこともあり、我が子は先生のポケットの中の飴も楽しみの一つになっていました。
◆④ステップアップ方式で達成感!
受講者はだれでも、「スキッズブック」というものがもらえます。レッスンごとに先生が記録をつけてくれるだけでなく、親子に上達具合を説明してくれます。
「曲がるのも止まるのも上手になりましたよ。体重を前にかけられるようになると、もっとスピードが出るようになって面白くなりますよ。」など、その先が見えるような説明をしてくれます。
子どもは不服そうに聞いているのですが、必ずどこか褒めてくれます。親バカなので我が子が褒められると、嬉しくてたまりません。
そして、次に何をすればよいのかスモールステップでするべきことを教えてくれるので、次のレッスンのときは「体重を前に!」と親子で確認ができます。
さらに、日曜日の午後にレッスンを受けると、「Jr.バッジテスト」という進級テストが自動的に受けられます。
はじめのうちはすぐに進級するので、達成感が得られやすく、「また行きたい!もっと上手になりたい!」という自信とやる気が育つ仕組みになっています。
レッスンが終わった後、16時に検定結果が発表されます。その会場にいると、子ども以上に親御さんが我が子の名前が呼ばれるか?!とドキドキされている様子がわかります。
3.スクールに預けられない小さい子向け施設
スクールに預けられない兄弟姉妹がいる場合は、スキー場に併設されているスノーランドで遊びましょう。そり滑りや、かまくら作りなど乳幼児の遊び場があります。
隣には室内のプレイルームもあるので、オムツ替えや授乳、寒いときには避難もできます。 そり滑りもなかなかの傾斜と距離を滑れるので、大人も子どもと一緒に楽しめます。
4.上達したら…
6段階中4段階までは比較的スムーズに進級できます。しかし、5段階目の「ブロンズ」から「シルバー」に上がるには、ググっとレベルが上がるようです。
「ブロンズ」の目標は「中級コースを安全に滑る技術を学び挑戦します」とあるように、両足を揃えて曲がる練習やポール練習も始まります。
検定の基準も速さになります。そのときの天気や雪のコンディションで規定の秒数は変わりますが、我が子は頑張っても、頑張ってもタイムが縮まらず、なかなか次のクラスに進めません。
先生からは「もうちょっと体重が増えないと、これ以上はタイム伸びないな…とにかく食え!」と、とうとう褒め言葉も出なくなってしまいました。
そうです。何事も始めはたくさん褒めてもらえますが、一定レベルになると細かな課題を乗り越えることが求められます。上達してくると先生の甘い言葉も減ってきます。
幼児をみる先生はよく褒めてくれますが、小学生相手になると厳しい先生も出てきます。でも、それまでにたくさん褒め言葉をもらった蓄えがあります!そして、スキーはあきらめたくない、辞めたくない大好きなことになっているので、批判されてもめげません!
普段なら落ち込んでしまうところですが、「そっか!細いからいけないんだ。来年大きくなったらきっとシルバー行けるね!」と前向きな娘!たくさん食べて筋肉をつけなさい、という理解には至らず、寝て待つことにしたようです。
理解力は悪いけど、精神面は鍛えられてきています!スキーシーズンは12月14日~3月28日までです。スキッズキャンプ以外にも、個人で受けられるプライベートレッスンや大人向けのレッスンなど教室は豊富です。
また、一定レベルに達しており、本格的なスキー技術を目指す子が入れる「TEAM Sun Kids」というチーム(入会料金30000円)や、1月の3連休に行われるジュニアキャンプ(宿泊、リフト券、保険、検定料込み36000円)などもあります。
スキーを体験させたいと思っている方は、スキッズキャンプを一度お試しください。
--施設詳細--
【施設名】サンメドウズ清里スキー場/ハイランドパーク
【住所】山梨県北杜市大泉町西井出8240-1
【TEL】0551-48-4111
【公式サイト】http://www.sunmeadows.co.jp/
※この記事の情報は2019年12月時点のものです。おでかけの際には公式サイトで最新情報を確認してください。
執筆者:おざわ つきこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)