不登校だから…と、学校に無関心になっていませんか?発達障害グレーゾーンの子に身に付けておきたいコミュニケーション力を伸ばす場は、家庭訪問でもできます。長期休暇明けのタイミングを期に、子どもの為にできる先生との連携方法をお伝えします。 |
【目次】
1.不登校の子は望んでない?家庭訪問の目的は安否確認だった
2.発達障害・グレーゾーンの娘も母も先生の家庭訪問がストレスの塊だった
3.子どもの脳を発達させていくメソッドの出会いから先生の見方が変わった!
4.対人関係が苦手な子が自宅でコミュニケーション力UPする方法とは!
◆長期休暇明けのタイミングに!先生とやりとりすべきこと
◆自宅で充分!安心できる子どもが成長する場
1.不登校の子は望んでない?家庭訪問の目的は安否確認だった
不登校のお子さんをお持ちのお母さん、学校の先生からの連絡や家庭訪問が苦痛なんです…なんて方いらっしゃいませんか?
実は今、文部科学省から学校へ不登校児童への支援について指示が出ていることをご存じでしょうか。
令和元年10月25日の文科省から「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」という通知が出されました。
この通知は、
・ 学校はプライバシーに配慮しつつ、定期的に家庭訪問を実施して児童生徒の理解に努める必要がある
・家庭訪問や電話連絡で児童生徒の安否確認をする
つまり、文部科学省から家庭訪問を積極的に実施して児童や家庭を支援していきましょうね!と、言われているのです。
通知がある以上、学校側も不登校児の家庭へコンタクトを取る必要があるのです。
2.発達障害・グレーゾーンの娘も母も先生の家庭訪問がストレスの塊だった
私の娘は現在6年生。4年生から不登校生活をしています。
我が家にも学校から先生がいらっしゃるのですが、以前はこの家庭訪問にメリットを感じないばかりか、苦痛で仕方ありませんでした。
娘は自閉症スペクトラム(ASD)とHSCの特性があり、自分の気持ちを伝えることが苦手。敏感で繊細、集団が苦手で、人に慣れるまでにもとても時間がかかる子です。
不登校になった年のこと。担任の先生からは安否確認を理由に週1回の家庭訪問や電話をいただいていました。
この週1回のコンタクト、私にとっては「頻繁だ」と重荷に感じてしまったのです。
私は先生が頻繁に訪問されることで、玄関先での先生との会話を近所の人に聞かれないか?という周りの目が気になる。
見通しがつかないと安心できない娘にとっては、急な電話も急な家庭訪問も気疲れの要因に。
親子そろって、先生の家庭訪問がどんどんストレスになっていきました。
我が家と同じように、学校や担任の先生からのコンタクトがストレスになってしんどい…という方は多いのではないかと思います。
そこで、これから不登校中の子どもを持つ親が学校の担任の先生とどう付き合っていくべきか、私の経験からお話しさせていただきます。
3.子どもの脳を発達させていくメソッドの出会いから先生の見方が変わった!
先生から電話がかかってきたり、先生が家庭訪問すると、どうしても「先生が来てくださったから、挨拶だけでも…」と子どもに声をかけて、話をする機会を作る流れになりがちです。
けれども、これが子どもにとってはストレスになっていることもあります。
不登校になる子は、元々学校にいい思い出がありません。学校を直接思い起こさせる先生と話したい!という子は多くないと思います。
また、わが家のように不登校が1年以上続くと、学校に行くことなく進級を経験します。新しい先生のことなんて知らないし、頑張って話をして仲良くなる必要性も感じない…というのが本音ではないでしょうか?
私自身、先生が気にかけてくださることはとてもありがたいけれど、娘に必要なのは、先生の都合に合わせて半強制的に娘へ話をさせることではないと感じていました。
それよりも、不登校の間にも、子どもは身体も心も言語能力も発達していく大切な時期ということに私は焦りを感じていました。
子どもへ何をしていけばいいのか、色々な教育法や教材などを模索する日々…。
そんな中、わたしは発達科学コミュニケーションという、コミュニケーションで子どもの脳を発達させていく!という新しい切り口のメソッドに出会いました。
私にとって、全くの新しい考え方であり意外性がある内容だったのです。
私が発達科学コミュニケーションを学び始めてからは、驚くことに私自身の学校の先生との付き合い方が自然に変わっていきました。
あんなにまで、家庭訪問がストレスでたまらなかったにも関わらず、学校の先生はせっかく娘のことを気にかけて連絡をくださるのだから先生を上手く活用させてもらおう!という考え方になっていました。
では、具体的に私がどのような学校との付き合い方へシフトしていったのかお伝えします。
もしかすると、不登校のお子さんをお持ちのあなたにもオススメの方法かもしれません。
4.対人関係が苦手な子が自宅でコミュニケーション力UPする方法とは!
◆長期休暇明けのタイミングに!先生とやりとりすべきこと
私がまず担任の先生に対して取り組んだことは、娘のコミュニケーションブックを前もって先生へお渡ししたことです。
ポイントとしては、
・子どもの今の課題について
・課題に対しての家での対応法
を併せてお伝えしたことです。
先生へお伝えした当時の娘の課題は、自分の思いを言葉にして相手に伝えられるようになってほしい。コミュニケーション力をアップさせてあげたいということです。
「イヤ」や「やめて」、「~したい」というような否定や要求をストレートに伝えることができないことも不登校となった大きなキッカケでした。
このような娘の課題と、発達科学コミュニケーションから学び得た、娘が成長できた対応法も含めて先生へお伝えしました。
そもそも、発達障害 グレーゾーンの子どもへコミュニケーション力をつけてあげたい場合、一番初めはお母さんから。
そして徐々に1人ずつコミュニケーションの範囲を広げていくのが理想です。
そこで私は、コンタクトを取り合う頻度が多いなら、学校の先生に「2番目の人」になってもらおうと協力をお願いしたのです!
具体的には、家庭訪問の際に先生の時間に余裕がある時には部屋に上がってもらい、くつろぎながら子どもの好きな話や遊びを一緒にしてもらいました。
慣れるまでにわりと時間のかかる娘なのですが、先生と私との連携がしっかりとれていることで、先生の対応に娘も私も安心して過ごせる時間になったのです。
さらに、こんなことまでも対応してくれました!
◆自宅で充分!安心できる子どもが成長する場
同じクラスの娘とわりと仲良しの子が中心となり、もちろんコロナ感染にも気を付けながらクラス全体の動きで自宅に同級生が遊びに来てくれるようになりました。
私が聞いた話では、給食時間にメンバー決めをしていたようです。そして、翌日に娘との出来事を先生に報告しているようです。
先生は学校外のことに関しては責任をとることは難しい中、高学年でもあるのでクラスの子が先生としっかりコミュニケーションをとることで上手く連携ができている状態でした。
もしかすると、わざわざ子どもの間に先生を挟まなくてもいいんじゃないの?と、思う方もいらっしゃるかもしれませんが、先生が間に入ってくださることにこのようなメリットがありました。
・クラスの子に直接連絡をとれないので、学校を通じて連絡を取ることができる
・不都合な点は、先生からクラスの子へ伝えてもらうことができる
子ども同士なので、対大人のように娘にとっては上手くいかないことがあります。
例えば、子ども達と交流できることは親としては嬉しいことなのですが、人数が多いと娘は抵抗を抱いたり、同級生と2、3時間同じ空間に居るだけで精神的にグッタリ疲れてしまったりすることもありました。
先生とクラスの子ども達との関係が良好だったこともあり、このような娘の負担は先生へお伝えしながら調整していくこともできました。
このような先生のご協力のお陰で、学校に行っていなくても子ども同士の交流があることで娘の対人関係の力は明らかに向上していくことができたのです。
最初は安心できる自宅でも、クラスの子が来ることに対して緊張して顔がこわばっていた娘でしたが、男の子に対しても安心して過ごせるようになりました。
このように、安心できる自宅のスペースを活用するだけでも、対人関係を向上させることへのハードルはとても低くなります。
自宅だと、側にお母さんが居るので対人関係の苦手な子にとっては不安も軽減されるので、無理なくステップアップをしていくことができます。
ここまでしてくれる担任の先生も珍しいのかもしれませんが、しっかり先生と連携を取る体制をこちらから提示することで娘は大きく成長することができました。
もしかしたら、実は先生も不登校の子どもたちにどう接していいのか困っているのかもしれません。
「ブラック」と言われるほど、先生のお仕事はとても忙しいもの。普段のお仕事に加えて、普段学校に来ない子のことをどこまで気にかけられるか?と考えれば、当然目の前のことが最優先になってしまって当たり前です。
対応が事務的だと感じてしまうのは、このようなことも原因ではないでしょうか?
だからこそ、不登校中でも子どもをグーンと成長させる時間にするためには、お母さんが先生との交流を深め、こんな風に対応してほしい!と明確に伝えることがポイントになります!
2学期がスタートした今のタイミングに、どんどん学校を活用させてもらうことも頭に入れてみてはいかがでしょうか。
お子さんの今の課題についての成長を応援してくれる場を1つでも多く確保していただけたらと思います。
早速、先生との連携に欠かせないコミュニケーションブックの準備をしてみてくださいね!
不登校の子どもが自宅でコミュニケーション力を高めていくコツをお伝えしています!
執筆者:おおむらさえ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)