【お悩み相談室】発達障害ADHD傾向の子どもが「すぐ怒る」ことに悩んでいます。イライラしないで上手に対応する方法はありませんか?

ADHD傾向の小学2年生の息子がいます。些細なことでもすぐ怒るので、妹が泣くことも多く母親の私がイライラしてしまいます。上手く対応できる方法はありますか?

 

7歳・男の子のママ

息子さんがすぐ怒り、妹さんが泣いてしまうとのこと、間に入るお母さんもイライラしてしまい当然です。私も同じ悩みを抱えていました。今回は我が家の息子の事例をご紹介して上手くいった方法をお伝えしますね。

発達科学コミュニケーション
リサーチャー さとうみな

 

【目次】

 

1.すぐ怒る息子と妹の涙が絶えない日々

 
 
「どうしてうちの子どもはすぐ怒るの?」
「また妹泣かせて!」
「こんな毎日嫌だ!もうどうしたらいいの?」
 
これは、かつて私自身が自分の子どもの様子を見て毎日悩んでいたことです。
 
 
私には、注意欠陥多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム(ASD)を併せ持った小学3年生の男の子と定型発達のおしゃべりな年中の女の子がいます。
 
 
息子は小学1年生の夏休み明けから学校生活が上手くいかなくなりました。息子のSOSに気が付くことができずに間違えた対応を繰り返してしまい、次第に「すぐ怒る」ようになってしまいました。
 
 
基本的に優しい性格の息子は妹の面倒をよく見てくれる頼もしい兄です。ですから、妹も「お兄ちゃん大好き」といって一緒にいたがることが多いです。
 
 
しかし、仲良く遊んでいるときは良いのですが、ちょっとしたことがきっかけで「すぐ怒る」息子の言動に娘が泣いて大騒ぎになるということがたえない日々になったのです。
 
 

 
 
特に、朝や夕方の忙しい時間は私自身に心の余裕がなく、
 
 
やめなさい!」
「どうしてすぐ怒るの?!」
「もうしないって約束したでしょ」
 
 
などと感情的に息子を叱りつけてしまう…ということが当たり前になってしまっていました。
 
 
私が怒る
息子は泣いておとなしくなる…
また同じことをする
私が怒る
 
という悪循環になってしまっていたのです。
 
 
そして、私には叱りつけた罪悪感と疲れだけが残り、「またやってしまった…。」と後悔する日々にとても悩んでいました。
 
 
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2.発達障害の子どもがすぐ怒るのはなぜ?

 
 
発達障害の子どもの多くに、自分の感情や行動が上手くコントロールできないという特性があります。
 
 
特に、注意欠陥・多動性障害(ADHD)傾向の子どもの代表的な特徴として「衝動性」があります。衝動性は、「思い立ったらもう行動している!」という特性です。
 
 
この特性は理性よりも感情が先立って自分の感情や行動が上手くコントロールできません
 
 
ですから息子の場合
 
・今、自分がしていることを邪魔されて嫌だ
・自分の物を触られたくない
・自分が最初にやりたい
 
と感じたら、怒りがすぐに出てしまい抑えられないのです。
 
 

 
 
その結果、すぐ怒るという行動で相手を責めてしまうのです。
 
 
怒ってしまった本人にもコントロールできないことであり、「またやってしまったというどうしようもない感情がわきます。
 
 
これは子どもが自信をなくし自己肯定感を下げてしまうことにもなります。
 
 
そこでさらに親から怒鳴られたり叱られたりすると、子どもの気持ちはますます悪いほうに向かっていきます。ですから、子どもが自信を失わない対応をすることが大切です。
 
 
「子どもがすぐ怒る→叱る→自己肯定感が下がる」
 
という負のスパイラルができあがってしまうと子どもも親もイライラに悩まされることになります。
 
 
では、どのようにしたらよいのでしょうか?
 
 
次の章で、わが子に行ってみて効果的だった対応をご紹介しますね。
 
 
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3.わが子の気持ちの切り替えスイッチを見つけよう

 
 
我が家の息子に効果的だったこと。それは、息子に期待することです。
 
 
息子と娘が仲良く遊んでいても、ちょっとしたことがきっかけで息子がすぐ怒り、娘が泣いたら、まずは娘に次のように声をかけました。
 
 
「お兄ちゃんきっと○○してくれるはずだから少し待ってみよう!」と息子に期待する声がけを娘にしたのです。
 
 
5歳にもなると自分の意思も強く、良い悪いもそこそこ分かっている娘なので、そこですぐに機嫌を直すわけではありませんが、なだめながら待ちます。
 
 

 
 
息子に直接声をかけるのではなく、泣かされた娘に声がけをするのがポイントです。
 
 
怒りで興奮している息子に声をかけてもなかなか聞き入れてくれませんが、私と妹の様子は気になるので私の声は聞いています
 
 
ですから、息子は「そんなことしない!」なんて口では言いますが、数分後には恥ずかしそうに
 
「はい、いいよ」
「○○してごめんね」
 
などと言って気持ちを切り替え、娘の機嫌を取るようになりました。
 
 
発達凸凹キッズの息子は、
 
・誰かに頼りにされたい
・ほめられたい
・優しくして喜ばせたい
 
という気持ちも強く持っています。
 
 
ですから、「きっと○○してくれるよ」という言葉に、自分で怒りを鎮めて気持ちを切り替えることができるようになってきたのです。
 
 
息子の気持ちの切り替えができるスイッチのポイントが分かると、兄妹げんかが始まっても以前のようにイライラすることも大きな声で叱ることもなくなりました。
 
 
 
 

 
 

4.対応を続けた効果と親子の成長

 
 
このような対応を続けているうちに、以前よりもちょっとしたことで息子がすぐ怒らなくなったと感じるようになりました。
 
 
そして、息子自身も「僕、怒るの我慢したよ。」と小さな声で私に伝えてくることもあります。
 
 
これは、息子が自分の感情をコントロールすることができてきたということです。
 
 
そして息子自身も「怒らない」ということを意識できてきているということでもあります。
 
 
親子ともに成長していることを感じることができ、小さな声で自分の気持を伝えてくれる息子を受け止めることもできるようになりました。
 
 

 
 
体調の変化や疲れで、衝動的にすぐ怒ることはあります。しかし、子どもも大人も完ぺきではないのですよね。私も間違えた対応をしてしまうことがまだまだあります。
 
 
うまく対応できない時があっても、いつまでも落ち込まずにすぐに笑顔で子どもに接することを心がけています。
 
 
このように私自身も気持ちの切り替えがうまくできるようになったのは、息子の特性を知って、どうしたら良いのか考えて対応してみることができるようになったからだと思います。
 
 
解決策は子どもの数だけあり、正解はありません。だからこそ、自分のお子さんの切り替えスイッチを見つけてくださいね。
 
 
発達科学コミュニケーションは子どももお母さんも成長できる、とっておきの学びです。
 
 
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執筆者:さとうみな
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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