幼稚園や学校から帰宅後、1日何があったか聞いても話をしてくれないから、子どもの様子が全然わからない。こんなお悩みありませんか?少しでも話が聞きたいですよね。今回は発達障害傾向の子どもが質問に答えてくれるようになる方法についてお伝えしようと思います。 |
【目次】
1.発達障害傾向の子どもが「今日何したの?」質問しても答えてくれない!
お子さんは、幼稚園や学校から帰ってきて、その日どんな一日だったのか教えてくれますか?
「今日何したの?」と聞いても、「わからない」「忘れた」
「楽しかった?」と聞いても、「うん、楽しかった」
園や学校での様子を知りたくて我が子に質問してみても、こんなそっけない答えしか返ってこない!
なにか少しくらい話してくれてもいいのに…こんな経験をしたことがある方、いらっしゃいませんか?
中には「○○ちゃんのお弁当が可愛かった」など、お母さんが聞いていない細かいことまで話す女の子がいたりしますが、特に男の子はあまり細かく話をしないかもしれません。
そもそも未就学児は、状況説明がまだ上手ではありません。特に発達障害傾向にある子どもは、
・質問の意図を理解できない
・時系列でエピソードを記憶するのが苦手
・自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手
ということもあります。
ですから、お母さんに質問されてもうまく答えられず、結果的にそっけない返事になってしまうことがあるのです。
そうは言っても、お子さんの園や学校での様子は気になりますよね?発達障害傾向にあるお子さんのお母さんは心配がつきないと思います。
実際私もそうでした。心配だからこそ間違った対応をしてしまっていたのです。
2.答えてくれない原因は聞き方とタイミングでした
幼稚園時代、我が家は園バスを利用していました。バスを利用している子はクラスも学年もバラバラです。
引率の先生から自分の子どもの1日の様子が聞けるわけではなく、本人に聞かないとその日一日何をしたのか、どんな様子だったのか、何も分かりませんでした。
そこで息子に質問をしてみても、「忘れた」「楽しかった」くらいしか聞けず、同じバス停の女の子に教えてもらって初めて、その日何をしたのか知るような毎日でした。
小学校に入学したら、もう少し話せるようになるかと思っていましたが、入学後も、質問に対する受け答えの内容はあまり変わらず…
一体なぜそんなに話してくれないのかが本当に分かりませんでした。
当時の私は、多動性注意欠陥障害(ADHD)傾向で不安持ちの息子が、学校で問題なく過ごせているのか、とにかく心配していました。
そのせいで、家に帰ってきてすぐ
「学校どうだった?」
「給食食べれた?」
などと、矢継ぎ早に質問してしまっていました。
そんな時は大抵、「楽しかった」「少し残した」と面倒くさそうな返事のみ。
登下校中のお友達とのトラブルや交通事情の心配もあり、しばらく学校まで一緒に行っていました。
決して近くない学校までの往復は、大人の私にとっても疲れるものでした。
それを実感したとき、ふと思ったのです。
新しい環境に適用しようと頑張り、重いランドセルを背負って帰ってくるだけでも大変なのに、疲れて帰ってきたばかりで、あれこれ質問されても、それに答えるのは面倒なはずです。
自分が心配なあまり、そんな当たり前のことにも気付けていませんでした。
このように私が間違った対応をしていたおかげで、息子は話をしてくれなかったのです。
トラブルなどがあれば、学校に電話して先生に聞けばいいかもしれませんが、特になにかあるでもない、日々のことが聞きたい!
どうにか本人から話を聞けるようにならないかなと思いました。
そこで疲れている時ではなくて、リラックスしている時なら話してくれるかもしれない!と思い、お風呂で「今日のお話タイム」という時間を作って、その日の様子を聞いてみることにしました。
すると、以前に比べたら少し話をしてくれるようになりました。ですが、
・気が乗らない
・お風呂の後に好きなTVを見る予定がある
・お風呂遊びをしている
と結局あまり話をきいてもらえず、うまくいきませんでした。
3.子どもが自分から話し出すお母さんの声掛けの工夫
お風呂での会話の経験から、
・リラックスしていると少し話してくれるー○
・他にすることがあると落ち着いて考えられないー✖
ということは分かっていました。
ですので、日の最後、お布団に入って寝るときに聞いてみるのはどうかな?と考えました。
今までと同じ聞き方ではダメかもしれないと思い、本が大好きな息子の特性を生かして、「今日のタカシ物語」として一日の出来事を物語風に言語化してみることにしました。
以前試した、
・お風呂で「今日のお話タイム」は質問形式
・「今日のタカシ物語」は子どもが主人公の物語形式
朝起きてから夜寝るまでの行動をそのまま、1つの物語風に仕立てます。
例えば
「タカシは朝起きて、TVを見てからご飯を食べました。そして元気に学校に行きました。」
「はい!じゃあ学校の様子は、お母さんわからないからタカシがお話してみて?」
「タカシは、1時間目は~をして~しました。2時間目は~して~しました…」
と、時系列で思い出しながら、その日の行動を話してくれるようになりました。
最近では、何が楽しかったなどの感想やお友達の様子を話してくれることもあります。
下校後から寝るまでは、また私が話します。
「おやつはポテトチップスを食べて、ゲームをしました」
「夕ご飯にはスパゲティを食べて、お風呂に入って、大好きな動物の絵本を読んで寝ました」
といった具合に。 慣れてきたところで、途中に母親の自分の気持ちを入れたり、いい行動があったときは、 大げさにならない程度に、ちょっとだけ褒めてあげたりすると、子どもが喜びました。
例えば、
「タカシがご飯を美味しそうに沢山食べてくれて、お母さんはとっても嬉しそうでした」
こんな感じです。 ポイントは子どもに話してもらうのは学校の部分のみです。
そうでないと、もともと話が苦手な子の場合は途中で疲れてしまうかもしれません。
質問形式は気を付けないと、どこか問い詰めているような感じになりかねません。
何で話してくれないの?とイライラした気持ちが雰囲気で伝わったり、つい語尾がきつくなったりしてしまうかも。
物語形式なら、「タカシは、~しました」と行動をありのまま言葉にするだけなので、 お母さんも穏やかに話をすることができます。
この時、あかりは消して暗くすることをオススメします。 暗い方が周りが気にならず集中して聞くことができ、思い出すことができると思います。
最近では、この寝る前の時間が息子にとって、その日一日何があったのか確認できる上に、褒めてもらえるいい時間になったようです。
起きてから寝るまでの行動を振り返るというのは、できたことをありのまま認める、肯定していることになります。
それが息子は嬉しいのか、寝るのが遅くなったときは絵本は読まなくてもいいから「今日の物語」は必ず読んで(話して)!とせがむほどになりました。
お母さんは子どもを寝かしつけてからも、やることがいっぱい。疲れていたら絵本の読み聞かせも大変。
のんびり話なんてする時間も心の余裕もないと、負担に思われるかもしれません。
ですが、実際に話をしている時間はほんの5分程です。
寝る前のほんのひと時、親子でお話ししてみませんか? お子さんが「笑顔」でおやすみなさいと言ってくれるかもしれません。
ぜひ、お試しくださいね!
ルールが苦手なADHDタイプの子にはコレ!
執筆者:ごみ ようこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)