発達障害の子育てと仕事の両立は思った以上に辛いものでした。お母さんだけが育児をしているんでしょうか?違いますよね。周囲の理解という壁にぶつかり、限界を感じることもあります。今回は私の経験から仕事と育児の両立について思うところをお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害の子育てが辛いのは働くママへの周囲の目
2.子どもはママだけが育てているの?時代錯誤の思い込みは捨てよう
◆仕事を休んで子どもを家で見ることにした私の気づき
◆子どもを育てるのはママだけじゃない!現代の共働き事情
◆子どもの育ちにとって大切な「愛着形成」
◆保育園のメリット
3.自分らしく働いていく、そんな人生を歩みたいママへ
4.私に子育ての軸を与えてくれた「発達科学コミュニケーション」
1.発達障害の子育てが辛いのは働くママへの周囲の目
子育てしながらお仕事をしているお母さんは、誰でも1度は両立に悩んだことがありますよね。
私は息子が生まれて1ヶ月で仕事をはじめました。
そのため、0歳で保育園に預けていたんです。
担任の先生は、ベテランの方だったので安心して預けられると思っていたのですが、息子はなかなか慣れませんでした。
そこで、その先生から言われたこと。
「3歳までが一番大事なとき。 お母さんが仕事をして、子どもを預けるのはかわいそうよ。こんなに泣いているじゃない。もっとお家でみてあげないと」
私は、納得できませんでした。
保育園は何のためにあるの?
仕事をする母のためにあるのではないの?
心の中で反発する一方、 当時の私は、子育てにまったく自信がありませんでした。
自分が気にしていたことをあらためて指摘され、母親として自分はすごくいけないことをしているのかもしれないと、悩みました。
私が仕事をしなければ、この子を家でずっと見てあげられる。
泣かせなくてすむのかもしれない。
悩んだ結果、私は仕事を休み、息子を家で育てることにしました。
これはまだ、子どもが発達障害の診断がない赤ちゃんのころの話です。
発達障害の子どもを育てるママも、もしかして似たような経験があるのではないでしょうか?
2.子どもはママだけが育てているの?時代錯誤の思い込みは捨てよう
◆仕事を休んで子どもを家で見ることにした私の気づき
それから1年間、仕事を休んで家で息子と過ごしてみて思ったことは、大切なのは一緒にいる時間の長さではないということ。
長い時間一緒にいれば、良い子育てができるのか?
私の答えはNOでした。
私のような仕事をしたい人間には明らかに、この状態は合っていませんでした。
・ずっと一緒にいると、どんなに子どもが可愛いくてもストレスがたまってしまう
・適度に離れている時間があったほうが、心にゆとりをもって接することができる
そんなことがわかりました。
短い時間でも、メリハリをつけて子どもとしっかり向き合うほうが、私自身楽しく子育てができます。
子どもにとっても、仕事をしたい気持ちを抑えて子どもと過ごしてストレスをためているママに相手をされているより、自分がやりたいことをやって満足しているママと過ごした方がいいのではないでしょうか。
◆子どもを育てるのはママだけじゃない!現代の共働き事情
働くことを決断したママに対する厳しい言葉…
「0歳から保育園なんて、かわいそう」
働くママにとっては、くじけそうになってしまうくらいつらい言葉をつきつけられることがあります。
子どもが発達障害・グレーゾーンだったりすると、なおさらです。
「仕事している場合じゃないでしょ」といった感じになります。
こんな言葉が飛び出してくるのは、一昔前までは、子どもは家でみるのが当たり前だったからです。
女性がしっかり家でお世話をするのが当たり前な時代もありました。
私が0歳児の子どもを保育園に預けて、ベテランの保育士さんに言われたことは「3歳児神話」と言います。
3歳までは子どもの発達に大事な時期だから母親は育児に専念するべきという考え方です。
1997年を境に日本でも共働き世帯が専業主婦世帯の数を上回っています。
それ以降共働き世帯は増えつづけ、2019年には共働き世帯は1245万世帯、専業主婦世帯は575万世帯と、共働き世帯が専業主婦世帯の2倍以上になっています。
こんなに共働き世帯が増えた令和の時代になっても、まだまだ働くママを見る世間の目が厳しいことがあります。
共稼ぎ世帯が専業主婦世帯の2倍以上だということは、同じ数の共働きをしているお父さんがいるということになりますね。
このお父さんたちは「0歳なのに子どもを預けて働いてかわいそう」なんて職場や保育園でいわれないんでしょうか。
ドンドン時代は変わっています。
お母さんだけがなぜか「子どもがかわいそう」と言われる。
こんな世の中の常識もそれに合わせて変わってもおかしくないはずです。
◆子どもの育ちにとって大切な「愛着形成」
子どもの愛着形成のために、産まれてから数年間は身近な人から愛情をたっぷり受けることが大切といわれています。
愛着形成とは赤ちゃんと特定の療育者との心のつながりや情緒的な結びつきを言います。
療育者であるお母さんが赤ちゃんに話しかけたり、読み聞かせをしたり、抱っこなどのスキンシップを取って赤ちゃんからの問いかけに答えてあげることが必要です。
お母さんが働いていても、帰宅後に赤ちゃんとスキンシップする時間を意識的に取ったり、読み聞かせなどのかかわりを持つことで、働いているお母さんでもしっかりとした愛着を形成できるのです。
ちなみにお母さんでなくても、お父さんであっても他の人であっても愛着の形成はできます。
◆保育園のメリット
また、子どもは、保育園で多くの大人と関わる機会を持つことにより、言葉や行動を真似たり、吸収していきます。
いろいろな先生がかわるがわる話かけてくれますね!
保育園では、たくさんのプロ(先生)が子どものお世話をし、遊んでくれるわけですから、どんどんいろんなことを吸収していけるわけです。
また、保育園はお母さんが孤独な育児になることを防ぐことができます。
保育園の先生がお母さんに子育てのアドバイスすることもありますし、お母さん一人の目で子どもをみるよりたくさんの子どもをみているプロの保育士の先生に見てもらえることで、発達の気になる部分も早く見つけてもらえることもあるのです。
子どもがいるワーキングマザーでも社会で活躍できる現代です。
保育園に預けることに引け目を感じずに、ちゃんと一つの選択肢だと思ってもらいたいと思います。
3.自分らしく働いていく、そんな人生を歩みたいママへ
発達障害の幼児の子育てと仕事の両立に直面しているママは、色んな一昔前のあたりまえと闘っています。
でも、母親だから自分の好きなことを我慢する、もうそんな時代ではありません。
今は発達障害の子育ての壁にぶつかり、辛い思いをしているから、自分が仕事をすることですべてが悪い方向に行くように思えてしまうかもしれません。
でも、あなたが 「仕事をして、こんな自分になりたい」という夢があるのであれば、誰かに遠慮することではないと思うのです。
ママが「働く」ということは、
子どもにとって悪影響なのでしょうか?
家族を犠牲にすることでしょうか?
会社に迷惑をかけることでしょうか?
決してそんなことはない!と私は思っています。
発達凸凹キッズを育てるママはもっと自由でいいのです。
自分の力を発揮してイキイキと働いている。
夢をかなえて楽しそうに自分の人生を歩んでいる。
お母さんも広い視野で世の中を見て、子どもの道を切り開いて前を歩く。
子ども達にはそんなお母さんの背中を見せてあげたいと思うのです。
4.私に子育ての軸を与えてくれた「発達科学コミュニケーション」
私は、発達障害・グレーゾーンの息子を育てながら、自営業を5年間やってきました。
そして、今、発達科学コミュニケーションリサーチャーとして活動しています。
もちろん、色々な葛藤がありました。
子どもにとって、私が働くことは本当に良いことなのだろうかと何度も立ち止まって考えてきました。
そして、今、親子のコミュニケーションでぐんぐんとたくましく成長している発達障害・グレーゾーンの息子を見て思うことがあります。
私が人生を真剣に生き、学び、挑戦し、失敗を繰り返して成長していくから、今の息子がある。
息子はきっとこれからも自分なりに一生懸命成長していってくれると信じています。
発達障害の子育てをしているママ、今、自分の人生を歩んでいないと感じ辛い思いをしているかもしれません。
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あなたが今抱いている想いを実現して、子ども達に輝いているあなたの背中を見せてほしいと思います!
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執筆者:須藤ゆかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)