一人息子は発達障害ADHD傾向がある小学4年生。家で二人で過ごすことに限界がきているところへ夫も在宅ワークに。家族と朝から一緒で、息子の前で夫にイライラしてしまいます。家にいるのに家事を手伝ってくれないからです。少しでも夫に手伝ってもらうにはどうしたら良いでしょうか?
8歳・男の子のママ
リモートワークなどコロナ以降、家族の時間が増えましたよね。うちの息子も発達障害・ADHD傾向があり、夫も似たタイプ。二人共、お互いにやりたいことに集中し、家事に協力してもらえませんでした。一人っ子を育てる上で、夫との連携は不可欠。今は夫と協力し合える良い関係で、快くお手伝いしてもらえます。夫が変わった秘訣をお伝えしますね!
発達科学コミュニケーション
リサーチャー 秋村若菜
【目次】
1.一人息子へお手本となるよう、夫に手伝ってもらいたい!
2.発達障害、ADHD傾向のある夫を変えるのではなくて、変えるのは自分
3.進んで手伝ってくれる夫に変身してもらう4つのポイント
① タイミングを大事にすること
② 伝え方を工夫すること
③ 注目する視点を変えること
④ 話し方そのものを変えること
4.お手伝いの域を超えて家庭円満に!
1.一人息子へお手本となるよう、夫に手伝ってもらいたい!
外出自粛が続き、在宅ワークにシフトしたご家庭も増えていることと思います。質問者さんと同様に、旦那さんが朝から家にいるのに何も手伝ってくれないと、嘆いているお母さんの声をたくさんいただいています。
今、うちの息子は思春期。お手伝いはほぼゼロですが、夫が私を助けてくれるので平穏に過ごしています。でも以前の夫は本当に動きませんでした。
私一人が家事をしていても、全く気にならない様子。リビングで息子とテレビを見たり、ゲームをしている人でした。
うちは一人っ子家庭なので、夫が休みの日は3人でコミュニケーションとれるチャンス!夫が家事を手伝ってくれる姿を息子に見せることで、息子に、人と協力し合う必要性や喜びを知って欲しいと思いました。
夫は、汚れが気にならない人間のため掃除は頼めず、料理はとことん苦手。だから洗濯物を干すぐらいはやって欲しいと伝えていました。でもなかなか分かってもらえませんでした。
たまに手伝ってくれたとしても、信じられない程、干し方がぐちゃぐちゃ。お手本を見せ、何度も注意しますが変わりません。私はいつもイライラしていました。
「洗濯物を干すだけなのに、なんで手伝ってくれないの?」と私は息子の前で夫を責め、喧嘩に発展。家族は3人だけなので、お互いに逃げ場がなく最悪な空気に…。
協力してもらえないこと・子育てが難しいこと、全てにおいて限界!私は本気で家出したい時期がありました。
2.発達障害、ADHD傾向のある夫を変えるのではなくて、変えるのは自分
当時、息子は不登校。友達もいないし居場所は家だけ。話をするのも私たち親だけなのに、私は夫への不満でいっぱい。人一倍敏感な息子は、私たちがずっと険悪ムードであることを察知していたと思います。
息子の心の成長のためには安心感のある家庭にしないと!そのために私は、夫への対応を見直すことにしました。
家族といえども他者です。夫も子どもも変えられません。家族へ協力してもらえるような雰囲気作りも関係性も、私次第なのだと気がつきました。
3.進んで手伝ってくれる夫に変身した4つのポイント!
そこで、どうしたら手伝ってもらえるのかを夫に尋ねました。
疲れているから基本的には動きたくないのが本音。でも別に家事を手伝いたくないのではなく、私の言い方を変えて欲しいとのことでした。
夫婦仲良く、協力し合う姿を息子に見せたい!私は夫の意見を取り入れました。実際に有効だった対応の工夫を4つあげていきますね。
◆① タイミングを大事にする
洗濯機が鳴ったタイミングで手伝ってもらいたいと夫へ伝えたところ、「わかったけど、後にしたい」とよく言われていました。
私は、シワにならないように早く干したい。これは正解というより私の希望。私なりの優先順位です。夫のそのときの優先順位は、テレビやゲーム、読書など別のことでした。
どうしても「今!」じゃないといけない理由はありません。相手のやりたいことを中断させてまで私のタイミングに合わせてもらう、というのはNGです。
「今、手伝って!」でなくて、「いつでもいいから」というフレーズをプラスして伝えるようにしました。結果、夫は自分の好きなタイミングで洗濯物を干していました。
◆② 協力したくなる言い方を工夫すること
夫曰く、「洗濯物あるから手伝って!」だけだと面倒な気持ちが勝ってしまうそう。どのくらい時間がかかるのか?量を知りたかったそうです。
そこで私は、「トップスが3つあるからハンガーにかけて。」「靴下など小物類は2つあるよ!」「次に2階のベランダに干してきてね。」というように、ある程度の量とやって欲しいことを伝えました。
手伝って!という言い方はざっくりなのですね。夫が動いてくれることが一番!私は見通しが立つよう、具体的な伝え方に変えていきました。
◆③ 注目する視点を変えること
家族は3人だけ。良好な関係性の構築が必要です。手伝うべき!という考えだと、そうではない現実とのギャップはイライラの元になります。さらに干し方にダメ出しをしていたら、良い関係性は築けないですよね。
手伝ってくれることは当たり前ではありません。「聞いてくれていたんだね!」「干しておいてくれたんだね」「覚えていてくれたんだね!」とできていることに注目して、事実のままを伝えていきました。
夫の干し方が気になっても、そこはスルー。手伝ってくれたことに注目します。「干し方とか適当だよ」と夫から言われても「乾くなら別にいいよ!」と私は緩められるようになりました。
できているところに注目し続けると、その視点に慣れるもの。イライラも減り喧嘩に発展することが無くなったので、とても夫と過ごすことが楽になりました。
◆④ 話し方そのものを変えること
夫からは、家事は手抜きでいい。自分も手伝うから、とにかく柔らかい口調にして欲しいと言われました。
何か頼まれたとしてもまた何か文句を言われると思うと、やる気を失うのだそう。夫に聞く耳を持ってもらうため、トゲトゲしい言い方でなくて、柔らかい丸い声を出しました。せっかちな私は、言葉と言葉の感覚を開けました。
日頃の私の真顔も怖かったでしょうね。でも急に笑顔を作ることは難しいので、まずは話し方を変えることから始めました。
まとめると、
・できているところに注目しながら
・柔らかい声で
・相手のタイミングを受け入れ
・洗濯物の量など具体的に伝える
という対応に変えたのです。
4.お手伝いの域を超えて家庭円満に!
今までのやり方を変えるのは私にとっては難しく、常に意識して取り組みました。でも私が対応を変えたらすぐに、夫は快く手伝うようになりました。「文句を言われないならば全然動くよ!」とのこと。伝え方って大事なんですね!
今では、手伝うというよりも家事は分担するものだという感覚。でも当たり前なことは何一つないから、お互いに感謝を伝え合いました。
夫が手伝ってくれている姿を見て、息子も参加するように!すると一気に終わったという達成感を得られました。家族全員、気分爽快です!私たち夫婦で息子へ、ありがとうを言いまくり。普段、私と二人のときに言われるよりも、断然盛り上がりました。
夫婦の関係性は子どもの成長に少なからず影響します。一人っ子の息子へ、人と人とのコミュニケーションには工夫が必要で、身近な家族間で協力し合うことが一歩だと、私たち夫婦で示していきました。
とにかく感謝し合う私たちを息子に見せていったので、家中で感謝の言葉が飛び交うようになりました!
自分が手伝うことで時間が短縮されるという効率性が気に入った息子は、夫がいないときも私の家事を手伝ってくれるようになりました。
期間限定の子育てです。今のうちに親がコミュニケーションを楽しんでいる姿を見せ、人と関わることの素晴らしさ・面白さを子どもに知ってもらいましょう。
在宅の時間が延びたことで、夫さんや子どもからののお手伝いが増え、少しでもお母さんの負担が減りますように。
一緒に今の時期を乗り越えましょう!応援しています!
執筆者:秋村若菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)