GW明けの5月や天候が不順になる6月に発達障害やグレーゾーンの子どもは登校拒否になることがあります。なかなか改善がみられず、悩んでいるお母さんはいませんか?お子さんのためにお家でできる準備や声かけを紹介します。 |
【目次】
1.どうして登校拒否になるの?
5月〜6月は子どもの疲れがでてくる時期です。
ゴールデンウィーク明けごろから子どもが「学校にいけない」と言いだして、それが段々長期化してきて不安になってきたお母さんもいるのではないでしょうか?
発達障害のある子どもが次のような理由から、学校に行くことが辛くなりやすいです。
・感覚過敏
・新しい環境で見通しがつかずにつかれている、
・自律神経が弱く、気候の変化に体がついていけない
・得意不得意の差が激しく、学年の勉強がわからない
もちろん数日で回復して、普段通り学校に行ける子もいます。
しかし、登校拒否が長引いていたり、普段より荒れる、泣く、食欲がないなど、普段と様子が違うことが続く場合は子どもを楽にするためのお手伝いをしていくといいでしょう。
発達障害のある子どもを楽にするための、家庭で準備できる工夫を紹介したいと思います。
2.発達障害の子どもを楽にするために家庭で準備できること
●活動の見通し
この後の活動で、何が起こるかわからず、見通しがない事に強い不安を感じる子がいます。
この後の活動で、何が起こるかわからず、見通しがない事に強い不安を感じる子がいます。
時間割があったとしても、低学年だと自分で時間割を確認する事も思いつかない子もいます。
そこで、時間割やスケジュールをわかりやすい所につけてあげます。筆箱の開けた所に、今日の時間割りとその後のスケジュールを毎日書いてあげるとわかりやすくなります。
●体のマッサージ
気持ち悪い、おなかが痛いなど不調が強いとき、我が家では背中をさすったり、マッサージをしたりします。
気持ち悪い、おなかが痛いなど不調が強いとき、我が家では背中をさすったり、マッサージをしたりします。
皮膚に過敏があり嫌がる子もいますので注意してください。嫌がらない、気持ちのいい所をマッサージすると楽になります。
子どもにとって心地よい皮膚の刺激は痛みや、ストレスを緩和してくれるホルモン「オキシトシン」を出しやすくして、体や気持ちを楽にしてくれます。
我が家の長男の場合、うつぶせの状態で背中をさすってあげると、気持ちいいようでした。さらに直接向き合わないですむことで話しやすくなり、普段より落ち着いて、自分の感じていることを話してくれました。
今でも、本人が悩んでいて話がしづらそうなことがあるときは、マッサージをしながら聞いています。
●参加できる授業を子どもに選んでもらう
不安は漠然としていて、何が怖いか子どもにもこたえられないことも多いでしょう。
不安は漠然としていて、何が怖いか子どもにもこたえられないことも多いでしょう。
「何があったら学校にいけそう?」と子どもに聞いてみてください。
自分で答えがだせないときは、お母さんが選択肢をいくつか用意してあげてください。
「体育は見学にしたら、学校にいけそう?」
「2時間目からだったら、学校に行けそう?」
「保健室で自分でプリントつかってなら、勉強できそう?」
「お母さんと一緒ならいけそう?」
叱って無理やり行かせても、学校への拒否感がどんどん募っていくだけの場合もあります。
子どもが「できる」と言ったところから始めてみてください!
●学習プリント用意する
クラスは参加できなくても、別室なら登校できるときは、保健室、スクールカウンセラー、もしくは校長先生の部屋などで勉強の許可をいただける場合もよくあります。
クラスは参加できなくても、別室なら登校できるときは、保健室、スクールカウンセラー、もしくは校長先生の部屋などで勉強の許可をいただける場合もよくあります。
学校の教材でもいいのですが、本人が取り組めない可能性もあります。子どものできる程度に合わせて学習材料を持たせて取り組むと安心ですよね。
我が家では学校の漢字テストを改造して、裏面に答えを書き込み、子どもが自分で答え合わせができるようにして持たせていました。
●ご褒美
また、学校で頑張ることで、楽しみが得られる準備をします。
また、学校で頑張ることで、楽しみが得られる準備をします。
我が家の長男が低学年で行き渋りになったとき、好きなロボットのシールを先生にお渡しし、頑張りがみられたときに渡すようお願いしました。
ごほうびシールで、子どもが先生によい感情をもって、信頼関係をつくっていくための手助けになればと準備しました。
学校での頑張りを認めてあげる声掛けやご褒美を用意したいですね。
3.発達障害や発達の気になる子どもに家でどんな声掛けを?
登校渋りの先が見えないと、お母さんも不安になったり腹がたち子どもを責めたくなってきたりすることもあります。
しかし子どももお母さんの期待に応えて学校にいこうと頑張っているのです。学校に行けないことで自分を責めている子もいるでしょう。
子どもが頑張っていることに気付いて言葉をかけてあげてください。できていることをそのまま言葉にして伝えたらOKです!
「今日は保健室でプリントできたね」
「保健室で見学する事を、きちんと先生に伝えられたね」
「今日は朝 自分で起きてこれたね」
「朝ごはん食べたね」
怒ったり、きつく注意するのは極力控えて、できて当然と思うことでも、取り組めていることを伝えてあげてください。
お母さんが子どものできていることに注目すると、子どもに少しずつ自信がついていきます。
不登校の支援者団体の責任者がこんなことをおっしゃっていました。
「何かができるようになったから学校にいけるのではなく、自分が大丈夫と思えるようになったら学校にいけるようになる。」
やるべきことをやっていないと思われるこの時期こそ、できて当たり前と思われることに声をかけて子どもを認めてあげてください。
それが、頑張っている子どもの心を支えてあげる言葉となります。
発達障害や発達の気になるお子さんのために、できそうなことから取り組んでみていただければと思います。
執筆者:森富ゆか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)