毎年春になると不安になるクラス替え。発達の特性によりクラス替えが不安な子どもでも、お母さんが不安に思わずポジティブに考えると楽しく学校に通えるようになるんです!先生へのお願いの仕方や新しい先生への心の持ち方についてお伝えします。 |
【目次】
1.コロナとクラス替えのダブル危機
2.クラス替えが不安になる理由
3.進級の不安を乗り越える3つのステップ
◆先生間の引継ぎを成功させる!
◆新しい先生に苦手と得意をセットで伝える
◆先生のいいところ探し
4.お母さんが先生と信頼関係を作れば子どもは安心!
1.コロナとクラス替えのダブル危機
新年度は、クラス替えがあったり担任の先生が変わる学校が多いですよね。
もしも、これから迎える新学期に新しい環境になったことで不安を抱えていたり、緊張してリラックスできない様子が見られていれば要注意ですよ!
新しい先生にまだ慣れなくて緊張してストレスが溜まってきたり、新しいお友達に気を遣って疲れていたり…
我が家の娘が2年生から3年生のクラス替えのときも、娘はとても大変な様子でした。
2年生の3学期に、ちょうどコロナウイルス感染症が広まりはじめたのです。
コロナウイルスへの恐怖、感染対策による新しい学校スタイルに娘の不安は増してしまいました。
一番問題だったのは給食の時間。それまでは盛り付けてもらう時に苦手な食べ物は少なくしてもらったり、もらわなくてもいいという約束になっていました。
けれど、一旦全部盛り付けられたものを取りに行くというルールに変わり、急に変わったことで「残していいの?どうやって残せばいいの?」とパニックに。
先生に自分から相談することもできず、無理やり食べて具合が悪くなってしまいました。
そんな辛さから「給食嫌だ、学校行きたくない」と、3学期からすでに休みがちになってしまい、食欲もなくなり、朝も起きにくくなっていきました。
しかし、3学期途中という時期にコロナ休校を迎え、休校期間をおうちで満喫していたため体調は良くなっていきました。
体調は元気に戻った娘でしたが、学校への不安を抱えたままでした。
通常だったらクラス替えに向けて心の準備ができる時期に、不安を抱えたままブツっと2年生が終わってしまったのです。
「クラスはどうなるのだろう」
「怖い先生だったらどうしよう」
「給食また食べたくないな…」
と、話すことが多くなりました。
2.クラス替えが不安になる理由
「新しいクラス楽しみ!」と毎年ワクワクできるお子さんもいる一方、なぜクラス替えが不安に感じてしまうお子さんがいるのでしょうか?
それは、子どもの生まれながらの脳の特性にあるのです。
自閉症スペクトラム(ASD)やHSC(Highly Sensitive Child)の特性をもつ子どもは、慣れないことに不安や恐怖を感じやすいです。
想像できないことに対して不安を抱えやすい子、あれこれ想像しすぎて不安になってしまう子、子どもによりいろいろなタイプがあります。
また、感覚過敏を持ち合わせていることも多いので、新しい環境での音や見え方によりストレスを抱える可能性が高いです。
そのため、新しい場所や新しい人に対して不安を感じやすいのです。
小さな頃から人見知りや場所見知りが強かったということがあるかもしれませんね。
不安を感じてしまうと、新しい先生や新しい友達に自分の感じていることを伝えることは難しいです。
学校での辛いと感じることを自分の中にためこんでしまう。
毎年そのような辛さを感じているため、クラス替えの時には過去の不安を思い出して不安が高まってしまうのです。
3.進級の不安を乗り越える3つのステップ
今の状態のままクラス替えになるのは危険と考えた私は、3つの対策を行いました。
◆先生間の引継ぎを成功させる!
まずは、進級前のクラス担任の先生に直接会って、進級後の担任の先生への引継ぎをお願いしました。
新しい先生には、進級1日目からすぐに適切な対応をしてほしい。
進級前の子どもの様子や特徴を知っているか知っていないかで、担任の先生の関わり方は違ってきます。
これまで担任を受け持ってくれた感謝を伝え、娘の特性や特性に対しての対処方法を記入したコミュニティブックを手渡し、新しい担任の先生にも渡して欲しいと伝えました。
◆新しい先生に苦手と得意をセットで伝える
進級してその日のうちに新しい先生に連絡し、前の担任の先生から引継ぎされているかを確認しました。
そして、私からも娘の不安な気持ちと、家でやっている好きなことについてお話しさせていただきました。
進級して3年生になってからも新しい先生で緊張していた娘。
娘の特性からくる気持ちを理解してくれた先生は、休み時間等に娘の好きな話題で声をかけてくれるようになり、緊張をときほぐしてくれました。
◆先生のいいところ探し
娘が先生に安心感が持てるようになる対策も行いました。
先生のいいところ探しです!
私が面談等で先生と話した内容を娘にも伝え、
「先生こうしてくれるって言ってたよ!優しい先生だね。」
「先生、話してくれてありがとうございますって言ってくれたんだよ。嬉しかったな。」
と、私が先生に対して好感を持てたところについても伝えるようにしました。
すると、次第に娘も学校で先生が声をかけてくれたりしたときに、嬉しかったと報告してくれるようになりました。
さらにそんな報告を、参観日や保護者会等で先生に会えたときに私から伝えるようにしていったんです。
「この間、先生に褒めてもらえてとっても喜んでいたんです!いつもありがうございます。」
という風に言うと先生も喜んでくれました。
そうすることで、先生も娘の気持ちをわかってくれて、娘が過ごしやすいような指導をしてくれてどんどん学校で過ごしやすくなっていきました。
4.お母さんが先生と信頼関係を作れば子どもは安心!
コロナとクラス替えというダブル不安を抱えてピンチを迎えた娘でしたが、「あの不安はいずこへ?」というほど元気に学校へ通っています。
クラスでの係活動を積極的にやったり、困ったことがあっても自分で先生に言えるようになったり。気持ちの面でとても大きく成長しました。
学校生活を楽しく過ごすためには、身近な人を信頼できるようになること。
まずは、お母さんが先生を信頼できるように、先生のいいところを探して言葉に出して伝えていきましょう。
お母さんと先生の信頼関係が強くなると、子どもも先生を信頼できるようになり、楽しく安心して自分の得意を発揮してすごせるようになりますよ。
ぜひ、親子の会話を増やして、学校が味方になってくれるような作戦会議をしてくださいね。
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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)