発達障害の幼児の「すぐ手が出る」を 解決!自ら考え動く子に成長させる、 お家でできる3つのポイント

 

ASD、ADHDと診断された「すぐ手が出てしまう」発達障害のお子さん、お友達と仲良くできているのかな?と不安を抱えているママも多いと思います。 攻撃性が激しくなる前に、お家でできる3つのポイントでお悩みを解決するだけでなく、子どもが自ら考えて行動するようになりますよ。

 

【目次】

 

1.我が家のASD×ADHDと診断された息子のケース

 
 
我が家には年中5歳の息子がいます。
 
 
生まれたときからとても敏感で、こだわりの強さを持っていたのですが、最初は年齢的なものかなと様子を見ていました。
 
 
しかし、「相手をたたく」「噛む」などの問題行動が次第に酷くなる息子に違和感を覚えるようになりました。
 
 
通っていた保育園からも受診を勧められていたので、3歳半の発達検診を通して、専門機関を受診し、自閉症スペクトラム(ASD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断が出ました。
 
 
診断では、特にASDが強いと言われ、「コミュニケーションの苦手さ」「こだわりの強さ」が主な特性です。
 
 
息子は、4歳になった頃が一番酷く、普段は明るく元気な息子が、癇癪を起こすと一変して暴力的になる状況でした。
 
 
特に主人とは折り合いが悪く、息子が癇癪を起こし暴れ始めると、主人が羽交い絞めにして制する。
 
すると、ますますひどく暴れ泣き叫ぶ息子。
 
激怒した主人が部屋に閉じ込めたり、家から引きずり出そうとする…
 
 
当時、私は妊娠中。激怒する主人の気持ちも十分にわかっていたので、どうすることもできず泣き疲れた息子を抱きしめることしかできませんでした。
 
 
いまでも思い出すだけで涙が出るほど、苦しい時間でした。
 
 
 
 
瞬間湯沸かし器のように急に態度が変わる息子に「今のどこが怒るポイントだったの?!」と当時の私は全く理解できず、頭を悩ませていました。
 
 

2.「手が出る」には理由がある。それは、発達障害の特性が原因かもしれません。

 
 

◆①不安感や不快感が強い。

 
 
発達障害の子どもは、「コミュニケーションの苦手さ」や「こだわりの強さ」から、相手の何気ない言葉や態度、何らかの刺激により不安感や不快感を抱えるようになります。
 
 
また、発達障害の子どもは、気持ちの切り替えが難しく、不安感や不快感を引きずったまま長い時間を過ごすこともあります。
 
 
さらに、不安や不快を感じた出来事に似ている体験をすることで、抱えている不安感や不快感が強く蘇り、反射的に手が出てしまう、というケースもあるのです。
 
 

◆②ストレスを抱えやすい

 
 
発達障害の子どもにとって、外での活動はとても疲れるもの。
 
 
外的な刺激に弱い発達障害の子どもは、環境の変化に敏感なため、ママが思っている以上に疲れやすく、ストレスを抱えやすいという特徴があります。
 
 
ママからすればとても些細な事、例えば
 
・遊んでいたころを急に邪魔された
・次から次へと「これやろうね」と指示をされる
・相手が自分のことを見てくれなかった
・自分のペースを乱された
・太陽の光がまぶしかった
 
などです。
 
 
最初は小さなストレスだったものが、積み重なって大きく膨らんでいくことで、ちょっとしたことでも敏感に反応してしまいます。
 
 

◆③ネガティブな記憶が残りやすい

 
 
ADHDの子どもは好奇心旺盛。お友だちが何かやっているところに「面白そう!」と急に割り込んでしまい、それを指摘されると怒って衝動的に手が出てしまうケースがあります。
 
 
そうなると、いつもお友だちに指摘されたり、先生から注意されたり、とネガティブな記憶が蓄積されてしまいます。
 
 
 
 
ネガティブな記憶の蓄積によって、自分が否定されていると感じ、衝動的に手が出てしまうのです。
 
 
いずれにしても、「すぐ手が出る」のは発達障害の特性が原因であり全く悪気はありません。
 
 

3.「すぐ手が出る」子どもに効果があるお家でできる3つのポイント

 
 
そんな状態だった息子も、今、5歳になり、優しく頼もしいお兄ちゃんとして、自分で考え、行動して、私を助けてくれるようになりました。
 
 
瞬間的に怒ることはあっても、すぐに自分で冷静になり、「〇〇が~だったから嫌だったんだ。だから怒ったの」と言葉で説明してくれるようになりました。
 
 
では、そんな劇的に変化させた方法とはいったい何だったのか!をお伝えしますね。
 
 
ポイントは3つです。
 
 

◆①刺激になるものを取り除き予防する

 
 
「手が出る」行動には必ず理由があります。どのような状況で、何が刺激になったのかを把握できれば、事前に予防できるとも言えます。
 
 
例えば、音や光など感覚的なこと、もしくはコミュニケーション、お友達やきょうだいに関わることが挙げられます。
 
 
実際、長男には感覚過敏があり、特に視覚が敏感です。
 
 
朝起きたときに、カーテンを開けている窓から差し込む光が嫌だった。これだけでも充分な理由に値します。
 
 
朝の「おはよう」が癇癪から始まることもしょっちゅうでした。
 
 
我が家では、カーテンを遮光からノン遮光に変え、本人の意識がはっきりするまではカーテンは開けないようにしています。
 
 
このように、原因を取り除くだけでもかなり効果があります!
 
 

◆②落ち着く環境をつくり、ストレスを緩和する

 
 
ストレスを緩和するために、家では安心して落ち着いて過ごせる環境を整えてあげることが大切です。
 
 
我が家の場合、しっかり睡眠をとって翌日に備えられるよう、20時過ぎると照明をダウンライトに変えます。
 
 
それまではテレビを見るなど、本人が好きなことをさせますが、時間になると「ムーディタイムだよ~」と言って明かりを落とすんです。
 
 
そこからは親子のまったり時間として、絵本を読んだり、本人が好きなおもちゃで遊んだり、今日のできごとを振り返ったりしながら眠くなるまで過ごします。
 
 
そして布団に入ってから「今日も花マルだったね。大好きだよ。また明日ね」と頭をなでるなどスキンシップをしながら伝え、眠るようにしています。
 
 

◆③肯定し記憶を書き換える

 
 
環境を整えたうえで、できたことを褒める。
 
 
褒めて、肯定的な注目を増やすことで、ネガティブな記憶をポジティブな記憶に書き換えていくことが可能になります。
 
 
例えば、
 
 
・朝、「おはよう!」と笑顔で迎え、「起きられたね」と声をかける。
 
・ご飯をきちんと食べられている時に「食べてるね」と声をかける。
 
 
など、肯定の声かけをし、ポジティブな記憶が増えることで、子どもに自信がつきます。
 
 
 
 
ママの肯定的な対応で、ママや家庭が子どもの絶対的な安心場所となり、不安感やストレスが和らぐことで、自信を取り戻していきます。
 
 
そして、その自信が、自ら動いてみようという意欲へと変わっていくんです!
 
 
お子さんが自分から積極的に行動してくれたら、それだけでお母さんの気持ちも軽くなりますよ。
 
 
 
 
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執筆者:仲田なぎさ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
 
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