10歳女の子のイライラ・情緒不安定はなぜ?八つ当たりに振り回されないママの対応

 

10歳の女の子が帰宅後にイライラして八つ当たりしたり、急に泣いたりして困っていませんか?情緒不安定な娘にママが巻き込まれると親子の会話は減り、家の中まで緊張しやすくなります。ママが振り回されず、親子関係をこじらせない方法をお伝えします。
 

【目次】

 
 

監修者:吉野加容子

発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表

 

脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。

 

15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。

 

病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。

 

これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。

著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。

 

1.10歳女の子の帰宅後のイライラ・八つ当たりに振り回される毎日がつらい

 
 
学校から帰ってきた10歳の娘が、イライラして八つ当たりしたり、急に泣いたりする。
 
 
そんな日が続くと、ママは帰宅時間が近づくだけで、どこか身構えてしまいますよね。
 
 
「今日の機嫌、いいかな」
「またイライラしてたらどうしよう」
「なんて声をかけようかな」
 
 
本当は、家では親子でホッとしたい。
 
 
けれど、娘の情緒不安定にママが巻き込まれてしまうと、家の中まで緊張が続き、親子の会話も少しずつ減ってしまいます。
 
 
もしも、子どもの様子を基準に家の空気が決まっていくとしたら、これはママにとって、想像以上に負担がかかる状態です。
 
 
本来、お家は外で頑張ってきた子どもが安心して戻ってくる場所のはず。
 
 
けれど、10歳女の子の情緒不安定に振り回されていると、家の中まで緊張が続き、ママの心も休まらなくなり、次第に家全体がギスギスしてしまいます。
 
 
 
 
 
さらに、もう一つ見えにくい変化があります。
 
 
それは、ママがなんとか改善しようと動けば動くほど、子どもの不安定さが落ち着くとは限らないことです。
 
子どもの機嫌を取ろうとなだめたり、諭したりしても、子どもはさらに強く感情的に反応し、心を閉じてしまうことがあるのです。
 
 
このまま続いていくと、ママが常に子どもの顔色をうかがい、子どももイライラして家の中が安心する場所ではなくなる、という負のループに入ってしまうことがあります。
 
 
ですから、本当に必要なことは、子どもの情緒不安を止めることでも正しい声かけを探すことでもありません。
 
 
まず、大切なのはママが子どもの感情に巻き込まれすぎないことなんです。
 
 
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2.なぜ10歳前後の女の子は情緒不安定になりやすい?

 
 
10歳前後の女の子は、思春期の入り口にあたり、体も心も大きく変化していく第二次性徴期に入る時期です。
 
 
この頃には、体の成長だけでなく、友達関係も大きく変化していきます。
 
 
周りの友達が急に大人っぽく見えたり、会話の内容が複雑になったりすることで、これまでとは違う不安やストレスを感じやすくなる子もいます。
 
 
 
 
子どもの脳はまだ発達の途中で、感情は強く出るのに、それらのストレスをコントロールする力はまだ十分ではありません。
 
 
感情が沸き起こる扁桃体も、理性的な判断をする前頭葉もまだまだ成長途中です。
 
 
そのため、「ちょっとしたことでイライラする」「気持ちが切り替えられない」と感情が暴走してしまい、自分でうまくコントロールできない状態が起きやすくなります。
 
 
けれども、ここで多くのママがやってしまうのが、子どもの状況やタイミングを考えずに関わってしまうことです。
 
 
子ども自身が整理できていない状態で「どうしたの?大丈夫?」などと聞かれると、余計に感情が強くでてしまいます。
 
 
つまり問題は、情緒不安定そのものではなく、その状態への関わり方の順番なんです。
 
 
ここまでが、10歳前後の女の子がイライラしたり情緒不安定になりやすい背景です
 
 
では、ママはこの状態にどう関われば、親子関係をこじらせずに済むのでしょうか。
 
 
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3.良かれと思う対応が親子関係を苦しくしていた私の気づき

 
 
私も以前は、娘の様子が気になるたびに、学校でなにかあったのかもしれない…と心配になっていました。
 
 
そして、帰宅後にイライラしていたり、急に黙り込んだりしていると、「どうしたの?なにかあった?」「大丈夫?」などと声をかけていたのです。
 
 
けれど返ってくるのは、強い言葉や拒絶した態度。
 
 
話を聞こうとしただけなのに、娘は「もういい!」と怒ったり、部屋に閉じこもったりすることもありました。
 
 
そのたびに、思春期だから仕方ないか…と思いながらも、心の中では「今のうちにもっとちゃんとさせないと、これからが心配」と焦っていました。
 
 
 
 
今振り返ると、私は娘を支えているつもりで、娘の情緒不安定に反応し、さらにちゃんと正すことが正解だと思っていたのです。
 
 
娘がイライラすると、私も不安になる。
娘が不機嫌になると、私も顔色をうかがう。
娘が強い言葉を返してくると、私も落ち込む。
 
 
娘の態度に引きずられて、私まで不安になり、親として正しいことを教えなければと焦っていました。
 
 
けれど、その状態では落ち着いて関わることはできません。
 
 
このままでは、親子関係は整わない。
 
 
そう気づいたことが、関わり方を見直すきっかけになりました。
 
 

4.10歳女の子のイライラ・八つ当たりを長引かせない3つの関わり方

 
 
このままでは親子関係が整わない…。 
 
 
そう気づいてから、私がまず意識したのは、娘の感情をすぐに何とかしようとする前に、私自身が一旦冷静になることでした。
 
 
子どもが帰宅後にイライラしていたり、八つ当たりしてきたりすると、ママもつい反応したくなりますよね。
 
 
けれど、感情が強く出ているときに「どうしたの?」「ちゃんと話して」と関わろうとすると、子どもの気持ちがさらに高ぶってしまうことがあります。
 
 
発達科学コミュニケーションでは、ママが子どもの感情に巻き込まれず、自分の心を安定させることをグラウンディングといいます。
 
 
やることは、とてもシンプルです。
 
 
 
 

① 感情が強いときは、すぐに関わらない

 
 
イライラや八つ当たりが強いときは、まず心理的にも物理的にも少し距離をとります。
 
 
これは、子どもを無視することではありません。
 
 
「今は感情が強く出ている時間なんだ」と受け止めて、ママが一緒に感情の渦に入らないための距離です。
 
 
正そうとしたり、理由を聞き出そうとしたりせず、まずはママが落ち着いた状態を保ちます。
 
 

② ママの意識を子どもから離す

 
 
子どものことばかり気にしていると、ママの緊張も子どもに伝わりやすくなります。
 
 
あえてこのタイミングで、雑誌を読む、好きな動画を見る、キッチンを片付けるなど、気持ちを子ども以外に向けてみてください。
 
 
ママが落ち着いた空気をつくることで、子どもが自分で気持ちを整える余白が生まれます。
 
 

③ 落ち着いたときだけ、短く声をかける

 
 
子どものイライラが少し落ち着いてきたら、やっと関わるタイミングです。
 
 
そのときも、長く話を聞き出そうとしなくて大丈夫です。
 
 
「さっきはイライラしちゃったね」
「疲れてたのかもしれないね」
「落ち着いてきたね」
 
 
このように、短く穏やかに声をかけます。
 
 
イライラが強いときは距離をとる。
落ち着いたときにだけ、短く関わる。
 
 
この順番を意識することで、10歳女の子の情緒不安定にママが巻き込まれにくくなり、親子関係もこじれにくくなります。
 

5.10歳女の子の情緒不安に変化が出てきた記録

 
 
ここからは、わが家で実際にグラウンディングを実践してみての変化を記録としてまとめています。
 
 
■最初の1週間
・イライラ:1時間以上続く
・ママ:気になって毎回のように反応してしまう
 
■1ヶ月後
・イライラ:30分ほどで落ち着く日が出てくる
・ママ:声かけを意識して減らす
 
■3ヶ月後
・イライラ:10分ほどで切り替えられることが増える
・ママ:ほぼ巻き込まれない 平常運転
 
 
 
ある日、子どもがこう言いました。 「イライラしてないわけじゃない。けどママを見てたら、イライラしても仕方ないなって思えてきた」
 
 
この変化を見て、ママが巻き込まれない関わり方は、親子関係をラクにしてくれるのだと実感しました。
 
 
ただ、実際の毎日の中では、どのタイミングで距離をとるのか、どんな言葉をかけるのか、迷う場面も出てきます。
 
 
10歳前後の女の子の関わり方は、少しのズレが積み重なるだけで、親子のしんどさにつながることがあります。
 
 
そして、子どもの情緒不安定に振り回されない関わり方は、知っているだけでは続けるのが難しいもの。
 
 
だからこそ、迷ったときに一人で判断し続けるのではなく、同じように取り組んでいるママの実例や関わり方を知ると、自分なりの軸を保つヒントになります。
 
 

10歳女の子のイライラ・情緒不安定でよくある質問

Q1.10歳女の子がイライラして八つ当たりするのは反抗期ですか?

A1.反抗期のように見えることもありますが、10歳前後の女の子は心と体、友達関係が大きく変化する時期です。
そのため、気持ちをうまく整理できず、イライラや八つ当たりとして出ることがあります。まずは反抗と決めつけず、感情が強いときはママが巻き込まれない関わり方を意識することが大切です。

 

Q2.10歳の娘が急に泣く・怒るときは、すぐ声をかけた方がいいですか?

A2.感情が強く出ているときにすぐ理由を聞こうとすると、かえって気持ちが高ぶることがあります。
まずは少し距離をとり、ママが落ち着いた状態を保つことが先です。子どもが落ち着いてきたタイミングで、「さっきはイライラしちゃったね」など短く穏やかに声をかけると、会話につながりやすくなります。

 

Q3.情緒不安定な娘に振り回されないために、ママは何から始めればいいですか?

A3.まず始めたいのは、子どものイライラをすぐに止めようとしないことです。
帰宅後に八つ当たりされたり、急に泣かれたりすると心配になりますが、ママが毎回反応すると親子で疲れてしまいます。感情が強いときは少し距離をとり、落ち着いてから短く関わる。この順番を意識することが、親子関係をこじらせない第一歩です。

 

執筆者:井上喜美子
発達科学コミュニケーションアンバサダー

 

小さい頃から不安が強く、音や光の刺激に敏感で、不登校気味だった自閉スペクトラム症の娘。「この子は将来どうなるんだろう」と悩む日々でした。

 

新しい挑戦が苦手で自信をなくしやすいタイプでしたが、少しずつ自分で選び行動できるようになり、今では高校受験も乗り越え女子高生に成長しています。

 

発達科学コミュニケーションを実践する中で、子どもを変えようとするのではなく関わり方を変えたとき、娘は自分から動き出しました。

 

かつての私のように悩むママが、「この子も大丈夫かもしれない」「関わり方を変えたら変わるのかもしれない」と思えるきっかけを届けたいと思い、発信しています。

 
 
 
 
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