発達障害のある子どもの学習がすすまない、理解ができていないかも…と感じることはありませんか?お子さんが学校の勉強を苦手だと感じているようなら、もしかすると聞く力が弱いのかもしれません。今回は発達障害の子どもの聞く力についてご説明します。 |
【目次】
1.発達障害の子は聞く力が弱い?聞いているのに、理解できないとは
2.発達障害の子どもの聞く力と理解力
3.聞く力を学習につなげる効果的な方法はコレ!
◆ワクワクする読み聞かせ
◆聞いたことを書きとるディクテーション
1.発達障害の子は聞く力が弱い?聞いているのに、理解できないとは
学校に通って、きちんと授業を受けているハズなのに、理解ができていないかも?と心配になったことはありませんか?
発達障害の子どもの中には知的な障害がないにも関わらず、脳の特性で理解することがゆっくりな子どもがいます。
そのため
・学校での口頭の指示が伝わらず、ぼーっとしてしまう
・分からないでいるところを指摘されカッとなってしまう
・集団活動ができずに自分の行動に自信が持てない
こんな様子があると、わが子は大丈夫かしら?と心配になってしまいますよね?
わが家の娘も理解がゆっくりなタイプ。
小学1年生のときには、分からないことがあると、他のことが気になったり、授業中もぼーっと過ごし、ちっとも授業が聞けていなかったようです。
そのため学習した内容は定着しておらず、習ったはずのものもさっぱり覚えていません。
挙句に「こんなの習ったっけ?」との一言。
そんな娘を心配して、なんとか周りの子についていけるようにと思いドリルをたくさんやらせてみたり、将来困るからと過剰に励ましたりしましたが、状況は変わりません。
それどころか、できないことで余計に自信がなくなったのか、「できないもん…」と涙を浮かべて落ち込んでしまいました。
実は、発達障害の子どもの勉強がうまく定着しない原因の1つとして、情報をインプットする聞く力が大きく関わっています。
ですから、頑張れと励ましたり、たくさん勉強をさせようするだけでは改善しないのです。
そこで、今回は発達障害の子どもの勉強がすすむようになるために必要な聞く力についてご説明します。
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2.発達障害の子どもの聞く力と理解力
発達障害の子どもにとって、「聞く力」と勉強はどのように関係してくるのでしょうか?
私たちは普段耳から情報を取り入れ、一旦記憶として保持し、その情報を理解して、行動に移します。
そのため、色々なことに気持ちがうつってしまい、じっと注意を向けて聞いておくことが難しい子どもの場合、まず情報が耳に入っていないということが考えられます。
きちんと聞こえていないのですから、もちろん理解もすすみません。
勉強していても、「え、そんなこと聞いてないけど?」となるわけです。
また、聴覚に障害がないにも関わらず、聞こえたはずの情報を記憶としてとどめておく力が弱い子もいます。
このタイプの子は、話を聞いていても、話の内容はまさに右から左へ。「さっきなんて言われたっけ?」と思っているうちに話が進み、「分かんない…」となってしまうのです。
ですから、勉強をしっかりと身につけるためにはまず、注意を向けてしっかりと聞く力が必要となってくるのです。
もしこの聞く力が弱いままだと、聞いた話の内容が理解できていないのですから、自分の思っていることを伝えることも苦手になってきます。
そのため、言いたいことが言えずにイライラして、つい手が先に出てしまったり、逆に自信がなくなって気持ちがふさいだりもしてしまいます。
わが家の娘は聞いていたことが右から左へのタイプ。話の内容を理解しながら聞いていないので頭に残っていなかったのです。
だから、話を聞いていても興味が薄れ授業中もぼーっとしてしまい、いくら勉強させようとしてもうまくいかなかったのです。
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3.聞く力を学習につなげる効果的な方法はコレ!
聞く力が弱いのは脳が未熟なことが原因の1つです。
聞く力が弱いことで勉強が苦手になってしまうのはもったいないですよね。
よく子どもの脳の成長は3歳までに決まる!とか、いや6歳まで、10歳までなどと言われますが、実際には何歳になっても脳の機能は伸びることが分かってきました。
ですが、使わない能力、苦手な能力をそのままにしておいても、苦手は苦手なまま。成長はスムーズにはすすまないのです。
ここでは子どもの脳の発達を促して、聞く力をつけるための効果的な方法を2つご紹介します。
◆ワクワクする読み聞かせ
小学生になって読み聞かせ?と思う方もいるかもしれませんが、聞きながら話の内容を想像し理解していくので、読み聞かせは聞く力を育てるいい練習になります。
特に好きなキャラクターが出てくる本や、好きな分野(科学や歴史)など、子どもの興味をもてる内容だと注意も向きやすいですね。
寝る前に読む本としてシリーズ化されたものも多数出版されていますので、ぜひ検索してみてください。
読み聞かせをする場合には、よく聞いてもらえるように少し、ゆっくり読む、抑揚をつけて印象付けるように読むと内容がインプットされやすいと思います。
そして、読み終わった後に感想を言ってもらう、また簡単な質問をお母さんから投げかけるといった工夫で、より子どもが聞こうと注意を向ける機会となります。
◆聞いたことを書きとるディクテーション
子どもの興味の向く題材の本をお母さんが1文読み、その1文をそのまま書きうつすものです。
1文が長いようでしたら、途中で区切ってくださいね。
聞いた内容がきちんと頭に入って、それをアウトプットできるかどうかなので、書き順や漢字が間違っているなどの細かいことはスルーしてあげてください。
このトレーニングは耳から聞いた情報を、頭の中で保持して、文字に書き起こすため、聞く力が弱い子どもにとっては負荷が高くなります。
ですので、書くことを嫌がるようでしたら、まずは文章を区切ってお母さんが読み、同じ内容を子どもに声に出して言ってもらうという方法でもいいですね。
このトレーニングをすることで、聞いた内容を記憶として一旦保持する、頭にしっかりインプットする練習になります。
わが家では主に寝る前に読み聞かせをし、読んだ後に聞いていれば分かるような問題を1つ出すようにしています。
娘も、今日はどんな問題が出るかなと注意しながら話を聞くことができているようですし、毎日正解することでホクホクした気持ちのまま眠ることができています。
母親の主観ではありますが、以前に比べて訊ねた質問に対しての返事がまっすぐ返ってくるようになってきました。また、学校の勉強もスムーズに取り組めているように感じています。
聞く力は理解すること、記憶することのベースになり、学習を身につける第1歩となります。
お母さんと楽しくトレーニングして日々の学習にも自信がつくよう、聞く力をしっかりと伸ばしてあげてくださいね。
発達障害の子どもの脳を育てる方法、たくさんご紹介しています。
執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)