新年度前に要注意!発達障害の子どもの「勉強が分からない」を放置してはいけないワケとは

もうすぐ春休みですね。長期休みのお母さんのお悩みと言えば、宿題がちゃんと終わるのかどうかではありませんか?「勉強って楽しい!」と思えるには脳の特性を利用した対応が必要なんです。日本の教育システムにも合致したこの対応、ぜひ知ってください!
 

【目次】

1.発達障害の子どもが勉強に取り組めない理由
2.ポイントは脳の特性!「勉強が楽しくない」と感じる理由
3.「勉強が分からない」という子どものためにお母さんができること

 

1.発達障害の子どもが勉強に取り組めない理由

 
 
発達障害・グレーゾーンで、小学生以上のお子さんを持つお母さん。お子さんは自分で宿題を進められるタイプでしょうか?
 
 
勉強なんて嫌い!分からない!
ゲームやスマホの方が楽しい!
だから宿題をやりたくない!
 
 
という子もいるかもしれません。
 
 
宿題はやらなきゃいけないと分かっているけれど、なかなか子ども1人では進めていけない、ということもあるでしょう。
 
 
衝動性や不注意性の強いADHDタイプだと、宿題を始めてもなかなか集中できませんし、
 
 
自閉症スペクトラムタイプだと、いつまでやれば終わるのか見通しが持てなくて不安になったり…
 
 
勉強が好きか嫌いかだけでなく、発達特性のために宿題を落ち着いて進めることができない、ということもあると思います。
 
 
 
 
もうすぐ春休み!宿題を始業式までにきっちり終わらせられるのか、お母さんのお悩みや心配は尽きませんよね。
 
 
特に新学年を目前にした春休み。今の学年の学びが定着しているか、という側面もあります。
 
 
ドリルやワークだけでなく、作文や工作、ポスター、習字などが出される場合もありますよね。時間がかかりそうなものや、子どもが苦手そうなものがたくさんあります。
 
 
今年度1年間、頑張った子どもをねぎらいたい気持ちとは裏腹に、「ちゃんと宿題しなさい!!」と言わなければならないのか…と、気が重かったりしませんか?お母さんに言われなくても、子どもが宿題に取り組めたら最高ですよね!
 
 
どうしてできないのか?原因を探って対応したら、宿題をめぐってガミガミ言わなくてもよくなるかもしれません!
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもが、少しでも宿題に取り組みやすくなるように考えてみませんか?
 
 

2.ポイントは脳の特性!「勉強が楽しくない」と感じる理由

 
 
発達障害やグレーゾーンの子どもが、なかなか宿題に取り組めない原因を考えてみましょう。
 
 
「ゲームやスマホは楽しいけど、勉強は楽しくないからやりたくない!」
 
 
とはっきり言う子どもは多いですよね。では、どうして勉強が楽しくないと感じるのでしょうか?
 
 
・何から手を付けたらいいのか分からない
・どれぐらい時間で終わるのか分からない
・勉強が分からない
・宿題をしていると他のことが気になる…
 
 
いろんな理由が考えられますよね。あなたのお子さんには、どれがあてはまるでしょうか?
 
 
ここで気をつけていただきたいのが、お母さんが環境を整えてあげれば うまくいくものもあれば、環境を整えるだけでは解決できないものもあるということです。
 
 
環境を整えるだけでは解決できないもの、それは「勉強が分からない」という理由です。これは勉強が楽しくないと感じる最大の理由でもあります。
 
 
発達障害・グレーゾーンに関わらず、人間の脳は「分かった!」というスッキリ感を求めています。このスッキリ感がたくさん得られると、楽しさにつながります。
 
 
 
 
子どもが勉強において「分かった!」というスッキリ感が得られないとどうでしょうか。
 
 
学校での先生の説明や、ワークやドリルの問題文の意味を理解できないままだとしたら…学校の授業は呪文ドリルは記号の羅列と変わらないかもしれません。
 
 
しんどいものから逃げることができず、延々と取り組まされることは、子どもにとって苦痛に間違いありません。
 
 
お母さんも、ちょっと想像してみてください。勉強したこともない外国語の本を読まされたり、延々と聞かされたりしたら…絶対にしんどい!
 
 
ぼーっとしてしまったり、ウトウトしてしまったり、他のことをやり始めたり、隣の人に話しかけたりする人も多いのではないでしょうか。
 
 
こう考えると、発達障害やグレーゾーンの子どもの「勉強が楽しくない」という気持ち、分かる気がしますよね。
 
 

3.「勉強が分からない!」という子どもの発達のためにお母さんができること

 
 
日本の学校では、テストでいい点数をとること、勉強ができることが評価されます。こういう評価システムのなかで、勉強が分からない発達障害やグレーゾーンの子どもたちは
 
 
「勉強なんて嫌いだ!」
 
 
と言い切ります。ですがその一方で、恥ずかしくて「分からない!」と言い出せなかったり、テストの点数が悪いことで自信を失ったりしてしまうのです。
 
 
日本の教育は「積み重ね」型。ある部分でつまづいてしまうと、その部分より発展的な内容を習っても理解できない構造になっています。
 
 
テストで点数が悪かったことに対して「今回はいまいちだったけど、次回のテストを頑張ればOK!」と励ましてしまいがちですが、実際は分からないものをのままにしておくと、どんどん勉強についていけなくなる…という教育システムなのです。
 
 
特にその傾向が顕著なのが、英語算数(数学)です。
 
 
アルファベットをすべて覚えていないのに、英単語は覚えられません。
英単語が覚えられていないのに、英文法は身につけられません。
 
 
気がつけば「どこが分からないか分からない」という状態になってしまいます。こういう状態に気づかずに「宿題で分からない問題があったら聞いてね」と声をかけても、宿題は全く進みません
 
 
「どこが分からないか分からない」状態から卒業するためには、1から勉強をフォローするということが必要になってきます。
 
 
お母さんがおうちでフォローするのか、塾や家庭教師を利用するのか、学校の先生に相談してみるのか、方法はいろいろあります。
 
 
しかし、子どもが勉強は分からない、楽しくない!やりたくない!と思っているところに、
 
 
・お母さんが「宿題しなさい!」とガミガミ言う
・つまづきをフォローしたいために、宿題とは別のワークをやらせる
・子どもが嫌がっているのに塾に通わせる
 
 
このようなことをしても、子どもがやる気を持って取り組むことはできません。勉強そのものに対して自信を失っているからです。
 
 
そんなときは、まずは子どもが100%理解しているところから少しずつ復習して、
 
 
「最後までできたね!」
「マルばっかりだよ!」
「頑張ったね!」
 
 
しっかり褒めて自信を取り戻してあげてください。
 
 
 
 
「分かった!」「できた!」という脳のスッキリ感を積み重ねて「勉強は楽しくない」という抵抗感をなくすことが先決です。
 
 
この「分かるところまで戻る」という方法は、積み重ね型の日本の教育システムには不可欠な対応でありながら、脳のスッキリ感も増やすことができる一石二鳥の対応なんです!
 
 
これから始まる春休み。春休みの宿題は、この1年間の学びが定着しているかの確認作業です。新学年の勉強をスムーズに始めるためにも、春休みの宿題の状況は特に重要!
 
 
つまづいたところはしっかりとチェックして、つまづくもう1段階前まで戻って土台を作り直す作業をしてください。
 
 
もうすでに「今年は勉強に苦労した…」と分かっている場合は、ぜひ新学年になる前に学校の先生に相談してみてください。学校の先生もお子さんの学習状況は理解されているはずです。春休みの宿題を含めて、どう対応するか相談してみるのもいいと思います。
 
 
新学年になれば担任の先生も変わる可能性が高いです。転任される可能性もありますから、春休み前に相談しておきましょう!
 
 
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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