すぐに「疲れた」とお子さんが呟いていると心配ですよね。中でも、お買い物に行くと疲れる様子がないですか?お子さんが疲れやすい裏にはちゃんとした理由があるのかもしれません。お母さんがお子さんの疲れる原因を発見できる言葉がけをお伝えします! |
【目次】
1.買い物へ行くと疲れる娘にあきれる私
対した活動もしていないのに、すぐに「疲れた…」と言うお子さんはいませんか?
お母さんよりも元気で体力のあるハズの子どもが、すぐに疲れやすい場合、親としてはとても心配になりますよね。
もしかすると、怠けてる?
すぐに疲れやすいのだから、もっともっと体力を鍛えさせなきゃ!と、お子さんに活を入れようとしていませんか?
実は私自身が、お買い物へ行くとすぐに疲れる娘のことをそのように思っていました。
発達障害 自閉症スペクトラム(ASD)・HSC傾向の娘は小学4年生の頃からスーパーマーケットやショッピングモール、ドラッグストアーなどへ買い物に行くことを拒むようになったのです。
家にじっとしているよりも身体を動かすことが好きでこだわりが強い娘は、できれば自分で選んで決めた物を使うことの方が安心できます。そして、一緒に出掛ける前はとても楽しみな状態。
ところが、いざ買い物の場へ到着するとショッピングにワクワクな状態のはずが、テンションはみるみる急下降していきます。
娘はショッピングモールの通路を一緒に歩いていても、決して楽しそうには見えずキョロキョロと周りを見ながらいつも動揺している感じでした。
そして、つい10分前にお店に到着したかと思いきや疲れる様子でお買い物中には、頻繁に
「疲れた…」
と、溜め息をついていたのです。
当初、娘が何故そんなに疲れやすいのかわかりませんでした。
2.本人以外は理解できない苦痛とは
発達障害の子ども達の中には、疲れやすい傾向を抱えこんでいる場合が多くあります。
疲れる主な原因の1つは感覚過敏。
感覚に過敏性のある子は、目からの情報、耳、肌、臭い、味覚という感覚機能が敏感であったり、情報の取捨選択をすることができないというような特性があるのです。
そのため、周りの子たちよりもストレスにさらされている場面が多く、普段の生活の中でも神経をすり減らしやすいのです。
娘はお買い物中に、
「音がいっぱい」
「音が大きすぎてうるさい」
と、よく訴えていました。
ショッピングモールでは隣り合うショップ毎に流れる曲が重なり合うと敏感に反応したり、音楽が流れる上からアナウンスがかかるといった複数の音声が混ざる状況に困惑していたのです。
その他にも、スーパーマーケットの商品陳列棚を見ると、
「目がチカチカする」
天井が高く真っ白な明るいライトが沢山付いているような空間では、
「まぶしい…」
そして、人の混雑や会話にも落ち着けない様子でした。
このように、発達障害の子は頭や心、体をフル回転させて、たくさんのエネルギーを消費している可能性があるのです。
そして、無意識に多くの情報量を一度に処理してしまうことが、疲れる起因だったのです。
しかし、このような困難を抱えていても、買い物が疲れるのウラに潜む苦痛は本人でないと理解できない壁があるのです。
3.子どもの「疲れた」のウラの意味を発見できる言葉がけとは!
私も、娘がいったい何故こんなに疲れるのか?何に困っているのか解りませんでした。
楽しみにしていた買い物へ行っても、何度も「疲れた」という言葉。
そして、帰宅後の一言も「疲れた…」が決まり文句でした。
私は、お買い物へ行った事に対して毎回疲れる娘へ不満を抱きながら、
「せっかく買い物へ行けたんだから、疲れるよりも楽しかったの言葉の方がいいよ!」
と、娘の苦痛を理解するどころか、疲れる理由に気付けなかった私は反論の言葉を投げかけてしまっていたのです。
もしかすると、うちの子も感覚過敏があるのかも?!
と、思われたお母さんはこのような言葉を返してあげてみてはどうでしょう?
「〇〇ちゃんは、どんなことに疲れたの?お店の中って沢山の音が流れているからザワザワしていて疲れるよね?」
「お家の電気と違って、お店のライトって沢山あるから目が疲れちゃうかな?」
このように、お子さんが苦痛を抱えていそうな感覚過敏についての内容を入れたお返事をすることで、お子さんの疲れる原因を掴むきっかけとなるかもしれません。
感覚過敏で疲れる子どもは、その困難さを周りに理解されず軽くあしらわれたり、怠けていると勘違いされることはよくあることです。
しかし、本人の立場にたって理解してあげられる一番身近な存在のお母さんだからこそ、本人も気づいていないかもしれない苦痛を早期発見することができるのです!
そして、お母さんが一番の理解者となってくれることは、お子さんにとって代替できない最高の安心になるはずです。
是非、お子さんの「疲れた」の言葉だけに惑わされずに、その言葉に潜む意味をくみ取ってあげたいですね。
お母さんが一番の理解者となることで、お買い物が楽しい時間となるように工夫しながらお子さんを優しく見守っていきましょう!
疲れやすい子へ学校生活でしてあげれる配慮もご参照ください
感覚過敏についての記事を多数配信しています!
執筆者:おおむらさえ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)