「うざい」ゼロを目指す!発達障害グレーゾーンの中学生の本心は?(学校編)

何を聞いても「うざい」「面倒くさい」などとすぐ返してくる中学生の我が子。反抗期だから…と片づけていませんか?ここでは学校現場で働く筆者が、発達障害グレーゾーンの中学生から本音を引き出すコツをお伝えします。
 

【目次】

 

1.発達障害、グレーゾーンの中学生の「うざい」の意味はこれ!

 
 
「お帰り」と言われれば、「ただいま」と返すのが普通ですよね。しかし反抗期の子どもは、発達障害がある・ないに関わらず「うざい」と返ってくることがよくあります。
 
 
「うざい」には、面倒くさい、関わって欲しくない、親と話すなんてありえない。という大人への反発心や自分の中と外の葛藤を表しています。
 
 
そんな反抗期ならではの、「うざい」とは少し違った意味をもつのが、 発達障害・グレーゾーンの中学生の「うざい」です。
 
 
とにかく困ったら「うざい」と言う
話の内容が分からないときや、どう答えてよいのか分からないとき「うざい」と言う
みんな言っているから、とりあえず「うざい」と言う
 
 
このように使っている現状は少なくありません。
 
 
反抗期の不安感だけではなく、発達障害・グレーゾーンの中学生は、ただでさえ、気持ちを表現することが苦手であり、非常に苦しい状況に陥っていることが多いです。
 
 
そこで今回は、学校現場で働く筆者の経験から、発達障害グレーゾーンの中学生から本音を引き出すコツをお伝えします。
 
 

 
 

2.発達障害・グレーゾーンの中学生の本音を聞き出す裏ワザ

 
 
素直に助けてと言えない。でも、本当は辛い
 
 
中学生になると、勉強もさらに難しくなり、学習面も分からないことが増えてくる時期です。そんな時期だからこそ「うざい」は、最も適当な言葉として、使われているようです。
 
 
中学校の先生と生徒との会話の中でも「うざい」は、大ヒットワードの一つです。
 
 
少しバツが悪くなる理解が追い付かなくなるぼーっとしたくなる。そんな時には、決まって「もうその話うざい」とよく言われます。
 
 
言われたときには、大人でもすこし凹みますが、ここが発達障害・グレーゾーンの子どもの本音を聞き出す裏ワザ場面となります。
 
 
これは私が普段、生徒とやりとりをしている会話の例です。
 
 
「もういいよ。マジうざい、うざい」(2回は続けてきます)
「うざいというけれど、この部分までは、うざくなかったでしょ」
 
「そうだけど、それからの話が、長くてうざい」 
「そうか、話が長いということが”うざい”ということなのね」
 
「話が長いとどうしてうざいの?」
「意味が分からなくなるから」
「そんなに、言われてもわからないから」
 
 
などと「うざい」隠れている本音を引き出します
 
 
話が長い意味が分からなくなった、ということで使っていたと分かります。
 
 
そして、そのあとにこう続けます。
 
「うざいの意味は、分かった。」
「それでも、その言葉をいわれるのは、本当に傷つく
「話をしている時のうざいは、やめて欲しい」と伝えます。
 
 
言葉の使い方で、相手の気持ちを傷つけることもあるということを伝えるのです。
 
 
簡単な言葉で、その場を乗り切ったように見えても、そこには、それを受ける相手がいるということを感じてもらうことが大切です。
 
 
そして、「話が長いなあ」とか、「よく分からなくなったなあ」と感じたら「ストップ!」という言葉にして欲しいと言い換えるように伝えます。
 
 

 
 

3.言葉の言い換え、伝え換えを定着させるチャンスを見逃さない

 
 
ここまで来たら、あと一押しです。
 
 
「うざい」の代わりに「ストップ」を採用しました。それを定着させるまで、あっさりしつこく伝え続けることが必要です。
 
 
何か話をしていて、「うざい」と言ってきたら 、「うざいではなくて…」「ストップ」
 
 
話が分からなくなったら、「ストップ」。これを、スマイル声のトーンは柔らかく伝え続けます。
 
 
すぐ忘れて繰り返してしまうことや、「うざい」という言葉に反応しないようにします。あくまでも「ストップ」という言葉に置き換えることが必要なことであり、「うざい」という言葉に大人が意味をなくすことが必要です。
 
 
何度も繰り返して行くと、言葉は出てこなくても「ストップ」と言いたそうな雰囲気が分かるようになります。
 
 
今「何か感じている?もしかしてストッ…プ?」 「うん、ストップかも」 ここが称賛ポイントです。
 
 
できた・できないではなくて、感じる力を育てること。自分が困ってきたと感じることが大切なのです。
 
 
人は、困り感がなければ、それに対して改善しようとは思えないのです。 だからこそ、何度も「少し困ったなあ」という感じを味わっていそうなときには、それがいいよ、あっているよ、と伝える。
 
 
その気持ちに気づいたら「ストップ」という言葉で表す。 表すことは、最終結果ですから、ここまでの、プロセスが大切であり、脳の成長を加速させる要素にもなります。
 
 
もちろん「ストップ」と言えたら「伝わりましたよ。あなたの分からなくなったところが!」と素直にそのことを受け止める言葉がけを行います
 
 
しっかり反応を返していくことで、さらに定着させていくことができます。
 
 
 
 
このように、一人では、気づかないことでも、誰かが気づいて、解決策や、その方法を一緒に考えること、そして一緒に取り組むことで、発達障害・グレーゾーンの子どもの成長は、加速していきます
 
 
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執筆者:中村愛
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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