幼稚園での遊びの時間、女の子は小グループで群れて遊ぶのが好きなはずなのに、発達障害・グレーゾーンの特徴がある我が子はいつも一人遊び。心配になりますよね。ところが、その一人遊びを幼児期に極めると後伸びするある力が育つといわれているんです。 |
【目次】
1.一人遊びばかりの我が子に「友達はいないの?」と心配していませんか?
幼稚園や保育園から帰宅し、夜ご飯を食べながら今日の様子を聞いたときに、
「一人で工作してたよ」
「一人で砂場で遊んだよ」
…友達とは?
「誰とも遊んでいない」
このような答えが返ってきて心配になったことはありませんか?
・うちの子、友達がいないのかしら?
・女の子はすぐに数人のグループで遊んでいるのに、どうして?うちの子だけ?
・発達障害・グレーゾーンの傾向があるから、仲間に入れてもらえないのかしら?
・いつまで、一人で過ごすんだろう…
こんな風に心配は尽きないと思います。
特に発達障害・自閉症スペクトラム傾向のある女の子は、自分の関心のあること・ものだけに集中することが多いです。
友達の動きが見えていなかったり、友達への関心が薄く誘いを断ってしまったりすることもあるでしょう。
ところが、この一人でじっくりと遊び込む経験には、嬉しい可能性が詰まっているんです。
具体的には、
・〝遊び込む経験〟と、友だちとの〝協同的な活動〟の経験の多さは関連している
・〝遊び込む経験〟が多い年長児ほど、学びに向かう力は高い
というデータがあるんです。(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト「子どもの生活と学びに関する親子調査 2017」より)
簡単に噛み砕くと、
・遊び込む経験、というのは、じっくりと試したり工夫したりしながら遊ぶ経験。
・協同的な活動、というのは、友達と思いを出し合いながら協力して行う活動。
のことです。どちらも、魅力的な話ですよね。
2.発達障害・グレーゾーンの特徴が目立ちにくい幼児期の女の子
そもそも、幼児期は、女の子の発達障害・グレーゾーンの特徴は目立ちにくいと言われています。
目立つ行動として現れにくかったり、会話などは一見スムーズだったりすることが理由として挙げられています。
目立ちにくいということは、気付く大人が少ないということ。
ましてや、子どもには気付かれないことが多いと思います。
楽しいことをしている子がいたら、
「何してるの?」
「どうやってやるの?」
「私にもやらせて!」
と、普段一緒に遊ぶことが少なくても、していることが魅力的だったら関わってくれる子もいるでしょう。
友達の始めた、友達のしている遊びに仲間入りすることはハードルが高くても、自分の楽しんでいる遊びに友達が興味を持って関わってくれたら。
嬉しくなって、一緒に遊ぶ経験にもつなげられそうです。
発達障害の有無にかかわらず、周りも思わず興味を持つような、ワクワクする遊びをじっくり遊び込める子に育てたい!と思いませんか?
そして、一人で遊ぶことばかりの毎日が、友達と関わって遊ぶひとときにも繋がったら最高ですよね。
3.「好き」を深掘りする経験を親子でしよう!
では、ただ一人でいるのではなく、好きなことに打ち込んで遊び込む経験を積むために、家庭でできることはなんでしょうか?
それは、「好き」を深掘りする、ということです。
もちろん、好きなことは放っておいてもどんどん深掘りしていける子もいます。
ところが、子どもが考えられることには限界があります。
親子で一緒に深掘りできると、ワクワクが増しますね。
おすすめは、マインドマップの活用です。
マインドマップとは、もともとは記憶の整理や発想をしやすくするもので、大人が仕事を効率よく進めたいときに使います。
私も、幼稚園教員時代は、同じようなやり方で、保育場面の記録や明日への予測を立てていました。
真ん中に注目したい事柄を書き、そこから連想されることを枝のように書き足していく。
そのようにして、今日の遊びを整理し、明日の遊びを予想し準備をしていました。
家庭では、この真ん中に、お子さんの好きなことを書き、そこから考えられる楽しいことをたくさん派生させていくのです。
例えば、真ん中が『お気に入りの人形』だったら、洋服?髪型?お家?何にこだわろう、というようにです。
お子さんのワクワクポイントも、見えやすいですね。
繰り返すうちに深掘りの仕方がわかって、じっくりと遊ぶ機会につながると思います。
ぜひ、ご家庭での遊びに取り入れてみてください!
また、発達障害グレーゾーンの女の子のお友達関係の悩みはこちらの記事でも解説しています。合わせてチェックしてくださいね。
お子さんの発達につながる親子のコミュニケーションをたくさん公開中!
執筆者:原しおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)