中学校進学直前で不登校となると、お母さんは焦ってしまいますよね。真面目さ、賢さがあるゆえに先生の言動で学校生活が苦しくなった6年生の男の子。不登校の早い段階で重要な決断をしたお母さんにその決断した心の内を教えてもらいました。 |
【目次】
1.中学校進学直前で不登校?
2.男の子は大変なのが当たり前!?
3.不登校は子どもの我慢が積もり積もって起きるもの
4.「先生が嫌なら学校はお休みしよう!」前向きな決断
5.子どもを元気にするためにお母さんができること
2.男の子は大変なのが当たり前!?
3.不登校は子どもの我慢が積もり積もって起きるもの
4.「先生が嫌なら学校はお休みしよう!」前向きな決断
5.子どもを元気にするためにお母さんができること
1.中学校進学直前で不登校?
私は、地元のギフテッド親の会という集まりに参加しています。そこには高I.Qでも凸凹があって困りごとがあるお子さんや、勉強はできるけど学校が合わないお子さんなど、共通した悩みを持つ子どものお母さんが集まっています。
そこで出会った、小柄でとても可愛らしくて優しそうなお母さん。お話をしていると、その外見とは違い、『芯のしっかりしたお母さんだな』と感じました。
そのお母さんは、3人兄弟のお母さんで、一番下の息子さんが小学6年生の秋〜卒業まで半年くらい不登校になったそう。
「卒業まで不登校で、中学校進学?」
「中学校は小学校よりも先生の支援が期待できないと聞くけど、どうやって行けるようになったのかな?」
と疑問をもちました。早速お母さんに連絡しインタビューを依頼。
小学校で息子さんが辛い思いをした出来事や、そんな息子さんの気持ちにしっかり寄り添いながらも前へ進む方法を考え続けた『ポジティブお母さん』のお話しをお伝えします!
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2.男の子は大変なのが当たり前⁉︎
ーーーSさん、よろしくお願いします。不登校から中学校入学を機に学校復帰できたというお話を聞かせていただくことで、登校復帰で悩んでいるお母さんの参考になるのではないかと思っています!
「そうですね、今はなんとか中学校通っていますね。よろしくお願いします。」
ーーー幼少期のことをお伺いしたいのですが、Sさんの息子さんTくんのことで、小さい頃お母さんが困ったことはありましたか?
「振り返ってみると大変だったと思います。でも上の子も大変だったし、男の子ってこれが普通なのかなって思ってました。
好奇心旺盛で道を歩いていても衝動的にパッと走り出しちゃう子で、何度も車にひかれそうになりました。なのでハーネスをつけた時期もあります。犬みたいって批判もありますよね。でも車にひかれるよりいいと思っていました。3人兄弟なので連れて歩くだけでも大変でした。」
ーーー3人兄弟は大変そうです!
「小学生になるときは、『無事に学校から帰ってこられるのかな』と心配でした。
でも入学してみるとそんな行動がなくなったので『普通に通学できるものなんだ~』ってびっくりしました。
しかも、先生はなんでもできる優秀な子という認識のようだったので、『うちでは超末っ子って感じなんですけど…?』ってよく言ってました。
クラス替えで担任が変わるたびに『どんな感じですか?大丈夫ですか?』とも聞いていました。負けず嫌いなのでゲームで負けたら癇癪起こして泣くし、過集中したあとは幻覚をみることもあったので。
学校と家とで振る舞い方を使い分けられるんだなぁと思いました。」
ーーー考え方が大人なんでしょうね、子どもながらに理性的なんですね。
「負けず嫌いだから、家では癇癪起こしたりするけど、先生にはそんな姿は見せていないんです。」
ーーー困ったことは多かったけど、どこかへ相談しに行ったりっていうことは?
「それはなかったですね。子どもって、そんなものかなと。」
ーーーそれが素敵ですよね。異常なんじゃないかな⁈って思わないところが。
「男の子ってそんなものなのかなーって思っていたから(笑)一番上の子どもが女の子だったら違ったかもしれないです。」
ーーー
理解力が高く感受性の強い子どもは家庭以外の場所では、どのように振る舞うことが良いとされているのかよく理解できます。そのため、自分の感情を抑え込んで行動することがあります。
そうすると、周囲からは、学校にうまく適応しているように見えるのです。
学校の先生からは「問題ない、頑張っていますよ。」と言われる。けれども家では問題行動が多いという場合、学校でのストレスを処理しきれないまま帰ってきている可能性が高いので要注意です。
3.不登校は子どもの我慢が積もり積もって起きるもの
ーーー最初は小学校に適応していたように見えて、不登校になったのはいつ頃からですか?
「6年生の秋です。」
ーーー人間関係が原因でしたか?
「ずっと自分の中で我慢していて処理しきれていなかった部分があったみたいで、そこに先生への不信感が重なって。
基本真面目で自分の意見もしっかり言えるので先生から信頼されていましたが、その分同級生からは疎まれることもあって本人にはそれが辛かったみたいです。
友達の回答が違うときに『そこはこうじゃない?』と単にアドバイスしたつもりが、『うざい』『めんどくさい』と言われたり、授業中に発言したことに対して『意味がわからない』『難しい』と言われることも多かったようです。
先生から重要な役割を任されることも多く、気が進まなくても『自分がやらないと先生が困るから』と言って引き受けていました。
でも高学年になると、行動を注意をした後や、学級会などで意見が通らなかった子から、『ちびのくせに生意気だ』とか、『字が汚いくせに』とか、関係のないことを言われることが増えてきてしまって。」
ーーー周りの目が気になる年頃ですもんね。
「そのことを担任に相談していたのですが、『Tくんなら1人で大丈夫です。討論でTくんに勝てる子はいません。』といつも同じ返事が返ってきました。
だんだんと体調が悪くなってお休みすることが出始めました。
そんなある日、先生に頼まれて急遽全校生徒の前で友達の代役をする機会がありました。
それを見ていた別のクラスの先生が本来その役目をする予定だった子を励ますために、Tを否定する言葉を言ってしまいました。その場に担任もいましたが何も言ってくれなかったようです。」
ーーーそれは辛いですね。
「すぐに担任の先生、失言をした先生、教頭先生の3人で家に謝罪に来てくれました。
でも『お母さんには謝ったけど、僕には謝ってないですよね。』と。小学生というだけで軽くあしらわれていると感じたようです…先生たちの言動で余計に心を閉ざしてしまいました。」
ーーーそれはそう思いますよね。先生達は子どもだと思ってTくんへまで配慮しなかったんでしょうかね。
「先生の対応に対しての不信感が一気に溢れ出した感じでした。
『“相談する度に、また任せきりにしてしまって申し訳ない。今度こそちゃんとする”って言うけどいつも口先だけじゃないか』と。
そこからみるみる体調が悪くなっていきました。
なんとか登校できたとしても保健室で、教室に行くこと、先生に会うことを頑なに拒んでいました。でも保健室に居ても先生たちが様子を見に来て、して欲しくない声掛けをしてしまう。それで更に体調が悪くなっていきました。
好きだったからこそだんだん幻滅していったみたいです。同級生との意思疎通が難しいTにとって、先生は学校で話が通じる大切な存在だったのだと思います。」
ーーー
学校生活で精一杯頑張ってきたTくん。頑張った行動を、先生に認めてもらえない、労ってもらえないとしたら、とても辛かったでしょう。
先生に対して不信感をもってしまったTくんの気持ちを、担任の先生は理解してあげられなかったようです。
そのため、Tくんは腹痛や無気力などの2次障害を引き起こしてしまいました。
そんな我が子を見て、お母さんはどうしたのでしょうか。
4.「学校はお休みしよう!」前向きな決断
ーーー体調がどんどん悪くなってしまって心配でしたね。
「スクールカウンセラーや小児内科の先生に相談しました。
メンタルクリニックの先生からは、『こんな状態で、自分の子だったら行かせませんね』と言われたんです。
『小学校へ行かなかったからと言って、そのまま中学校へ行けないというわけではない。』とも言われました。
専門家の意見も聞いた上で、『じゃあ学校休もうか!』と決めたんです。」
―――すごい決断ですね!「休ませた方がいいのかな?」と思いながらも「でもやっぱり行った方がいいんじゃないかな」と何度も悩むお母さんが多いと思います。
「もちろん悩みました。でも『小学校は諦めよう!』、『中学校へ行くことを目標にしよう!』と考えを変えました。
学校を休み出すと病院以外は外へ出なくなりました。基本とても真面目なので、みんなが学校行っている間は外に出たくない、学校を休んでいるのに塾に行っていいの?と考え、塾に行っても具合が悪くなるようになりました。友達が来てくれると会ってましたけど。」
―――お兄ちゃんや、お姉ちゃんはどうでした?Tくんだけ学校そんなに休んでずるい!とはなりませんでしたか?
「なりませんでしたね。体調も悪くうつ状態って感じだったので心配してました。
お兄ちゃんたちも、『大丈夫なの?ちょっとヤバくない?』って感じでした。私も、Tの気持ちをお兄ちゃんお姉ちゃんにも説明して、みんなで支えてあげようねって感じにしていました。」
ーーーお兄ちゃんもお姉ちゃんも優しいですね!
「それから冬休みに入ると、みんなも休みだから自分だけが休んでいるんじゃないっていうのが良かったみたいでした。塾の冬期講習に行けるようになって、少しずつ外出もできるようになりました。
冬休み中には、興味のあるイベントにも参加できるようになって、その体験もとても良かったと思います。それがきっかけで少しずつ元気になっていきました。」
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5.子どもを元気にするためにお母さんができること
発達面で他の子ども達と違う特性をもつ子どもは、不登校になった時点でエネルギー切れになっています。
もう十分頑張ったんです‼︎
学校へ行けなくなってきた早い段階で、無理強いせずに、「学校は休もう!」とキッパリ諦めたSさん。早めの決断が功を制し、冬休みの一ヶ月弱の期間でTくんは元気を取り戻していったそうです。
お母さんが悶々と一人で悩んだのではなく、カウンセラーや小児科の医師、メンタルクリニックなど、専門家の意見も取り入れて決断したとのことでした。
不登校や行きしぶりで腹痛や頭痛などの症状が出ても、休めば症状が治まるということも多いので、医療機関にかかるかどうか躊躇してしまいませんか?
ですが、「学校を休ませる」という決断をお母さん1人でするのはとても大変なことです。
専門家の意見があれば、お母さんの心の負担も減りますし、学校の先生ともやり取りしやすいですよね。ストレスで2次障害を起こしやすいお子さんの場合は、早めにかかりつけ医やスクールカウンセラーに相談していきましょう。
早めに休息することで、更なるエネルギーの消耗を防げます。そうすれば元気を取り戻すまでの期間もぐっと早くなりますよ。
さて、次回はTくんが不登校中に参加したイベントについて聞いていきます。お母さんのSさんが何故イベントに参加させようと思ったのか、どんな体験となったのかを読んでみてください。
不登校で自信を失った子どもが動き出せるきっかけを見つけられるようになりますよ。
不登校の子どもを休ませる決断力が身につきます!
執筆者:すずき 真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)