21世紀を生き抜くためにネットを使い調べる力は必要不可欠。ですが、あまりにたくさんの情報を自由に取り入れられる状況に、子どもは間違った情報を信じてしまうのではないか…と不安になりませんか?ネットを使いながらも自分にとって必要な情報にたどり着く力の養い方をお伝えします。 |
【目次】
1.ネットは子ども達の調べる力を高めてくれる
現代はインターネット(ネット)にたくさんの情報が溢れています。
わからないことがあったら、スマホでキーワードを入力すれば大量の情報があがってきて、クリックひとつで知りたい情報を手にすることができますよね。
子どもたちも、小学校中学年頃になれば一人でネットで調べることができるようになります。
発達凸凹キッズにとっては、苦手なことを助けてくれる重要なお助けアイテムでもあるネット。
わからない漢字や英語の意味を調べたりするのは、辞書を引くよりもネットで時間もかからずたくさんの語彙に触れられるのでいいですよね。
また、問題解決力、ICT活用力といって、デジタルメディアを使って調べたり自分の意見をまとめたりする力を身に着けることが、これからの21世紀を生き抜く子ども達には必要不可欠です。
文部科学省でも、21世紀に必要な能力としてこのように提言しています。
21世紀の知識基盤社会で求められる能力(21世紀型スキル)としては、情報創造力(こと創り)のほかに、批判的思考力、問題解決力、コミュニケーション力、プロジェクト力、ICT活用力等がある。
これからの時代にICTを使いこなして将来活躍できる大人になるためにも、おうちでも気軽に使えるネットを活用して楽しく効率的に学んで欲しいなと思います。
ネットを活用することで、読み書きの苦手な子や勉強嫌いな子が学校の授業で苦手感を募らせるだけでなく、自分の得意なことに打ち込むことができるようになったら、発達凸凹キッズ達の活躍の場が広がるだろうなという期待感が高まりますね!
ですが、子ども達が何から何までネットの情報を信じてしまうようになったら…という不安もありませんか?
2.子どもがネットリサーチすることの危険性
我が家では、パソコンやiPadなどのネットにつながるものを視聴する時間は自分で決めてもらっています。
時間制限しない理由は、YouTubeなどの動画は、視覚優位の息子にとっては教科書代わりの役割を果たすこともありますし、アプリ等で勉強したり学校や親が教えてあげられないことも学べることが多いと感じているからです。
私が子どもの時代であれば、ニュースを見たかったらニュースの時間にテレビをつける、好きなドラマを見たかったらその時間にテレビを見るという具合でした。
けれども今の子どもたちは、
「これってどういうこと?」
「この前見た動画をもう一回見たい!」
と思いついた瞬間に情報にたどり着くことができています。
「便利な時代だな〜」と思う反面、「ちょっと、大丈夫?」と心配になることもありました。
ネットで見た情報を正しいと鵜呑みにして、それが真実ではないかもしれないという視点がまったくないということがあったのです。
例えば、
「日本の水道水は、海外に比べて塩素量が多いんだって!塩素は毒だから絶対水道水は飲んじゃダメなんだよ。」
と息子が言ってきたことがありました。
確かに、海外に比べて日本は水道整備が整っていて、塩素消毒のおかげで安全に水道水を使える国です。
塩素自体は毒性がありますが、水道水に残留している塩素量は地方によって違いますし、我が家がある地域は割と水道水をおいしく飲める地方です。
発達に特性のある子ども達の中でも、とりわけアスペルガータイプの子どもや、ギフテッドのように高い知能を持つ子ども達は興味のあることへの探究欲求が強いです。
ひとたび、ネットを使いこなせるようになると、どんどん自分の興味の赴くままに知識を吸収していきます。
そのため、お母さんが知らない間に知識を取り入れて、間違っているかもしれない、自分には当てはまらないかもしれないという認識なくネットの情報を信じてしまうことが起きやすいと思うのです。
それはかなり危険だと思いませんか?
3.子どもが正しくネットリサーチできるようになるために
子ども達がネットの情報に振り回されるのではなく、ネットをうまく活用しながら大人になっていくために、私たちはどのように関わったらよいでしょうか。
◆親子で会話できる関係をつくっておく
ネットの情報で子どもが間違った知識を持ってしまっても、普段からお母さんとのコミュニケーションを多くとれていれば、会話の中で間違いに気付ける機会が増えます。
お母さんが話しかけても、「うるさい!」と言われてしまうような状態では子どもがどんなことを調べているのかもわかりませんね。
子どもの話や行動を否定せずに肯定する機会を多くして、素直に会話してくれる状態にしておきます。
「今日面白かった情報はある?」
「お母さん、今日ネットでこんなこと見てやってみたよ!」
などと、普段からネットで調べたことについて話し合う機会を作っておきましょう。
◆子どもの間違いを否定しない
子どもが話してくれた情報が、お母さんからすると「絶対間違ってる!」と思っても、頭ごなしに否定することはやめましょう。
否定されたことで傷つき、話してくれなくなる危険性が高まるからです。
もしも、子どもが間違っているんじゃないかな?と感じたら、
「それは何で調べたか教えて?」
「そう知って、どう思った?」
「お母さんは違う記事で〇〇って言ってたのを読んだんだけど、本当はどうかなぁ?」
などと、情報の元になったものを確認したり、もしたかしたら他の情報もあるかもしれないということに気づかせてあげましょう。
子どもが気づいてくれたら、「今度は本で情報さがしてみようか」と色んなものから調べてみて、どの情報がより信頼できるのかを話し合ってみましょう。
4.親子の対話で調べる力が更にアップ!
我が家でも、「塩素危険=水道水は飲んじゃダメ!」と思い込んでしまった息子と一緒に対話を続けていきました。
・塩素の成分の危険性
・海外では水道整備されている国はどれくらいあるのか
・水道水に残留している塩素量の基準はいったいいくらなのか
・自分が暮らしている地域の残留塩素量はどれくらいなのか
ということを、ネットや本を使って調べることで、「僕の家では浄水器をつけているから水道水を飲んでも大丈夫かな」という意見に落ち着きました。
大事なのは、正しい情報を子どもに押し付けることではありません。
正しい情報にたどり着けるスキルを身に付けさせてあげることです。
大人が正しいと思っている情報も、本当は正しくないかもしれない…ということが起きている世の中です。
災害が起きたときに、嘘情報が流れて買いたいものが買えなくなったことありましたよね。
子どもも、大人も、誰でも間違った情報を信じてしまうことはあります。
そのような経験を生かしつつ、わからないことがあった時、自分なりの答えを持てるように親子で情報を探せるようになるといいですね。
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執筆者:すずき真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)