学校からの手紙を出さない発達障害・グレーゾーン中学生のプリント整理法

中学校は教科ごとに先生が違い、渡されるお手紙の種類もバラバラ。「子どもが学校からの手紙を出さない」とお悩みのお母さんも多いのではないでしょうか。整理が苦手な発達障害・グレーゾーンの中学生が、プリント整理がうまくなる方法をお伝えします。
 

【目次】

 

1.中学生になると「学校からの手紙を出さない」問題の難易度がアップ!

 
 
「子どもが学校からの手紙を出さない…」このお悩みをお持ちのお母さん、案外多いのではないでしょうか?発達障害・グレーゾーンの子どもあるあるですよね。
 
 
小学生のころから、お手紙を持って帰ってくるということが苦手なお子さんはいると思います。でもこの問題、中学生になると難易度がアップするんです。
 
 
小学校の頃の救いは手紙を渡してくれるのが担任の先生1人、ということです。大量の手紙を渡されるかもしれませんが、担任の先生が帰りの会でまとめて渡してくれます。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもでも、それをカバンに入れてくれさえすればOK!帰宅後カバンをひっくり返したら、学校からのお手紙に出会うことができます。
 
 
これが中学校になると難易度が上がりまして…
 
 
1日6時間ある授業のたびに、別々の先生からプリントを配布され、帰りの会でもプリントを配布されるのです。子どもは、もうどう処理していいか分からず、机やロッカーの中にがっさり入れてそれっきり。
 
 
チーン…(母の心の中の音です)
 
 
我が家でも、小学校の頃はそこそこ手紙を持って帰ってきていました。ところが中学生になると、急に手紙の量が激減。
 
 
「中学ってこんなもんかな…」と思って保護者会に行くと、息子の机の中もロッカーの中もプリントで溢れかえっていました。これは家に手紙が届かないわけです。
 
 
 
 
中学生になって手紙を出さないと、こんな困りごとが起きます。
 
 
・授業で使う道具や教材の注文があってもわからない
 
・テストの日程がわからない(本人が把握していれば別)
 
・行事の予定がわからない
 
・提出が必要な書類や集金があってもわからない
 
 
きちんと把握していないと成績や生活態度に影響を及ぼす、つまり成績や内申点に影響が出てしまうという事態が起こるわけです。成績、内申点、というとお母さんも黙ってはいられません!
 
 
だから、「手紙は?」と毎日言いたくなるし、何度言っても手紙を出さないとなるとイライラするわけです。
 
 
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2.発達障害・グレーゾーンの子どもが、「手紙を持ち帰る」のを苦手とする理由

 
 
ではなぜ、発達障害・グレーゾーンの子どものなかには、こういった「手紙を持ち帰る」ことが苦手な子がいるのでしょうか?
 
 
簡単に3つの例を考えてみましょう。
 
 
①気が散りやすく、物事に集中できない。
 
→他に興味のあることがあると、そちらに気を取られ、手紙が放置される。
 
 
②面倒で楽しくないことに取り組むのが苦手
 
→「●●を△日までに提出」などの指示が書かれたプリントを見ても、「面倒だな」と感じるとそれに対する処理が働かない。結果、机の中にグシャっと押し込まれる。
 
 
 
 
③記憶、情報を整理する脳の処理が苦手
 
→1日を振り返ってどれだけのプリントをもらったか、どれを持って帰るか、整理できない。
 
 
こういった発達の特性によって「できないこと」がある場合は、ガミガミ言い続けるのはNGです。
 
 
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3.中学生が各教科の手紙も持って帰るようになる、お母さんの対応とは?

 
 
では、手紙を持ち帰らない子どもに、どうやって対応していったらいいでしょうか?例えばですが、このような対応は可能です。
 
 
お手紙専用ファイルを作って机の横にかけておく。
 
→プリントをもらったらすぐにその中に入れる。そのファイルごと持ち帰ってもらい家でお母さんと仕分けをする。
 
 
ただ中学生になると、その方法もなかなか難しくなります。我が家では「そんなファイル机の横にかけておくのは格好悪い」と言われました。
 
 
お子さんのタイプにもよりますが、お年頃の子どもたちはだんだん一筋縄ではいかなくなってきます。
 
 
そこで次に打った策は、学校の先生との連携です。週に1回の学年だよりだけは先生がファイルに綴じて、毎週末持たせてくれるようになりました。
 
 
学年だよりだけは我が家に届くようになり、それはとてもありがたいのですが…それ以外の1日6時間ある各教科のプリントは、どこをさまよっているのかわかりません(笑)
 
 
そんなわけで、即効性のある素晴らしい方法が見当たらないのが、思春期の「学校からの手紙」問題でもあるのです。
 
 
ところが今では、我が家の息子は学校の手紙を持って帰るようになりました。
 
 
「これ、学校に出すから明日までに書いておいて」と言って、渡してくれる!
 
 
「英語でこんな宿題が出て…」と、持って帰ったプリントについて家庭教師の先生に相談してる!
 
 
私が何をしたのかというと…
 
 
学年だよりのファイルを週1回持ち帰ったら「よく持ってきたね」と言い、1回でもペラリと手紙を出してくれたら「サンキュ」と言い、「今日は何の手紙かな?」と息子に話しかけるようにした、ただそれだけです。
 
 
もしかしたら100枚あるプリントのうちのたった1枚しか持ち帰っていないかもしれないですが、1枚持って帰ったことを肯定するのです。
 
 
いわゆる「スモールステップで褒める」の実践です。
 
 
 
 
「そんなちょっとのことを褒めるの?」とお思いかもしれません。でも、定着させたい行動は「肯定」するのが大原則!
 
 
親子のコミュニケーションには、子どもの行動の根本を変えるチカラがあります。発達障害・グレーゾーンの中学生にこそ、やってあげたい効果的なコミュニケーションを知っていただきたいと思います。
 
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執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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