| 10歳前後の思春期の女子はまさに難しいお年頃。情緒不安定でイライラするのは体の成長と脳の成長のアンバランスが原因。子ども自身も気持ちをおさめられず困っているかもしれません。今回は思春期の女子の情緒不安定をさらりと解決する対処法、お伝えします。 |
【目次】
1.10歳、思春期の女子の情緒不安定に振り回されていませんか?
2.思春期、10歳前後の女の子が情緒不安定になる原因
3.不安定なイライラを治す3ステップ対処法
◆ステップ1 ママの心の平静を保つ
◆ステップ2 私の時間を楽しむ
◆ステップ3 アドバイスはしない、まずは聞く
1.10歳、思春期の女子の情緒不安定に振り回されていませんか?
お子さんが思春期に入り始め、これまでと様子が違う、対応がうまくいかない、なんてことはないですか?
思春期は難しいお年頃かもしれませんが、ママの関わり方を変えることで子どもの不安定さも解消していきますよ。
わが家の10歳になる娘もいつの間にか子どもから大人への移行期に入っているようで、最近は特に情緒不安定になってきています。
例えば、お友達との関係。
学校からの帰り道でお友達から何か嫌なことを言われたのか、行き違いがあったのかは分かりませんが、帰宅後もイライラしていることがありました。
何度も思い出しては「一緒に帰ろうって言ったのに…」とブツブツ文句を言ったり、ドアをバタンと大きな音を立てて閉めたりと、気持ちがおさまりません。
しかも、イライラが爆発しているかと思えば、今度は1人でふさぎ込んでいるという風に、まわりからみても明らかに情緒不安定。

私も「どうしたの?何があったの?」などと話しかけてみましたが、突然「もういいから!」と怒ったような言い方をし、自分の部屋に閉じこもってしまいます。
そもそも、ネガティブな感情は頭に残りやすい、気持ちを引きずりやすいという特質があります。
ですが、今までとは違って感情の浮き沈みの度合いも大きく、今までうまくいっていた声かけをしても、感情がなかなか治まらないのです。
そんなわが子の様子に「思春期ってこんなに不安定なの?」「もしかしてこれがずっと続くの?」と心配でなりませんでした。
思春期のイライラは、一時的なものに見えても、そのままにしておくと「親子の会話が減る」「ちょっとしたことで関係が悪化する」などの負のループに入ってしまう ことがあります。
「うちの子、この先どうなるんだろう…」
「ずっとこんなに情緒不安定なのかな…」
「ずっとこんなに情緒不安定なのかな…」
と不安に感じてしまうのも、無理はありません。
でも、思春期のイライラには 必ず理由があり、正しい順番で関わると驚くほど落ち着く ようになります。
今回はその改善の“第一歩”を一緒に見ていきましょう。
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2.思春期、10歳前後の女の子が情緒不安定になる原因
成長に差はありますが、おおむね10歳くらいから女の子は思春期、第二次性徴期に入ると言われています。
この頃には、体つきが女性らしくなって丸みを帯びてくるという体の変化がみられ、初潮を経験する子も出てきます。
けれども、子どもは思春期の変化を初めて経験していくわけですから、自分の成長にうまく適応できない子もいます
そのため、普段以上に気持ちのバランスを崩しストレスも感じ、イライラしやすくなってしまうのです。

また、思春期で体が大人に移行する時期ということは脳もこれから、どんどん成長していくタイミング。
脳の中では、感情が沸き起こる扁桃体も、理性的な判断をする前頭葉もまだまだ成長途中なんです。
なので、大人ならバランスが保てる場面も10歳頃の思春期の子どもには難しいということが言えますね。
そのため、「嫌なことがあった」「不安なことがあった」となると過剰に反応して感情が暴走してしまい、自分ではうまくコントロールできなくなってしまうのです。
さらに、年齢が上がってくるとお友達との関係も難しくなってきます。
今までと違って周りのお友達が急に大人っぽい雰囲気になったり、会話の内容も抽象的な内容が多くなったり、複雑になってきます。
すると、話がよく分からないとか、テンポよく返事ができず会話に入れない、なんてこともあるかもしれません。
周りのお友達と比べては自分の不得意を認識し、できないところを過剰に気にして落ち込んだり、不安になりやすい時期なんです。
子どもにとってこのような様々な変化は今までに経験したことがないことでしょう。
ですが、気持ちの不安定さ、バランスの悪さを上手に説明したり、受け流したりする方法を10歳頃の思春期女子はまだ持ち合わせていません。
すると、このどうしようもない気持ちを、家族(特にママ)に文句を言って八つ当たりしたり、ときには暴れたりという表現をしてしまうのです。
こんな不安定な状態が続くと、ママとしても心配ですよね。
ここまでが、思春期の女子が不安定になりやすい“背景の仕組み”です。
ですが、実はこれは 感情の暴走を落ち着かせるための“ほんの入り口”にすぎません。
本当にイライラが治まり、「前より穏やかになった」「話をしてくれるようになった」と実感できるようになるのは、子どもの脳のクセや、その子の特性に合わせた関わり方を少しずつ調整していった時でした。
その具体的なポイントは記事の最後でご紹介しますね。
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3.不安定なイライラを治す3ステップ対処法
◆ステップ1 ママの心の平静を保つ
思春期の女子の情緒不安定さへの対応として、まず最初にやってもらいたいのが、ママがグラウディングを意識すること
グラウディングとは、簡単に言うと地に足をつけている意識で心を落ち着かせ、子どものイライラや不安な感情に振り回されないことです。
子どもが不安定だと心配なのは分かりますが、感情移入しすぎない。
この冷静な態度でいることが実は1番大切なんです。
小さい頃は荒れることがなかった子でも、思春期になると自分の感情をコントロールできずに物に当たったり暴言を吐くことがあるかもしれません。
けれども、そこに取り合ってしまうと、荒れたらママがなんとかしてくれる、だから嫌なことがあったら荒れてもいいんだ!という風にインプットされてしまうのです。
ですから、「あなたがイライラしていることなんて大きな問題じゃないよ」とばかりにイラついて荒れている子どもとは心の距離を保って、ママは平常心でいることが重要です。
◆ステップ2 私の時間を楽しむ
ただ、どうしても気になって、つい子どもの暴言に巻き込まれたり、子どものイライラに影響されるママもいるかもしれませんね。
そういうママにおすすめしたいのは、あえてこのタイミングでママの気持ちを子ども以外に向けること。
興味のあること、やりたいこと、楽しいことをする時間にしてしまうのです。例えば。
好きな動画を見る
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気になるキッチン周りの掃除
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など、子どもの感情とは全く関係ない行動がおすすめです。
すると、子どもは誰も取り合ってくれないのにいつまでも1人で感情を高ぶらせたままでいることはできません。
さらに、ママもなにやら楽しそうにしている…となると、子ども自身も「何にイラついていたのかしら?」と次第に冷静になって落ち着いてきます。
◆ステップ3 アドバイスはしない、まずは聞く
子どもが落ち着いてきたタイミングがきたら、穏やかに「さっきはイライラしちゃったね」などと声をかけてみてください。
そこから、子どもが話しだしたらまずは子どもの話を聞いてあげましょう。
言っていることが自己中心的な言い分になっているかもしれませんが、アドバイスはしないこと!
「ふーん、なるほどね」
「そうだったのねー」
「そうだったのねー」
といった共感の言葉がけをするようにしてくださいね。
思春期の子どもは、感情を上手に扱う力がまだ育っていないだけで、「ママに分かってほしい」という気持ちは必ず持っています。
ママがグラウディングを意識し、子どもが落ち着いたタイミングで話を聞く姿勢を続けていくと…
イライラが長引かなくなる
自分の気持ちを言葉で伝えてくれる
親子で一緒に笑える時間が増える
自分の気持ちを言葉で伝えてくれる
親子で一緒に笑える時間が増える
そんな“優しい空気の毎日”が少しずつ戻ってきます。
思春期は決して怖い時期ではなく、親子の信頼が深まるチャンスの時期。
子どもも自分のことを自分以外に理解してくれるママがいると感じることで安心できるのです。。
嫌なことがあってどうしようもない気持ちでいても、最後にはママがいて味方になってくれる、分かってくれる、と思えると次第に気持ちも安定してきますよ。
ここまで読み進めているあなたは、 お子さんを本気で理解したい、家族を大切にしたい と願っている、 とても優しいママです。
その思いがあれば、どんなイライラも、どんな不安定さも必ず乗り越えていけますよ。
思春期女子のママへ!子どもの気持ちに寄り添う関わり方を動画でご紹介
思春期女子のイライラでよくある質問(FAQ)
Q1:10歳の女の子がすぐイライラするのは普通ですか?
A1:思春期の入口では情緒が不安定になりやすく、イライラは珍しくありません。まずは感情に巻き込まれず落ち着いて受け止め、時間を置いてから話を聴くなどの対応が有効です。
Q2:思春期女子のイライラへの正しい接し方は?
A2:①感情移入しないで受け止める ②子どもと少し距離をとり、ママは自分の時間を確保 ③アドバイスは急がず、まず気持ちを聴く——の3ステップが有効です。
Q3:イライラがひどいのは発達障害・グレーゾーンではないかと心配です。
A3:思春期のイライラは発達障害かどうかを気にするよりも、まずは、刺激に敏感・気持ちを引きずりやすい特性があれば、それに対しての環境調整や、見通し提示、否定せず短い肯定で対応をしてみることをおすすめします。
くわしくは“思春期女子が陥りやすいネガティブ思考を前向きな気持ちに変える会話術” をどうぞ。
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執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)




