発達障害の傾向があると、見る力が弱いということがあります。目標物をうまく捉えることができないなど、理由は様々です。見る力は生きていく上でとても大切。今回は、我が家でおこなっている読み聞かせをしながら、見る力を育てる方法をお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害と見る力の関係とは?
「見る力」と聞いて、何を想像しますか?一番身近なのは、視力を想像される方も多いのではないでしょうか?
視力は、見る力が数値で現れるのでとてもわかりやすく、対応もしやすいですよね。
しかし、ここでいう「見る力」とは、以下のようなことをいいます。
・見たいものをしっかり捉えて見ることができる
・見たものを情報として正確に認知することができる
・目の動きがスムーズにできる
などです。日常生活はもちろん、学習やスポーツにも関連する大切な力です。
発達障害の傾向があると、目の動きがスムーズにおこなえないなど、見たものを適切に情報処理ができないなどの関係でどうしても、見る力が弱くなる傾向にあると言われています。
現在、学校によっては実際の特別支援教育の中でも、取り入れられている支援方法の一つです。見る力を鍛えれば、発達障害の特性の緩和にもつながると言われるほどなので効果が大きいことがわかります。
とはいえ毎日、鍛えるためのトレーニングをしようとすると親子ともに時間も労力もかかります。いずれ限界を迎える日も来るでしょう!
そんな親子に朗報です!”ながら”で、鍛える方法があります。
今回は、読み聞かせをしながら、同時にお子さんの「見る力」を育てる方法をお伝えします。
我が家では読み聞かせをする際の2回に1回は取り入れています。ぜひ、親子の読み聞かせの時間を有効活用してくださいね。
2.どこを見ているの?と毎回聞いていた過去
ここで我が家の娘の話しをさせていただきます。娘は発達障害傾向があります。
ある日、娘と大きな都立公園を散歩していたときのことです。綺麗な花が咲いているのを見つけ、娘に「見て!あそこに一つだけ花が咲いているよ!」と指をさし伝えました。
「どれどれ〜?」と言った娘は私の指を刺した方を見ているはずでしたが、「ないよ!どこ?」と聞いてきたのです。
私からしたら、花はたった一つ!「すぐに見つかって当然でしょ!」という考えでした。
実は、このやりとり、1回や2回ではないのです…我が家の中では割と日常茶飯事なこと。
考えてみたら、常に「どこ見ているの?」と聞くことが多かったのです。見る力が弱いことが原因だったのでしょうね。
ここで、我が家でも娘の見る力を鍛えるトレーニングを取り入れようとしましたが、毎日のトレーニングははっきり言って大変!やる方も、やられる方も苦痛です。
面倒臭がりな私たち親子にぴったりな方法を見つけました。次項でお伝えしますね。
もうすこし踏み込んで、見る力を鍛えたいなと思う方はこちらもどうぞ!
3.見る力を同時に鍛える読み聞かせ方法
我が家では、読み聞かせの2回に1回ほどおこなっています。
”ながらトレーニング”を見つけるために様々な時間で試しました。その中で一番最適なのではないかと感じたのが読み聞かせの時間でした。
本を読むのだから内容理解が最優先でしょと言われるかもしれませんが、ここでは絵に注目します。
読んでいる最中に、絵の中から一つ目標物を決めてお子さんに探してもらいます。
先日も娘の大好きな「うみの100かいだてのいえ」でおこないました。
海から水面に上がっていく魚たちの中からアザラシを探して!
星の絵が書いてあるヤドカリはどこ?
などというように、読み進めていきます。
まずは内容理解が先!と思われる方は、同じ本を2回目に読むときや、お子さんがもう内容を理解している本などを使用してみてくださいね。
飽きさせないために、お母さんがお子さんに問題を出してもらってもいいですね。交互にやることも楽しいと思います。ついでにご自身の見る力をアップさせてしまいましょ!
地味なやりとりではありますが、これをコツコツと続けていくことでお子さんの「見る力」の中の、「見たいものをしっかり捉えて見る」ことにつながるトレーニングになります。
あえて、トレーニングさせられていることがわかると途端に意欲を失くす娘。この方法は少々遊びながらに近いので娘自身も苦痛にならずおこなえています。実際、目標物を探すスピードが明らかにアップしているのを実感しています。
そして、親の私も気が向いたページで取り入れているので、気分的に楽です!
同じ読み聞かせでも、やり方を変えれば身につけたい力を鍛えることができます。ながらで同時に欲しい力を鍛えてしまいましょう。
”ながら”で育てる子どもの「見る力」をお伝えしています!
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)