勝ちにこだわる発達障害・グレーゾーンの子どもに必要なのは〇〇続けること!

絶対に自分が1番!な子どものこだわりはお母さんにとっては周りとの関わりが気になってしまいますよね。こだわりは“無くす”ことにフォーカスせず、“〇〇させる”ことが大事です。家庭でこそ対応できる勝負のあり方についてお伝えします。
 

【目次】

 

1.無理に負けを覚えさせるのはNGです!

 
 
子どもが勝ちにこだわる性格で、絶対に1番じゃなきゃ気が済まない!2番目以降になろうものなら癇癪を起こして場の空気を台無しにしてしまう…なんてこともあるかもしれませんね。
 
 
ゲームなど勝負ごとで1番になったとき、勝ったときの子どもの嬉しそうな喜びの顔は本当に可愛らしいですね。
 
 
ですが、2番目以降になったときに泣きじゃくったり、モノに当たってしまったり…癇癪ぶりに辟易しているお母さんもいらっしゃるのではないかと思います。
 
 
我が家でも、以前は息子が勝負に負けるたびに大粒の涙を流しながら怒ってばかり…そのたびに私もイライラし、ときには「泣くならもう終わり!」と強制終了して息子を突き離してしまったり、理解しがたい行動に頭を抱えていました。
 
 
そんな癇癪の場面をじぃじ・ばぁばの前で出そうものなら、
 
「わがままばっかり言うんじゃない!負けることもあるんだよ!」と言われてしまったり、
 
「あの子にちゃんと負けを覚えさせないと友だち作りに苦労するかもよ。」なんて心配されてしまうこともあるかもしれません。
 
 
お母さんも、子どもの勝ちへのこだわりが強ければ強いほど、
 
 
「この子に負けることを覚えさせなくちゃ!」
 
「負ける練習だって必要」
 
 
焦った気持ちになるかもしれませんね。
 
 
周りともめずに順応してもらいたいからと、家族での勝負のときは特に負けの練習をさせようと躍起になってしまうかもしれません。
 
 
しかし実際に負ける練習をすることで、本当に勝ちへのこだわりから解放されるのでしょうか?
 
 
 
 

2.勝ちにこだわる子どもに適切な対応と、息子の勝ちへのこだわり

 
 
”負ける練習”は子どもにとって、大人が思っている以上に相当苦痛なことなんです。実際、負ける練習だと思って対応し続けているといつの間にか本人がゲーム自体をやりたがらなくなってしまった…なんて経験があるお母さんもいらっしゃるかもしれないですね。
 
 
実は、“勝ちにこだわる”子どもへはじめにやっていただきたいベストな対応は「好きなだけ勝たせ続ける」ことなんです。ですので、家での勝負こそ存分に勝たせてあげてください。
 
 
勝つ経験をたくさん重ねることで脳が満たされ、満たされることで、勝ちへの執着が減っていきます。“負ける練習”をするのではなく、“勝ちたいだけ勝たせてあげる”ことで勝ちへのこだわりが少しずつ薄れていくのです。
 
 
我が家では、息子は現在ではお友だちの前では以前と比べてだいぶ感情を抑えつつ勝負に参加できるようになりましたが、家庭ではまだまだ1番欲が強いです。
 
 
大人が勝負をするときは、様子を見つつ基本的に9:1〜8:2くらいの割合で負け続けています。そして、負けたときには、
 
 
「あー惜しかった〜!」
「〇〇(息子)がめちゃくちゃ上手だった〜!」
「あー勝ちたい!次は負けないぞー!」
 
 
楽しそうに悔しがり満面の笑顔で対応しています。
 
 
最近よく見られるのはTVゲーム。サンタさんから皆で遊べるルールの簡単なパーティーゲームのソフトをもらって以来、毎日楽しそうに遊んでいます。
 
 
コントローラーは4つ。クリスマス以来、みんなでミニゲームをする家族団らんの時間が生まれ、私もそんな新しい遊びを楽しんでいます。
 
 
息子はというと、はじめはルールを覚えることに必死な様子で、ゲームのルールを覚えると、今度は勝ちへのこだわりが芽生えはじめました。
 
 
息子が一番負けたくないのは。勝負を挑み、負けそうになれば操作をいじってもう1度最初からやり直したり、勝てるゲームメニューを選んだり…そうすると勝ちたい妹も泣き出したりしてしまうので、大人までイライラしてしまうような状況になってしまいます。
 
 
息子が勝つことが前提の遊び方になってしまうので、続けていくうちに妹が飽きてしまい、ゲームから離れていくことになります。息子にとっては都合がよくなるものの、そうなると今度はコンピューターとの勝負となります。
 
 
コンピューターが相手だと、 “勝つときもあれば負けるときもある。”というコンピューター制御の容赦ない状況が生まれ、今度はやり場のない怒りで一人でイライラしていることもあるんです(笑)
 
 
”勝たせてあげたい”と思っていても、状況によってなかなか上手くいかないこともありますね。それでも、子ども自身が解決策を見つけ出すこともあるのです!
 
 
 
 

3.息子があみ出したTVゲーム必勝術からみる家庭でのあり方

 
 
そんな勝ちにこだわる息子が最終的にたどり着いた必勝術。それは、“4人プレイで一人で遊ぶ”方法です。
 
 
たとえば、レースのミニゲームがあった場合、自分のコントローラーを最初に触り1番にゴール! 2番目以降は自分の勝たせたいキャラクター順にコントローラーをいじって順番に4人をゴールさせ、どうだ!と言わんばかりにドヤ顔で1番アピールをしています(笑)
 
 
 
 
TVゲームだとコンピューター頼りとはいかず、やはり大人である私たち親が参戦してたくさん負けてあげる方法しかないかなぁと思っていましたが、自らこの遊び方をあみ出し満足し続けている息子を天才!と思った親ばかな私です(笑)
 
 
今の息子は、負けたときに「ま、いっか!」と言えるときもあれば言えないときもあります。
 
 
その、「ま、いっか!」と言えないのは感情を司る脳が発達途上であること。それを分かっているからこそ、家では息子が自身の機嫌を損ねない遊び方で好きなだけ勝つ方法を選ばせて本人を満足させています。
 
 
いかがでしたか? 勝ちにこだわるお子さんへはとにかく勝たせて勝たせて満足し続ける機会をたくさん与えること。
 
 
先述の息子がやっていた満足のいく遊び方、勝ち方はよそではなかなか実現してあげられませんよね。勝ち続ける機会を与えやすい絶好の環境こそ家庭です。
 
 
ぜひ、ご家庭では負けを無理に経験させず、存分に勝つ経験を積ませてあげてくださいね!
 
 
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執筆者:岩下まい
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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