もうすぐ令和2年度も終わりです!来年度も発達障害やグレーゾーンの天真爛漫な子どもたちをもっと伸ばしたいと考えているお母さん。親子のコミュニケーションを見直して子どもにかける褒め言葉で「自信」を授けませんか!今日からできる方法をお伝えします。 |
【目次】
1.コロナウイルスの流行で子どもの天真爛漫さを発揮できない
2.発達障害の子どもが自信を持ちにくい理由は?
3.年度末は一年の振り返りで子どもの成長を感じよう!
4.新年度は視点を変えて褒め言葉のバリエーションを増やそう!
◆子どもに感謝する褒め言葉
◆子どもが安心する褒め言葉
◆子どもに興味や関心を示す褒め言葉
1.コロナウイルスの流行で子どもの天真爛漫さを発揮できない
もうすぐ令和2年度も終わり。新年度が始まりますね。
お子さんはこの一年学校でがんばっていましたよね。
一学年上がるということは、環境が変わり、お兄さんお姉さんとしての責任も増えます。
お勉強ももちろん難しくなります。
ただ学年が上がるだけでも求められるハードルが上がっていますね。
さらに昨年から新型コロナウィルスの流行があり、長期にわたる休校や学校行事が中止になったりと、何かとイレギュラーが多かった一年です。
学校もマスク着用が義務付けられ、手洗いや感染対策にと、みんな神経質になっています。
子ども本来の天真爛漫さで大声で叫んだり歌ったり、じゃれあって遊んだり、そういったことがしにくい環境になってしまいました。
家庭ではどうでしょうか?
コロナ休校が続いた頃、外遊びも制限される中で子どもなりに過ごしていても
「ゲームばっかりして!」とか、リモートワークのお父さんに「うるさい!」なんて怒られていませんでしたか?
不安感がある世の中や家庭で、ピリピリした空気を敏感に感じてストレスをためてしまう子どももいます。
冬休みもいつもとちがって、優しく甘えさせてくれるおじいちゃんおばあちゃんのお家に帰省を控えるご家族もいるのではないでしょうか。
どんな子どもにとってもストレスを感じたり、伸び伸びした環境や自信を持つ機会が減っていると感じられる2020年でした。
行事が縮小される中で、なかなか新しいことに取り組んだりするチャンスもなかったかもしれません。
新しい学年になったらもっと子どもを伸ばしたい!コロナに負けないでどんなことにチャレンジさせようか、考えていらっしゃるお母さんもいらっしゃると思います。
「ねぇ、○○年生になったら××してみない?」とお子さんを誘う前に、お母さんに振り返ってほしいことがあるんです!
2.発達障害の子どもが自信を持ちにくい理由は?
大人同様、いやそれ以上に、子どもを取り巻く環境もガラリと変化した昨年です。
発達障害の子なら、なおさら大変な年だったでしょう。
・感覚過敏でマスクをしているのが辛い。
・環境変化や感染の恐怖を感じて不安で動けなくなる。
・外出先でいろいろなものを触ってしまい、いつも怒られている。
発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、多動性や衝動性、感覚過敏や不安になりやすいなど、発達特性でどうしても苦手なことがあります。
「頑張っているけれどどうしてもできない…」
と、自信をなくしてしまいやすい子もいるのです。
こんな大変な環境下で頑張っていた発達障害やグレーゾーンの子どもだからこそ、お母さんがしっかりと褒めて、子どもに自信をつけてあげてください!
来年はもっと子どもを伸ばしたい!と思っていらっしゃるお母さん、まずは子どもの自信をしっかりつけてあげるために、コミュニケーションを見直してみませんか?
褒めることで子どもに自信がつきます、とお伝えしました。ですが、人間はできたことよりできないことに注目してしまいます。
しっかり子どもを褒めてあげたいけど、どうしても叱ることが多くなってしまう…というお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
そんなお母さんにやっていただきたいことを次の章でお伝えしますね!
3.年度末は一年の振り返りで子どもの成長を感じよう!
まずは一年間、お子さんがどんなことを頑張ったのか、具体的に挙げてみてください。
・徒競走で一等賞になった!
・ピアノのコンクールで入賞した!
というものももちろんですが、
・新しいお友だちができた!
・ご飯をおかわりするようになった!
・自分から靴を揃えられるようになった!
など、少しでもできるようなったこともしっかり挙げることが大切です。
特に発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、学校では褒めてもらえる機会が少ないこともあります。
子どもの生活のささいな面まで目を配って、なるべくたくさん挙げてください。
「去年よりもご飯たくさん食べたから、とっても大きくなったね!」
「最近いつも靴を揃えてくれるから、玄関がきれいだよね!」
「毎日しっかりマスクをしていたよね」
「外から帰ったとき、いつもしっかり手を洗っていたね!」
できたことをしっかり褒めてあげることで、子どもは自分の行動に自信を持つことができます。
また、子どもを褒めようとすることで、お母さん自身も子どもの成長に気が付きます。
子どものいいところに気が付くと、自分の育児に自信が持てるようになるのです。
褒めのバリエーションが、すごいね!だけだと、声をかけてあげられる場面が限定されて、褒める回数が減ってしまいますね。
だから、褒め方のバリエーションを増やすことで、新年度はもっと子どもを褒めてあげてもっと自信をつけてあげられるスキルを身につけましょう!
4.新年度は視点を変えて褒め言葉のバリエーションを増やそう!
お母さんの褒め言葉のバリエーションが増えれば、子どもの日常生活は変わらなくても褒める回数を増やすことができます。
お母さんの褒め言葉のバリエーションを増やすには、少し視点を変えてみる必要があります。
まず、褒め言葉を「子どもがうれしくなる言葉」と捉えてみましょう。
◆子どもに感謝する褒め言葉
お母さんはどんな言葉を言われたらうれしくなりますか?
「ありがとう!」
「○○してくれてうれしかったよ!」
「○○してくれて助かったよ!」
「あなたがいてくれてよかった」
「頼りにしてるよ」
こんな風に言われたらうれしくなりますよね。すごい!と言わなくても、褒めている気持ちは十分伝わります。
子どもがお手伝いをしてくれたときに使いたいですね。
子どもは自分が役に立っている!と感じるのをとても喜ぶんです。
しかもそれが、大好きなお母さんの役に立っている!お母さんを助けることが自分はできるんだ!という自信に直接的につながっていきます。
だれかの役に立ってお礼を言われるというのは、本当にうれしいことですね。
◆子どもが安心する褒め言葉
また、褒め言葉を「子どもが安心する言葉」と捉えたらどうでしょうか?
子どもは経験が浅いので、何をするにもどこかに不安を抱えていることがあります。
「これってどうしたらいいんだっけ?お母さんに聞いてもいいのかな…」
こんなとき、お母さんが「それでいいよ」と言ってくれたら、子どもは安心しますよね。
これも褒めていることになるんです!
子どもが今していることがOKなら、それをそのまま言葉にしてあげるといいでしょう。
「お着替えしたんだね」
「おふろ入ったんだね」
「ごはん、モリモリ食べてるね」
すごいね!と言わなくても、お母さんが子どもの行動を言葉にして認めることで子どもは安心します。
お母さんに認められた行動は、子どものなかで正しい行動とインプットされます。
ですから、次回からは自信を持って、子どもが自分から行動に移すことができるんです!
この方法は、実は子どもが小さくても大きくても使えて、とても便利なんです。
子どもが小さい場合は、子どもの行動をお母さんが言語化することで言葉の理解がすすみます。
一方、子どもが大きいと、小さい頃のように「すごい!」と連発して褒めるのは少し違和感がありますよね。
思春期に入ると、子どもも周りの友だちと自分を比較して自分の能力を判断しはじめます。
お母さんが「すごい!」と言っても、「○○君の方がすごいし…」と卑屈になってしまうことも…
そうなると、お母さんが褒めてもストレートに伝わらないかもしれません。
その点、子どもの行動をただ言葉にするだけだと、評価ではなく事実を言っているだけ。子どもがお母さんの褒め言葉を素直に受け取りやすいんです。
◆子どもに興味や関心を示す褒め言葉
子どもがやっていることや好きなことに興味や関心を示すというのも褒め言葉になります。
「何を描いているの?」
「そのゲーム面白いの?」
「何を作っているの?」
自分がやっていることに対して興味を示してくれるというのは、お母さんがお子さんに関心があるよ!君のことを知りたいよ!というメッセージになります。
自分に興味を示してくれるというのは誰しもうれしいことですね!
小さいときには何かするたび
「お母さん、見てて!」
と、天真爛漫にいつも言っていた子どもも大きくなると、そう言った発言はしなくなりますよね。
子どもがそんな発言をしなくなる思春期になっても、実は子どもは自分に関心を持ってほしいし、お母さんにはいいところを見せたいし、見ていてほしいものです。
もしお子さんが普段やっていることについて関心を示した時、お母さんが知らなかったことを教えてくれたら
「へえ~!知らなかったよ~!」
といった驚きのリアクションがあると、お母さんが自分の話に驚いてくれた!お母さんに教えてあげることができた!と感じ、さらに自信を持つことができます。
さて、ここまで褒め言葉のバリエーションをお伝えしてきました。
すごい!以外の褒め言葉をたくさんマスターしてたくさん使っていきましょう!
令和3年度が皆さまにとって素敵な年になりますように!
子どもの褒めワザ、まだまだたくさんあります。こちらの記事もどうぞ参考になさってくださいね!
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)