不安が強い発達障害・グレーゾーンの子どもにとって、初めてのことや運動会などの学校行事は、親子ともに心配ですよね。苦手な学校行事を乗り切るためのコミュニケーション法、そして学校行事を乗り切った経験を最大限に生かす方法を教えます。 |
【目次】
1.不安の強い発達障害・グレーゾーンの子どもが初めてのことや、苦手なことに挑戦するときの注意点
2.子どもが苦手な運動会に「行きたくない」といったときにかけてほしい言葉
3.苦手な運動会を乗り切った経験を最大限に生かす方法とは?
1.不安の強い発達障害・グレーゾーンの子どもが初めてのことや、苦手なことに挑戦するときの注意点
発達障害・グレーゾーンのお子さんで不安感が強いタイプの場合、学校行事は大きな課題になります。親子ともに心配な行事のひとつとして、運動会があげられると思います。
私の息子も先日、小学校初の運動会を経験しました。当日朝は、「行きたくなーい!」「運動会って、見世物みたいじゃん」と言い始めてしまって…どうしようかと思いましたが、なんとか家族の声かけで学校に向かうことができました。
私の子どもは何かをする前にとてもパワーを使います。そのため出だしでグズってしまうことも多いのです。昔の私ならここで言い合いになってしまって、親子共々ドッと疲れる…というパターンを繰り返していました。
しかし、発達科学コミュニケーションを学んだ私は、なぜ出だしでグズってしまうのかが分かるようになりました。今ではけんかすることなく落ち着いて対応できます。
何かをするとき、脳のなかではたくさんの酸素を使います。だから疲れちゃうんですよね。
これは大人も子どもも誰でも同じです。ですが、発達障害やグレーゾーンの子どもは余計にパワーを使うのです。その理由は脳の発達に関係しています。
この出だし、つまり、始まりを乗り越えさえすればきちんとこなしていける力はあるのです。ではどのような言葉かけをすれば出だしをスムーズにすることができるのでしょうか?
2.子どもが苦手な運動会に「行きたくない」といったときにかけてほしい言葉
ADHD傾向の子どもには、今から起こることのドキドキ感ワクワク感を与えてあげましょう!好奇心旺盛なので「運動会って、みんなに注目されてかっこいいね!」とか「お母さん、〇〇をずーっと見てるからね!」という言葉が響きます。
逆に保守的な自閉傾向の子どもには、未来を予測させるより頑張ってきた経過・過去を話してあげます。
「今までがんばったダンス、それを見せてね。」「今日まで、よく練習がんばった!あれだけのジャンプができるんだから大丈夫!!」という感じで、言葉で具体的に表して心の中を整理してあげてください。今までやってきたことで大丈夫という自信をつけてあげてください。
そうすることで「そうだな。やってきたもんね!」と子どもが思えるように声をかけてあげましょう!いかにも簡単にできてしまうように、ハードルを低く低くするのがポイントです。
子どものタイプによって話しかける言葉も変えていくと心に響き、脳に届くんです!
3.苦手な運動会を乗り切った経験を最大限に生かす方法とは?
運動会を乗り越えてほっとしていますよね。でも、ここからがお母さんの腕の見せどころです!
不安が強い子は保守的なので新しいことや初めてのことが苦手です。
苦手で好きでもない運動会に参加した息子はどうなったでしょうか?一生懸命全部の参加種目できていました。私が思っていたよりもずっとできていたんです。
できているのに不安が強い、理解しているのに不安が強い。このようなタイプの子どもが、学校の行事をこなすというのはとてもパワーを使っています。
ただでさえパワーがいるのに、不安を払拭するパワーも必要になります。ですから、余計動きたくないとなってしまうのです。
運動会だけではありません。遠足・参観・音楽会…不安の強い発達障害やグレーゾーンのお子さんは、行事のたびに普段以上に頑張ることになります。
ですから、行事が終わったら、こんなにも頑張って参加できたことをしっかり子どもに伝えましょう!
不安が強い発達障害やグレーゾーンの子どもは、完璧主義なところもあります。少しでもできないことがあると自信をなくしてしまうのです。
また、賢いがゆえに考えなくてもいいことまで考えてしまって余計に不安になったり、人からの何気ない言葉に過剰に反応してしまったり…自信をなくしやすいのです。
そして、ネガティブな記憶をいつまでも覚えてしまい、必要以上に不安に思ってしまう傾向があるのです。
そこで、お母さんの出番です!お母さんの言葉で不安な気持ちを軽くしてあげましょう! どのように伝えたらいいのでしょうか?
それは成功体験です。
不安が強い子には成功体験の記憶が一番大事なのです。成功体験が積み重なることで不安な気持ちも塗り替えられます。そうすると今後の活動がスムーズに行えるようになるのです。
「運動会、踊ってる時の手の動き、ピシッとしていて見てて気持ちかったよ。カッコよかったよ!」大げさなくらいに褒めてあげてください!
頑張ったことをできるだけ詳しく説明することで、子どもにどうよかったのか?ということが伝わり、より自信につながります。
そして、ここで一歩踏み込んでもうひとつ聞いてみてください。
「この運動会、かっこよかったことや、かっこよかった人っている?」という質問です。子どもは同級生の走りの早い子を言うかもしれませんし、上級生のカッコイイ演技や応援を言うかもしれませんね。
憧れを聞くことにより、その子のなりたい姿が分かります。できないかもしれないですが、その一部でもイイ!そこを目標にして次のステップへと声かけができるのです。運動会だけでなく、参観日でも音楽会でもぜひ、同じようにやってみてください。
この少し先をゆく人への憧れを脳に刻んでおくことで、自分の番になったとき、イメージがあるので行動しやすくなります。
そうすると力を発揮しやすいのです。不安が強い子に想像できないことをさせようとするとうまくいきません。しかし、想像できる記憶があると、動き・行動が全然違ってくるんですよ!
記憶力の高いお子さんが多いと思います。ぜひ子どもの憧れを家族でシェアしてみてくださいね!頑張ったことが自信になり、見て学んだことが次の目標・イメージ・活力になります。
こんな対応法が分かってしまうのが発達科学コミュニケーションです。 ぜひ、参考にしてくださいね!
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執筆者:今村裕香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)