発達障害やグレーゾーンの子育てでは「自信」や「自己肯定感」というキーワードがよく出てきますが、対応方法が分からない…ということはありませんか?お母さんが少し意識するだけで、発達特性を持つ子どもに確かな自信をプレゼントすることができます。 |
【目次】
1.発達障害の子どもの自信形成――「自信」ってそもそも何?
2.発達障害の子どもの自信のつくり方――肯定的な声かけ
3.子どもの決断を支えて自信につなげる――対応に迷ったら思い出してほしい3つのポイント
1.発達障害の子どもの自信形成――――「自信」ってそもそも何?
発達障害かどうかにかかわらず、子どもに対して、「自分に自信を持ってほしい!」という思いは、お母さんならみなさん持っている共通の思いです。
「自信」ってどんなものでしょうか?よくイメージされるのが、例えば
・かけっこなら負けない!
・ピアノで難しい曲が弾ける!
・野球部で4番だ!
・ピアノで難しい曲が弾ける!
・野球部で4番だ!
のような特定のものごとや場面での「自信」です。
好きなこと、得意なことに対して自信を持っているということはとても大切なことですが、子育てにおける自信形成、1人の人間を自立に導く上での「自信」の意味は、もっと広く捉えて対応してほしいのです。
人間にとっての「自信」とは、自己信頼感、自己肯定感と言い換えることができます。
こう言い換えたときにかけっことか、ピアノとか、野球とか、特定の物事に対しての「自信」とは違った印象を持たれる方が多いと思います。
自分のこういうところは素晴らしい、自分のこういうところは改善の余地があるなどが、自分を自分で評価し、でもすべてひっくるめて自分のいう存在を、肯定的に認めることができる、ということです。
この「自分で自分を評価する」際に参考にするものが、自分の好きなもの・得意なもの、嫌いなもの・苦手なものになります。
ですから、子どもが好きなこと、得意なことを増やして、どんどん伸ばしていくことを意識して対応すると、「素晴らしい」と評価できるものが多くなり、自己肯定感を高めることになります。
好きなことを増やすこと、得意なことを増やすことで自信をつけること、もっと自信をつけるために好きになりそうなタネを育てることは、自己肯定感を高めて「自分は価値のある人間だ」と肯定的に認められるようになるために不可欠であるといえます。
発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、得意なことはとことん得意ですが、苦手分野に関しては本人がどんなに努力しても結果がついてこない…ということは珍しくありません。
苦手分野が多ければ多いほど、努力してもうまくいかない場面が増え、自信を失ってしまう機会が増えてしまいます。
得意なことはとことん得意なため
「これぐらいできるだろう」
「手を抜いているんじゃないか?」
「手を抜いているんじゃないか?」
という目で見られてしまうこともあります。
また、ポジティブな記憶よりも、ネガティブな記憶の方をインプットしてしまう特性。
お母さんから見ればささいなできごとも、想像以上に大きな失敗としてインプットされてしまったり、昨日のできごとのように鮮明に思い出してしまったりすることもあります。
発達障害やグレーゾーンの子どもたちが、自己肯定感を下げてしまう機会は山のようにあります。
ですからお母さんは、子どもたちが確かな自信と、高い自己肯定感を持てるように対応していく必要があるのです。
2.発達障害の子どもの自信のつくり方――――肯定的な声かけ
発達障害やグレーゾーンにかかわらず、子どもでも大人でも、他者から怒られるより、褒められたい!否定されるより、認められたい!という欲求を持っています。
他者から認められ、自分に自信を持てると、あらゆることにチャレンジして前向きな人生が送れるようになります。
お母さんが子どもに自信をつけるには、親子のコミュニケーションをスムーズにして、肯定的な声かけを増やす対応が基本です。
肯定的な声かけが大切だと分かっていても、どんな表現をしたらいいのか迷う場面もあるかもしれません。特に、年齢が上がるにつれて、子どもにどんな言葉をかけるかはお母さんのスキルが問われます。
子どもがまだ幼児のうちは「すご~~い!!」と素直なリアクションをしたり、抱きしめてあげたりすれば、素直に受け取ってくれたのに小学生、中学生、高校生…スキンシップはどんどん厳しくなります。
リアクションも「大げさだ」と思われて、逆に反抗的になることも…
言葉が発達してきて語彙が増え、反抗期も入ってきて「すごい!」という親の声が届きにくくなったときには、どうしたらいいのでしょうか?
これは、子どもの行動をそのまま「実況中継」して肯定していくことが有効です。
子どもがした行動のうち、お母さんが継続してほしい行動をそのまま言うだけなので、とても簡単です。
「着替え、終わったんだね」
「靴、そろえたんだね」
「ゴミ、片づけたんだね」
「靴、そろえたんだね」
「ゴミ、片づけたんだね」
お母さんにとって当たり前の行動でも、しっかり声をかけてあげることで、子どもは「見てもらえている」という安心感を得ることができます。
わざわざ「すごい!」と言う必要はないんです!
もしかしたら、どんな行動に対して声をかけたらいいのか、迷ってしまうお母さんもいらっしゃるかもしれません。
そんなお母さんは、「子どもが今できていて、やめられたら困る行動」と考えてみてください。
食事の後片付けをすること、
着替えをすること、
お風呂に入ること、
学校に行くこと。
着替えをすること、
お風呂に入ること、
学校に行くこと。
発達の特性を持つ子どもたちにとっては、どれも簡単ではないはずです。しっかり声をかけてあげてくださいね!
3.子どもの決断を支えて自信につなげる――――対応に迷ったら思い出してほしい3つのポイント
発達障害やグレーゾーンの子どもに自信をつけて、自己肯定感を高めるには、肯定的な声かけを増やして親子の信頼関係をより強いものにすることが大前提になります。
何が起きても、お母さんは絶対に自分の味方でいてくれる、という無条件の愛情と安心感が、自信を育める環境です。この環境を前提として、より多くの成功体験を積み重ねることで、子どもの自信は形成されていきます。
子どもが何かを決断したとき、お母さんはいろいろ口出しをしたくなるかもしれません。子どもは経験が少ないので、お母さんが教えてあげなければならない場面もあると思います。
発達障害やグレーゾーンの子どもで、苦手なことが多い子だと、お母さんの心配は尽きませんよね。
しかし、お母さんがすぐに指示を出して、子どもに適切な行動を教えた方がいいのか?
子ども自身が答えを出せるまで待つのか?
子ども自身が答えを出せるまで待つのか?
どちらがいいのかはケースバイケースです。
どんなときでも、発達障害でもグレーゾーンでも、定型発達でも、子どもを成長させるために共通するのは、
・子どもの答えを尊重して主体性を持たせる
・行動を見守る、口出ししすぎない、責任は親が取る精一杯応援する
・結果が良くても悪くても、頑張ったことを認めて次回はどうするか考えさせる
この3つの対応がポイントになります。
お母さんがこのような対応をしたうえで、子どもが主体性を持って取り組んだことが成功したら、きっと大きな自信になります。
お母さんがこんな風に見守ってくれたら、たとえ子どもの行動に結果が伴わなくても、子どもが自信を失うことはありません。
子どもが何か決断をしたとき、親としてどんな対応をしたらいいか悩んだら、ぜひこの3つのポイントを思い出してくださいね
これから春休み。何か新しいことに挑戦したい!と言う子もいるかもしれません。ぜひ子どもの挑戦をあたたかく見守ってあげてくださいね。
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)