片付けの途中で遊び始める、食後に歯磨きもせずにテレビを見始める…こんなADHDタイプの「やるべきことが進まない」様子に悩んでいませんか?ここではADHDの子どもをサクサク行動させる、とっておきの対応を紹介します。 |
【目次】
1.発達障害ADHDタイプの「やるべきことが進まない」問題で悩んでいませんか?
2.ADHDを集中させるために必要なことは2つ!
◆目的を持たせる
◆隙を与えない
3.やるべきことがサクッと終わる!我が家の息子の変化
1.発達障害ADHDタイプの「やるべきことが進まない」問題で悩んでいませんか?
1つのことに集中して取り組むのが苦手な注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子ども。
・片付けている途中で遊び始めてしまう
・食後に歯磨きもせずにテレビを見始めてしまう
こんな風にやるべきことがなかなか進まない様子に困っていませんか?
「遊んでないで片付けて!」「テレビは歯磨きしてからでしょ!」とついイライラしてしまうお母さんも多いかもしれませんね。
我が家にもグレーゾーンの小1の息子がいるので、その気持ちよく分かります。
実は、ADHDタイプの子どもがこんな風に「やるべきことに集中できない」のには脳の特性が大きく関係しています。
1つ目は、不注意です。
ADHDタイプの子どもは気が散りやすく興味がコロコロ変わるために、つい他のことをやり始めてしまうのです。
2つ目は衝動性です。
ADHDタイプの子どもは自分の欲求をコントロールすることが苦手です。そのため、「やりたい!」と思ったらすぐに飛びついてしまうのです。
3つ目は情報処理が苦手なことです。
発達障害の子どもは、一度に複数のことを記憶することが苦手です。そのため、今自分がやるべきことを忘れてしまいがちなんです。
そこで今回は、ADHDタイプの脳の特性を利用した、やるべきことをサクッと終わらせるためのとっておきの対応を紹介します。
この記事の最後では、我が家の息子の変化も公開しちゃいますよ!
2.ADHDを集中させるために必要なことは2つ!
では、発達障害ADHDタイプがサクサク行動するために必要な対応とは何でしょうか?ここでは2つのテクニックを紹介します。
◆目的を持たせる
発達障害ADHDタイプの子どもが生きている世界は、基本的に「自分にとって必要なものしか興味がない」世界です。
お子さんはよく、物をなくすことはありませんか?実はなくしやすい物というのは、本人にとって重要度が低いために、存在すら忘れられている可能性が高いんです。
この意識の低さは、物だけでなく行動に対してもよく見られます。例えば片付けがなかなか進まないのも、歯磨きをしないのも、子どもにとっては必然性を感じられないことだから、というわけです。
そこでADHDタイプの子どもを行動させたいときにまず必要なのは、目的を持たせることです。
先ほどお話ししたように、ADHDタイプの子どもは衝動性を持っています。実はこの衝動性は活用することもできるんです。
その活用法とは、子どもが思わず行動したくなってしまうような仕掛けを作ることです。仕掛けの作り方には2通りの方法があります。
1つ目はご褒美です。「着替えが終わったら、チーズをあげるよ」なんていうのもいいですし、「ゲームを10分」など子どもの好きな活動をご褒美にしてもいいですね。
2つ目はタイムレースです。ADHDの子どもは「競争」と聞くと燃えるタイプが多くいます。
タイマーやストップウォッチを使い、「絵本を何分で片付けられるかな?」「ブロックを5分以内に箱に戻せるかな?」などの声かけをしながらタイムレースに取り組みましょう。
◆隙を与えない
先ほどもお話ししたように、発達障害ADHDタイプは気が散りやすい傾向があります。そのため、やるべきことに集中させたいときは隙を与えずに指示出しをすることが必要なんです。
と言っても、「〇〇しなさい!」と次々に指示を出すばかりでは子どもは素直に行動してくれません。上手な指示の出し方には2つ方法があります。
1つ目は必要な道具をあらかじめ用意しておくことです。
例えば食後に歯磨きをしてほしかったら食卓に歯ブラシも置く、朝起きてすぐに着替えられるように枕元に服を置いておくなどがあります。
こんな風にやるべきことを「見える化」することで、子どもの興味が他に向いてしまうのを防ぐことができるのです。
2つ目は実況中継しながら細かく指示を出す方法です。
例えば片付けだったら
「ブロック集められたね!じゃあ次は箱に入れようか!」
「動物の本、棚に戻せたね!じゃあ次は電車の本を棚に入れようか!」
という感じで、褒めと指示出しをセットにする声かけです。
子どもは褒められると自信がつき、自分からどんどん行動するようになっていきます。今できていることに注目してあげることで、次の行動がスムーズになるんですよ。
3.やるべきことがサクッと終わる!我が家の息子の変化
ではここでは、我が家の息子の変化をお話ししたいと思います。
我が家の息子はADHDの特性を持つグレーゾーンの小1です。
気が散りやすく、なかなかやるべきことが終わらないため以前はよくイライラしていました。
そんな息子ですが、今では自分で行動をコンロールできることが増えました。
例えば「着替え終わったら、アイロンビーズで遊ぶことにする!」と自分でご褒美を設定したり、「5分で片付けを終わらせる!」と自分でタイマーを使ってタイムレースをすることができるようになったのです。
また、うっかり他のことをやり始めてしまったときも、「あ!今片付けしてるのに遊んじゃっている!ブロックを集めてたんだ!」と今やるべきことを思い出せるようになりました。
実はこんな風に、自分の行動をコントロールできるようになることはとても大切なことです。
子どもは将来、私たちの元を離れて巣立っていきます。そのときまでに、いかに自分の特性とうまく付き合えるようにしておいてあげるか?が発達障害の子どもを育てる上では非常に重要なことなんです。
私たちはついつい目の前の困りごとを解決することばかりに気をとられがちです。でも本当に大切なことは子どもが1人で生きていける力を授けてあげることですよね。
まずは、子どもの特性をきちんと理解する。そして特性に合わせた対応をすれば子どもの脳はぐんぐん発達していきます。
お母さんの対応で、ADHDの子どもにサクサク行動できる力をつけてあげてくださいね!
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)