子どもと会話していると、ママが話を聴いているのに、「話聞いてない!」とか「話聞いてよ!」と何度も言われた経験ありませんか。今回はママが聞き上手になって、しっかり話聴いているよ!と伝わる親子のコミュニケーションのコツをご紹介します。 |
【目次】
1.あなたの相づちはお子さんにきちんと伝わっていますか?
ママと子どもは、朝から晩までコミュニケーションをとりますよね!
子どもは、保育園や小学校であった出来事や聞いて欲しいことなど、その日あったいろいろなことをママにたくさんお話してくれるときがありますよね。
けれど、ママは話を聞いているのに、子どもから、「ママは全然話を聞いてくれない!」と言われて戸惑ってしまった経験はないでしょうか?
まさに、以前の私がそうでした。私には、診断はついておりませんが、発達障害グレーゾーン傾向の小学生2年生の息子と2歳の娘を持つママです。
私は、息子が何か話しかけてきたとき、私なりにきちんと応答しているつもりでした。
あるとき、息子の話に対し受け答えもしているのに、何度も息子にこう言われました。
「ママ、話聞いていないでしょ!」
「ママ、話聞いてよ!」
「ママは話聞いているよ!」と息子に伝えても、いまいち納得していない様子…。
私はそのとき家事をしながら息子の話を聞いていましたが、聞いていないわけではありませんでした。
正直そのときは、「聞いてるし!返事してるし!なんでこの子は分かってくれないんだろう」と思っていました。
しかし、このやりとりが何度か繰り返されたあと、息子に私の返事は伝わっていないことに気づいたのでした。
私としては受け答えしているつもりでしたが、私の中の「つもり」は息子に伝わっていなかったのです。
私の返事に対して、息子がどんな反応をしているか確認もせず、息子の方も見ていませんでした。コミュニケーションがお互いに一方通行だったのです。
せっかく親子でコミュニケーションを取っているのにお互いの言葉が伝わらないのは、ママにとっても、子どもにとっても、もったいないですよね。
そこで、私が返答する際に、少し意識してある行動を加えて受け答えをするようにしました。
すると、息子から「ママ、話聞いてない!」と言われる機会がぐっと減ったのです。ママの意識を少し変えるだけで、子どもにしっかり聞いていることを伝えることができるのです!
2.発達障害・グレーゾーンの子が「ママ、話聞いて!」と何度も言ってくるワケ
子どもの話に対してママは答えているのに、どうして伝わっていないのでしょうか。
それには、言葉では伝えられない顔の表情やジェスチャーなど非言語情報がカギになってきます。
「メラビアンの法則」という言葉をご存知ですか?
「コミュニケーションをとるときに、人間はどんな情報に影響されるのか」ということを検証したもので、それを割合で示しています。
アメリカのカリフォルニア大学の心理学者であるアルバート・メラビアンが実験をもとに1971年に発表した研究結果を法則したものです。
それによると受け取る情報を100%とすると
◆視覚情報(表情・視線・ジェスチャーなど)から55%
◆聴覚情報(声のトーン大きさ・話す速度や口調など)から38%
◆言語情報(話す言葉や内容)から7%
つまり目と耳からの情報を合わせると非言語情報(表情・声色・語調)が93%が占めているのです。ほとんどですよね。
例えば、ママが視線を合わせずに洗濯物などの家事をしながら子どもの言葉に答えているとします。
その場合、ママの「言葉の情報」は子どもの耳に入っておらず、結果、子どもは「ママは話を聞いていない」と認識してしまうのです。
私たち大人も、誰かと話をしているとき、相手が一切視線や表情をこちらに向けなかったら、真剣に話聞いていないんだろうなと感じるときありませんか?
大人もそう感じるのですから、子どもの場合はなおさらです。
さらに発達障害・グレーゾーン傾向の子どもは不安を強く感じやすいという脳の特性があります。
そのため、ママが答えても、子どもにとっては「ママが話聞いていないのでは…」といった不安を感じてしまうのです。ママが聞いているか確かめるために「話聞いて!」と何度も繰り返す場合もあるのです。
非言語情報は、言葉よりも大きなメッセージとなって相手に届きます。
だからこそ、子どもが「ママが話を聞いている」と安心できるように、ママが分かりやすく「聞く姿勢」をアピールするのが大切なのです。
3.子どもとコミュニケーションを取るうえで言葉より大事なもの
そうは言っても、ママは、家事に仕事など毎日やらなければならないことが多くて忙しいですよね。
子どもと真正面から向き合って、ずっと話を聞くというのは現実的に難しいですよね。
でも大丈夫!話をずっと聞き続けなくとも、大人が意識することで、子どもにきちんと聞いているのが伝わりやすくなります!
それは、まずは1分!親子の会話途中にときどき、子どもの肩に手をおき、話を聴くことです!5秒頭をなでてあげてもいいです。
「ときどき」というのがポイントです!子どもは、一度話しはじめるとずっと喋っている場合があります。
真正面から向き合って子どもの話を聞いていると、ママはそれ以外のことができませんね。ママは家事など他のことをしながら、子どもの話を聞くシチュエーションも多いでしょう。
そのとき会話の途中で、ときどき子どもに触れて話をしたり聞いたりするタイミングを作りましょう!
「ときどき」のタイミングは、ママの家事の合間であったり、話の区切りがいいタイミングなどで大丈夫です。
そして、2~3割増しくらい表情や声の抑揚を豊かに話すことを意識してみてください。子どもに触れるということは、その瞬間は、ママは家事などの他の作業の手を止めます。
触れる距離ですから、必然的に子どもの側に近寄ります。子どもの顔を見て、ママの表情もよく見せてあげましょう。
親の心が自分に向いていないと感じると子どもは「聞いて、聞いて!」と同じことを何度も話しかけてきます。
相づちは、「話を聞いていますよ」というアピールです。このアピールが、話している相手の承認欲求を満たし、安心感を与え、コミュニケーションを円滑にします。
短い時間でも、子どもに肩に手を置くジェスチャーをしたり、頭をなでてあげたり、非言語からアピールします。
それによって、子どもにママが話を聞いている姿勢を伝えることができます。
子どもとの距離が近いことは、ママが子どもを受け入れている証拠です。大好きなママからも認められている状態は子どもの自信にもつながります。
そんなことしたら、ずっと話を聞くことになるんじゃ…と思うママもいるかもしれません。しかし、「ママが話を聞いてくれている」と分かると、子どもは安心し、心が安定し納得します。
スキンシップをとることで、子どもに安心感や嬉しいなという気持ちが生まれます。これは子どもだけでなく、ママの中にも生まれるものです。
一緒の空間や時間を過ごす、会話に耳を傾けることで信頼関係が深まっていきます。親子の絆が深まるのです。
その後、ママが他の作業に戻ったとしても、子どもが安心していれば、「話聞いていない!」とはなりにくいです。
子どもの話を長時間ずっと聞き続けるのは大変ですが、「ときどき」ならばできそうな気がしませんか?
もし、体に触れられることに抵抗感のある子どもであれば、他の作業はしないで1分、子どもと視線を合わせて話を聞いてあげてください。
アイコンタクトはとても重要です。相手の目を見て話すことはその会話に集中していること、相手に関心が向いていることを表します。
子どもとのコミュニケ―ションで重要なのは時間の長さではありません。子どもに対して興味や関心、心を向けているかどうかです。
親子の会話を楽しむには、短い時間でも集中することです。相手をよく観察し、理解しようとすることです。
子どもを安心させることで、ママもその後の家事などの作業がはかどりますので、ママも楽になります。
まずは、試してみてくださいね!
ママが自分で子供を伸ばせるコミュニケーションについて提案しています
執筆者:なつきみき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)