発達障害・ADHDタイプの幼児の癇癪への対応で、叱るのはダメだと分かっているのに気が付くとガミガミと叱ってしまい悩んでいませんか?すぐにできる3つのポイントをおさえて「叱りすぎかも…」という不安から解放されましょう! |
【目次】
1.発達障害・ADHDタイプの幼児の癇癪への対応に悩んでいませんか?
2.衝動的な癇癪はどうしておこる?その原因は「脳の発達の○○」です
3.癇癪を落ち着かせるのに「叱る」が効かないその理由とは?
4.今日からできる3つのポイント
◆まずは原因をさぐる
◆場所を変えて気持ちを切り替える
◆癇癪をおこしたら、落ち着くまで待つ
1.発達障害・ADHDタイプの幼児の癇癪への対応に悩んでいませんか?
「最近、うちの子、癇癪がひどいな…」
「どうして癇癪が収まらないの?」
というお悩みはありませんか?
この記事では、発達障害・グレーゾーンで、特に注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプのお子さんをお持ちのお母さんに多い悩み「癇癪」への対応について、解説していきます。
日々のお子さんの様子はどうでしょう?
・きょうだい喧嘩が多くなってきた
・ちょっとしたことですぐに泣く
・いつもイライラしていて暴言を吐く
といったことが頻繁になっていたら、お母さんもしんどいですよね。
では、ここで質問です。
癇癪で怒りをぶつけてくるお子さんの行動を落ち着かせたいときに、どのような声がけをしていますか?
・「そんなこと言ったらダメでしょ!!」
・「何度言ったらわかるの?」
・「そんな子は、もう知りません!」
と言ってしまっているお母さんが多いのではないでしょうか。
最初は優しく声をかけていたけれど、どんな言葉をかけても効果はなし…。それどころか、ますますヒートアップしてきて自分も怒りだしてしまうことはありませんか?
結局は親も子どももお互いに嫌な気持ちになっただけ。
また次の日も同じことを繰り返してしまい、「また叱りすぎてしまった」「私の育て方が悪いから?」と自分を責める日々…
そんな日々、疲れますよね。
お子さんと過ごす時間が長いとなおさらイライラやモヤモヤする機会が多くなってしまいますよね。こんな時間の過ごしかたはもう終わりにしましょう!
今すぐ、癇癪への対応をマスターしてください。
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2.衝動的な癇癪はどうしておこる?その原因は「脳の発達の○○」です
ADHDの主な特徴は
・不注意による注意力の弱さや忘れっぽさ
・多動性による落ち着きのなさ
・衝動性により感情が抑えられない
などがあげられます。
その中の衝動性から癇癪がおこります。感情のコントロールが難しく、怒りが前面に出てしまうのが特徴です。
例えば、お買い物のシーン。
お子さんがお菓子を見たとたんに「このお菓子が欲しい!」と言います。
お母さんが「今日は買いません」と言ったら「嫌だ!買うの!」と大声でダダをこねる。 さらには、床にひっくり返って泣き出す…
良くあるシーンですよね。
ここでお母さんに知っておいていただきたいことがあります。
それは、この衝動的な怒りはお子さん自身にもコントロールできないということです。
発達障害・グレーゾーンのお子さんは、生まれつき脳の発達がアンバランスなのです。
「脳の発達のアンバランス」が原因で
・我慢する
・自分の感情をコントロールする
・感情を表現する
といったことが苦手です。
また、我慢という概念が理解できない場合もあります。
我慢ができず、自分の感情を表現できない発達障害・グレーゾーンの幼児にとって癇癪は、自分の感情を表現する手段でもあります。
コミュニケーション能力や言語能力が弱いため、泣く、暴れる、大声を出すなどで、自分の感情を表現しているのです。
ですから、お母さんが「ちゃんとしつけないと!」と思って注意してもまた同じことを繰り返します。
そもそも、発達障害の有無に関わらず、叱っても子どもの癇癪は収まりません。
どうしてか知りたいですか?
3.癇癪を落ち着かせるのに「叱る」が効かないその理由とは?
癇癪をおこしたときに「叱る」とお子さんはどうなりますか?
・一時的には大人しくなっても、すぐにまた同じことを繰り返す
・反省しているように見えたのに全く分かっていなかった
という結果の方が多いのではないでしょうか…
それは、叱られた意味を全く理解していないからです。反省したように見えたのは、叱っているお母さんが怖くてしょんぼりしているだけだったりします。
実際のお子さんの気持ちは
・「なんでお母さんは自分のことを分かってくれないのだろう?」
・「僕の気持は○○なのに…」
などという思いがグルグル渦巻き、不満の気持で心の中はいっぱいです!
発達障害・グレーゾーンの子どもは「不器用」であることが多く、本人はものすごく頑張っていても年相応にできないことがたくさんあります。
一生懸命しているのに注意され、ときには誰かと比較される。これではイライラしてしまって当然です。
そして、このような状況が続くと「新しいことにチャレンジしよう!」や「もっと褒められたい!」という意欲や前向きな気持ちがわかなくなってしまいます。
このような状況は絶対に避けたいですよね。
では、どのようにしたらよいのでしょうか?次に癇癪を抑えきれないお子さんへの対応についてお伝えしますね。
4.今日からできる3つのポイント
ここでは、お子さんが癇癪を起したときの対応を3つお伝えします。
◆まずは原因をさぐる
お子さんが癇癪をおこし、怒りの感情を出してきたら、まずはその原因を探りましょう。
幼児だと言葉で上手に説明できなお子さんも多いのでイライラの原因を推測して声をかけてあげましょう。
・「お菓子を買ってほしかったね」
・「一緒に遊びたかったね」
・「負けてくやしいね」
などと、気持ちをお母さんが言葉で代弁してあげることで、次第に自分の気持を上手く表現できるようになっていきますよ。
また、癇癪をおこすのは何が原因か確認できたら、次からは事前に約束をしましょう。
おやつを買って欲しいことが癇癪の原因なら、次からはお店に行く前に「お菓子は買わない」ことを約束しておきます。
その約束を守れたときは、我慢できたことを褒めてあげましょう。「我慢ができたら褒める」ということを繰り返すことで、癇癪が我慢できるように練習していきます。
◆場所を変えて気持ちを切り替える
癇癪をおこしたら、まずはその場所からお子さんを遠ざけましょう。
・お店の中で癇癪をおこしたら、お店から連れ出す
・リビングで癇癪をおこしたら、外に連れ出す
というように、気持ちを切り替えるきっかけにするために場所を切り替えます。
◆癇癪をおこしたら、落ち着くまで待つ
いちど癇癪をおこすと、落ち着くまでに時間がかかります。
癇癪の間は、叱るのはもちろん、優しい言葉をかけても言うことを聞きません。じっと落ち着くまで、見守りましょう。
ただし、ケガの恐れや暴れて物を壊そうとする危険があるときはやめさせます。
いかがでしたか?上記3つのポイントを実践してみてくださいね。
そして、癇癪が落ち着き、お子さんが気持ちの切り替えができたときには必ず褒めてあげてください。褒められたことで自分に自信を持ち自己肯定感を高めることにもつながります。
また、言葉でほめる以外に抱きしめてあげることや頭をなでてあげることなどでスキンシップをとってあげるのも効果的です。
発達障害のお子さんは、言葉だけではイメージがわかないこともあります。
ですから、肯定の言葉がけをするときに動作をプラスすることでより分かりやすく伝わります。
日々の生活の中で、癇癪が抑えきれないとワガママな子に見られたり、周りから迷惑がられたりすることが多いです。
このときに一番つらいのは、お子さん本人です。お母さんはお子さんの一番の理解者であり、味方でいてあげてくださいね。
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執筆者:須藤ゆかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)