もうすぐ新年度ですね。発達障害で感覚過敏の特性を持つお子さんにとって学校の給食は苦手な時間かもしれません。特に一年生になるお子さんは入学前に解決できたら安心ですよね。そこで、「給食が不安」を解決できる、とっておきの秘策をお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害で感覚過敏のお子さんが給食に不安を感じていませんか?
2.娘が給食に不安を感じた理由
3.感覚過敏による好き嫌いはわがままではありません
4.給食への不安はこれで解決!上手な学校への伝え方
1.発達障害で感覚過敏のお子さんが給食に不安を感じていませんか?
もうすぐ新年度ですね。お子さんは小学一年生や新しい学年になるのを楽しみにしていますか?
新一年生は新しい学校生活に、進級するお子さんはクラス替えがあったり、担任の先生が変わる場合は緊張したり、不安な気持ちを抱いているお子さんもいるのではないでしょうか。
発達障害で感覚過敏の特性を持つお子さんの中には、「給食」に不安を感じているお子さんもいるかと思います。
・学校では必ず食べないといけないのかな?
・残したいと言えない…
・新しい担任の先生だと話づらい
・周りの子にどう思われるかな…
など、新しい環境に変わることでたくさんの不安が出てきますよね。
我が家の娘は2年生の3学期から「クラス替えしたくないな〜」と、軽い感じで不安な気持ちをこぼしていました。
そして、3年生になる直前のある出来事をきっかけに、給食への大きな不安を抱え学校に行きたくないと言い出したのです。
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2.娘が給食に不安を感じた理由
その出来事とは…コロナウイルスのための分散登校から帰ってきて来たある日のことです。
娘は帰宅するなりすぐに、「先生変わりたくない!変わるなら、学校やめる!」と大泣きし始めました。
よくよく話を聞くと、いつもは給食のときに「苦手な給食は減らしたり、残してもいい」と担任の先生が言ってくれていました。
しかし、コロナウイルスによる分散登校で給食の食べ方も変わってしまい、「減らしたり残したりするのに立ち歩いたらだめ」と言われるようになったとのことでした。
そして、大っ嫌いないちごを食べてきたそうなのです。
「クラス替えして先生が変わったら、今日みたいになるかもしれない。」
「お弁当の小学校に転向する‼︎」
「早く違う学校探してよ〜。」
と大絶叫し始めました。
娘は、果物のほとんどが食べられません。果汁風味のするゼリーやキャンディ等も大っ嫌いです。
「匂いが嫌だ」
「食べるとオエッってなる」
と言います。
これほど敏感で辛い思いをしている娘が、いつもとは違う状況で自分の気持を伝えられずに無理をして頑張ってきたのです。
その背景には…
・負けず嫌い
・なにごとも言われたことはちゃんとやらないと、と思う真面目さ
・自分が苦手なことを人に伝えるのが嫌
という娘の性格があります。
そのため、分散登校日の給食のいちごも、「食べられない、残したい」と言うことができずに頑張って無理やり食べてきました。
それでストレスを抱えた、新学期に新しい先生になったら毎日どうしようと不安になってしまったのです。
・アレルギーの子はお医者さんに食べちゃダメって言われているから食べなくていいけれど、自分は違う。
・わがままと思われる。
・自分が食べられないことを先生や友達に伝えることが恥ずかしい
と娘は思っているようでした。
人間誰でも得意不得意があって当たり前。
娘には、周りの人の苦手なことも許せる人になってほしいし、自分の苦手なことも伝えられる大人になってほしいと考えています。
そこで娘に
・わがままではないこと
・感覚過敏というのが原因であること
・今の担任の先生に相談すること
を伝えました。
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3.感覚過敏による好き嫌いは「わがまま」ではありません
脳に凸凹のある子どもに多くみられる特徴に感覚過敏があります。
脳は通常、生活に支障をきたさないように感覚をコントロールしています。しかし、うまくコントロールできない症状のことを感覚過敏と言います。
脳の特性なので、根性でどうにかなるものではありません。
感覚過敏には
・視覚過敏
・聴覚過敏
・嗅覚過敏
・味覚・食感過敏
・触覚過敏
といった5つの種類がります。
食べ物に関する感覚過敏は、味覚・食感過敏となり独特な食感や舌触りの食べ物が苦手です。
例えば
・ぬめぬめのキノコ類
・シャキシャキした感覚の果物や生野菜
・カレーやファーストフードの濃い味のもの
などがあげられます。
その人にとって口の中に入れた際の食べ物の感覚に不快を感じているのです。
・ただの好き嫌い
・極端な偏食
などと勘違いされやすいのですがそうではありません。
けしてわがままではないのです。
子どもの心身に傷をつけることになりますから、無理強いはしないでください。
頑張って無理やり食べて、ストレスを抱えてしまっては娘のように不安を感じ、登校できなくなってしまうかもしれません。
また、新一年生の場合は学校の様子も給食のことも分からず、どのように学校に伝えてよいのか悩まれているかたもいるかもしれません。
ですから、入学・新年度が始まる前に解決してお子さんを安心させてあげたいですよね。
次の章で、実際にわが子が安心することができた秘策をお伝えします。
4.給食への不安はこれで解決!上手な学校への伝え方
娘が不安を感じて大号泣した翌日、担任の先生へ娘のことを伝えに学校へ行きました。
状況を理解してくれた先生は、
・「いちごごときで学校へ来れなくなるのはもったいない」
・「果物くらい食べられなくても、何も気にすることはないよって○○ちゃんに伝えてください。」
とおっしゃってくれました。
ただし、先生によってはなるべく残さず食べてほしいと指導する場合もあるとのこと。そこで先生からあることを提案していただきました。
それは…「アレルギー調査票に、食べられないものを書いて提出すること」でした。
検査はしていないけど、食べると具合が悪くなりますって書けばいいです。そうすれば、担任の先生だけの判断ではなく、学校全体が配慮してくれると思うとのことでした。
私はそれまで、「アレルギーでもないのに、調査票に書くのはだめだ」と思い込んでいましたが、アレルギー検査で陽性でなくてもアレルギー症状がでる子どももいます。
娘だって、吐き気が出て大泣きするくらいなのですから、「その手があったのか!」と思いました。
我が家はこの先生の提案のおかげで、娘も落ち着き、給食問題での不安は取り除くことができました。
娘は食べられなくて困るのは果物だけですが、感覚過敏の影響でもっとたくさんのものが食べられなくて子どもの成長を心配されているお母さんもいらっしゃることでしょう。
食事は栄養をとるものであると同時に、食べることに感謝して楽しめるように教育していくべきだと思います。
もしも、給食が原因で学校が嫌になってしまうほどならば、苦手なものは食べさせるべきではないです!
他のもので栄養をとったり、その子が本当に美味しいと思えるような調理法で食べれるようになるのを試していけばいいんだと思います。
給食に不安を感じているのであれば、アレルギー調査票に記入するという方法で学校に伝えることを試してみてください。
入学・新年度の不安を乗り越えて楽しく登校できる子どもたちが増えますように。
給食は食べられるものを食べればよし!子どもが楽しく学校へ通う方法がわかります!
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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)