発達の遅れが気になるお子さんの中には、感覚が敏感で繊細なお子さんがいます。新年度からの入園でお母さんと離れ慣れない環境の中、園で楽しく過ごすためにはどうしたらいいでしょうか?お子さんを守るためぜひ知ってほしいポイントをお伝えします。 |
【目次】
1 不安が強い!?発達障害グレーゾーンのお子さん
2 発達の遅れなど、気になることはありませんでしたか?
3 お子さんが園で楽しむために、どんな手立てがあるのでしょうか?
4 実は、安全な園にもたくさんある苦痛な刺激
5 まとめ
1 不安が強い!?発達障害グレーゾーンのお子さん
この春からご入園されるお子さんをお持ちのお母さんも、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
発達障害グレーゾーンお子さんの中には、先を見通すことが苦手で不安でいっぱいのお子さんも大勢います。小さなお子さんは、まだ自分の気持ちを言葉で表現することが苦手です。
そのため、些細なことでぐずったり、癇癪を起こしてしまうことがあります。園でも小さな刺激がストレスと不安でいっぱいになり、思うように楽しむことができなくなってしまいます。
2 発達の遅れなど、気になることはありませんでしたか?
公園で遊ぶ姿や、遊園地に連れて行った時の表情、地域の子育てサロンでのお子さんの様子などを思い出してみてください。
・滑り台やブランコなどの遊具では、怖くてうまく遊べない
・砂場では、ザラザラの感触が嫌で遊びに集中しない
・太陽の光が届かない部屋の片隅で絵本を読む
・砂場では、ザラザラの感触が嫌で遊びに集中しない
・太陽の光が届かない部屋の片隅で絵本を読む
実は発達障害グレーゾーンの発達の遅れが気になるお子さんの中には、感覚の過敏さを持ち合わせたお子さんがいらっしゃいます。そんな特性に気づかず、他のお子さんと比べては嘆き、不満を口にしながら無理強いして遊ばせていませんでしたか?
お母さんがキツイ対応をすると、繊細なお子さんは緊張していまい、特性がますます顕著になって楽しむことができなくなってしまいます。慣れない園での生活に戸惑いがあり、緊張して過ごしているため、感覚の過敏さが出やすいことがあるのです。
それではせっかくの園生活を楽しむことはできません。少しでもストレスをなくしてあげる工夫が必要です。
3 お子さんが園で楽しむために、どんな手立てがあるのでしょうか?
そのポイントはたった1つ「イヤな刺激を減らしてあげること」
時間をかけて克服するよりも、予防する方が簡単です。「え?そんな当たり前のこと?」と思いますよね。そうなのです。そんな当たり前のことですが、実際に経験しないとわからないことがたくさんあるのです。
例えば、身に着けるものは大丈夫ですか?
・下着のタグ
・靴下を裏返すと出てくる、柄の裏糸
・ズボンの肌触り
・上着の着心地
・靴下を裏返すと出てくる、柄の裏糸
・ズボンの肌触り
・上着の着心地
お母さんは大丈夫でも、お子さんにとっては苦痛なものがあります。なるべく手に取って、裏を確かめたり試着させたりして、お子さんの納得できるものを用意してあげてくださいね。
どんなことも「子どもの目線」を心がけましょう。
また、発達の遅れや感覚の過敏さなど、お子さんの気になることは具体的に園側に伝えましょう。伝えないままではなかなか周りから理解されず、我慢が足りないと誤解を招くことがあるのです。
特性を知らずに間違った対応では、お子さんに
「悲しい」
「嫌だった」
「つまらない」
「嫌だった」
「つまらない」
など、マイナスの印象が残ってしまいます。発達障害グレーゾーンのお子さんは、嫌な記憶が鮮明に残り、不安が強くなってしまうこともあります。
事前に知らせておくことで、先生の対応もスムーズになり、お互いに笑顔が増えますよ。
4 実は、安全な園にもたくさんある苦痛な刺激
発達障害グレーゾーンの子どもにとって、園生活は苦痛な刺激で溢れています。
具体的には
《音》
幼児の声が響く体育館、怒鳴り声のような大きな声、合唱練習の時間などに耐えられず、逃げ出してしまうお子さんもいらっしゃいます。換気扇や洗濯機の電化製品のモーター音も、お昼寝に支障をきたすことがあります。場所の工夫や耳栓の許可など、配慮していただけたら助かりますよね。
幼児の声が響く体育館、怒鳴り声のような大きな声、合唱練習の時間などに耐えられず、逃げ出してしまうお子さんもいらっしゃいます。換気扇や洗濯機の電化製品のモーター音も、お昼寝に支障をきたすことがあります。場所の工夫や耳栓の許可など、配慮していただけたら助かりますよね。
《光》
明るい場所が苦手なお子さんには、日の当たらない席や、外遊び場での工夫も園と協力できたら良いですね。
明るい場所が苦手なお子さんには、日の当たらない席や、外遊び場での工夫も園と協力できたら良いですね。
《におい》
給食のにおいが気になるお子さんもいらっしゃいます。
給食のにおいが気になるお子さんもいらっしゃいます。
《触った感覚》
粘土遊びや、手にインクをつけて手型を取ることなど、制作の時間を楽しめないお子さんや、マットの感触がイヤで素足になれないお子さんもいらっしゃいます。
粘土遊びや、手にインクをつけて手型を取ることなど、制作の時間を楽しめないお子さんや、マットの感触がイヤで素足になれないお子さんもいらっしゃいます。
今までの生活や、施設に行った時の反応などを振り返り、対策を練ってみましょう。
何か始める前には「大きな音がなりますよ」とか「お外で砂遊びや遊具で遊びますよ」など、具体的にどんなことをするか説明してもらえると、子どもも安心するでしょう。
5 まとめ
幼稚園や保育園での生活は、お子さんにとって社会へ出る第一歩となります。
少しでも、不快な要素は無くして「楽しい」と思える環境を事前に整えることが大切です。園側と協力するためにも、まずお母さんがお子さんの特性を理解してあげることが重要です。
他のお子さんと比べずに、穏やかに見守り受け入れてあげてください。お子さんの特性を無理に変える
必要はありません。いずれ慣れることもあります。自信を持つと、気にならなくなることもあるのです。
必要はありません。いずれ慣れることもあります。自信を持つと、気にならなくなることもあるのです。
どんな時も、お子さんの気持ちに寄り添って、今できる工夫を園側と話し合ってみて欲しいのです。
感覚が敏感なお子さんは共感性が高いため、お母さんの不安を、そのまま自分の不安のように感じてしまうこともあります。
どうか不安なことは、入園前の今だからこそ園側に伝えてあげてください。ポイントに気づくのも、伝えられるのも、ずっと一緒に過ごしてきたお母さんだからできることなのです。
執筆者:須見まき子
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)