【お悩み相談室】発達障害ADHD傾向の中学生の娘の気分に毎日振り回されて疲れ果てています。どうすればいいですか?

発達障害ADHD傾向の中学生の娘の相談です。外ではなんとか問題なく楽しく過ごしているようですが、家に帰ってきた途端、人が変わったようになります。ひたすらスマホをいじるばかりで、気分のムラも激しく、びっくりするような言葉遣いも。叱らないようにあれこれアドバイスをするようにしていますが全く届かず、娘の気分に一人で振り回されっぱなしです。どうすればいいですか? 

 

 

13歳・女子のママ

発達障害ADHD傾向の娘さんが中学生ということで、反抗期と重なり、余計に難しい年頃になってきていますね。家庭で一人で振り回されるお母さんは、本当に大変な思いをされておられると思います。今日は同じくADHD傾向の女の子を持つ私が質問にお答えします。

 

発達科学コミュニケーション
トレーナー 桜井ともこ

 

【目次】

 

1.見過ごされやすい女の子の発達障害とADHD

 
 
外ではなんとか問題なく過ごせているのに、家庭で注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性が改善できず、お母さんのアドバイスもなかなか届かない状態にあるようですね。
 
 
発達障害は、以前は男女比が3:1で圧倒的に男子に多いとされていました。しかし最近では、女の子の発達障害は特性が男の子に比べ目立ちにくいので、見過ごされているだけで、数値的には男女差はあまり変わらないのではないかということも言われています。
 
 
つまり、ご質問のお嬢様と同じように、外ではなんとか気づかれないままで、家庭で上手くいかず、お母さんが困り果てているご家庭は少なくないと考えます。
 
 
というのも、実は私の娘もご相談と同じような状態にありました。学校ではどちらかというと人気者タイプで、時間が守れなかったり、忘れ物があったりしても許されながらうまく過ごしていました。
 
 
しかしそんな娘は家に帰ってきた途端、毎日イライラしてストレスを周りに巻き散らす別人になってしまっていました。
 
 

 
 

2.振り回される娘との関係

 
 
娘は外で頑張りすぎているのか、家に帰ってくると明るい性格は身を潜め、途端に不機嫌になり、ソファーでスマホに没頭するのがお決まりでした。
 
 
話しかけようものなら口汚い言葉で罵ってきたり、かと思うとあるときは妙にベタベタしてきたりと、娘の気分の上がり下がりに毎日振り回されていました
 
 
できていないことも多く、出したものはそのまま、使ったものはそのまま、部屋も足の踏み場もないほどでした。
 
 
私は、「あれもできていない」「これもできていない」「女の子のくせに、本当にだらしがない!」と心の中で思いながら、どうにか娘を動かそうと、あれをしたらどうか、こんな風にしたらどうかと「アドバイス」を繰り返していました。
 
 
しかし娘は「喋りかけないでくれる!?」とただ拒絶するだけで、こちらの指示は通りません。私はもう何をどうすればいいのかわからない状態になってしまっていました。
 
 
実はこれは、脳科学的にみてもとても良くない状態にあります。脳は、活動・行動量が減ってしまうと、成長する機会が減ってしまうのです。
 
 
うちの娘は、まさに家では思考停止状態で、常に不機嫌にスマホを没頭し、たまに思いついたように衝動的に何かをやっては、またやりっぱなしの状況に。私の「アドバイス」だけが空回りする悪循環に陥っていました。
 
 

 
 

3.まさかそれがいけないなんて! お母さんが陥りやすい子育ての罠

 
 
女の子のADHDグレーゾーンのお子さんは、衝動性よりも不注意や多動の特性が強い子が多く、授業中の立ち歩きなどがない場合は、周りからはわかりにくく、支援の手も届かないことが多いです。
 
 
我が家の娘も外で支援をしていただくという機会はありませんでした。私はただ一人で「この子には、普通が通じない」という違和感を感じたまま、どうしたらいいんだろうかとずっと悩んでいました。
 
 
そんなときに私は、発達科学コミュニケーションと出会い、まず「否定の声かけをやめる!」「アドバイス」をやめる!ということをやりました。
 
 
否定の声かけをやめることと、「アドバイス」をやめることとが直接結びつかない方もおられるかもしれません。
 
 
私もはじめは、驚きました。
 
 
私は「アドバイス」はいいことだと思っていました。娘に、大人として正しい道を教えているつもりでいました。
 
 
そして、ガミガミ怒ってはいけないと知っていたので、私は、いろいろなことができない娘に「こうしてみたら」「ああしてみたら」とアドバイスばかりしていました。
 
 
でも実はこれが、娘を追い詰めることになっていたのです。
 
 
「こうしたら」「ああしたら」というアドバイスは、結局は、あなたは「あれもできていない」「これもできていない」という負のメッセージとして娘の心に刺さっていました。
 
 
良かれと思って言っていた「アドバイス」がまさか娘をそこまで追い込んでいたとは、全く気づきもしませんでした。
 
 

 
 

4.発達障害ADHD傾向の中学生の女の子のお母さんにぜひやってほしいこと

 
 
中学生になると、女の子は全般的に「周りと同じように振る舞わない子を排除する」という思春期独特の仲間意識を強めていきます。
 
 
ですから女の子は特に、外では周りに何とか合わせようと頑張っている傾向にあります。 外にいる間はそれだけ気を使っているのです。
 
 
それなのに私が家で「あれもできていない」「これもできていない」と負の評価しかせず、あれこれアドバイスをしてしまっていたため、娘にとってくつろげる空間がどこにもなく、気持ちがパンクしてしまっていたのです。
 
 
だからせめて家庭では、リラックスしてくつろげるようにしてあげることが大切になります。 具体的にどうするかというと、「ただ今できていることだけに注目する」ということをしていきます。
 
 
できていないことはスルー。やっていないことが目についてもスルー。できていないことには一切着目しないということをしていきました。
 
 
「できていることに注目する」ということは、ただ褒めるのとは違います。「今何見てるの?」「そのメイクかわいいね」「今度教えてね」と、娘がしている行動に興味を示していきます。
 
 
はじめは私の急な変化に「何、キモいんだけど」と言っていた娘でしたが、次第にこのメイクはどこで売っていて、百円ショップにもいい化粧品があるなど、いろいろと教えてくれるようになりました
 
 
アドバイスをやめ、娘を傷つける言葉を言わなくなった私に、娘も少しずつ心を開いていくようになってきたのです。
 
 
だんだんと家でリラックスできるようになった娘は、スマホに依存する時間が日に日に短くなり、ついには、私がいるときは近寄りもしなかったキッチンにも入ってくるようになっていきました。
 
 
「今日の夕飯、何?」と話しかけてくるようになったり、一緒に手伝いをする日まで出てきました。そうなってくると、何気ない会話が続くようになり、親子のコミュニケーションがどんどんスムーズになってきました。
 
 
今思うと、娘はただ自分を受け止めて欲しかったのだと思います。何を話してもアドバイスを押し付けてくる母親にうんざりし、「あれもできていない」「これもできていない」と攻撃されているような気持ちに一人でなっていたのです。
 
 
気分が安定せず、家でイライラの感情を爆発させているADHD傾向の思春期の娘さんの対応は、
 
 
①例えアドバイスでも、あれこれいうのを控える
②できていることを認め、子どもが興味のあることに関心を示す!
 
 
ことが大事です。
 
 

 
 
発達障害ADHD傾向の中学生の困りごとは、親子関係を改善して、家でリラックスできるようにしてあげるだけで、グッと良くなります。
 
 
親子関係の改善は、お母さんが日々発している言葉かけを変えることで、改善することができます。
 
 
良かれと思って言っているアドバイスが、お子さんにとっては「負の言葉」として刺さっていることもあります。
 
 
まずはしっかり親子関係を改善して、お子さんの行動量をアップさせ、日々の困りごとを改善していく「心のゆとり」を作ってくださいね!
 
 
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執筆者:桜井ともこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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