ゲームにはまる発達障害・グレーゾーンの子どもに頭を悩ませていませんか。発達障害の子はゲームなどにはまりやすいため、ただ叱ったり注意したりするだけではなく特別な対応が必要です。今回はゲームにはまる理由と付き合い方の鉄則をご紹介します! |
【目次】
1.ゲームにはまる発達障害の子どもに困っていませんか?
2.発達障害・グレーゾーンの子どもがゲームにはまるワケ
①ゲームにはまりやすい特性
②リアルな世界の居心地は?
③ゲームにハマりやすいようによくできている!
3.ゲームにはまる発達障害グレーゾーンの子どもへの対応の鉄則!
①ゲームをテーマに楽しくコミュニケーション
②親子で一緒にルールを決める
③ポジティブな注目をする!
1.ゲームにはまる発達障害の子どもに困っていませんか?
自由な時間ができたらすぐに、ゲームやスマホ、動画視聴にはまる発達障害・グレーゾーンの子どもに止めるようにいっても全然やめないし、無理に止めると怒り出すし、対応に困っているお母さんも多くいらっしゃると思います。
時間制限を付けたり、ゲーム・スマホ・動画を見るルールを作っても、なかなか子どもが守れなくて対応に苦労されているお母さんも多いです。
実は、ただ「時間だから止めなさい!」というだけでは、ゲームや動画にはまる発達障害・グレーゾーンのお子さんには効果がないのです。
お母さんの心を軽くする方法はこちらを参考にしてくださいね。
ここでは、発達障害・グレーゾーンの子どもがゲーム・スマホ・動画にはまる理由と効果的な対応についてお伝えします!
2.発達障害・グレーゾーンの子どもがゲームにはまるワケ
発達障害・グレーゾーンの子どもは、ゲームやスマホ、動画視聴にはまりやすいといわれています。
その理由は3つあります。
◆①ゲームにはまりやすい特性
注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向があるお子さんの場合は、自分が好きなことや興味があることに時間を忘れて没頭する傾向があります。またすぐに楽しさや満足感を感じることを衝動的にしやすい傾向もあるので、ゲームにハマりやすいともいえます。
特に発達障害ADHD傾向のお子さんが好むゲームとしては、『フォートナイト』などのシューティングゲームがあげられます。
自閉症スペクトラムの傾向があるお子さんの場合は、他の人とのコミュニケーションが苦手な特性があります。
リアルな世界の複雑な人とのやり取りとは違って、わかりやすいルールのあるゲームの世界に居心地の良さを感じてハマりやすい傾向があるのです。
発達障害ASD傾向のお子さんが好むゲームとしては、提供されたゲームの世界の中で自由に行動したり、何かを作ったりできる
マインクラフトといったサンドボックス(箱庭)と呼ばれるジャンルのゲーム「専門家が親に教える 子どものネット・ゲーム依存問題解決ガイド」より引用
があげられます。
また、ゲームで同じことを繰り返しても飽きずにずっと続けてしまうのは、覚える力や記憶力がまだ育っていないから。
さらに時間の感覚がまだ身についていないと、時間で区切って自分でやめることが難しくなります。
◆②リアルな世界の居心地は?
学校や家で怒られてばかりだったり、リアルの世界の居心地があまり良くないと感じているお子さんは、バーチャルな世界にハマりやすいです。
子ども自身は “居心地が悪い”と自覚しているわけではなくて、ただゲームの世界に居心地の良さを感じているのです。
また、最近人気のオンラインゲームでは他の人と仲間になって一緒に遊ぶことができ「自分の居場所」があって居心地がよく感じられます。そして、仲間に悪いからと途中でやめられくなってしまうこともあります。
◆③ハマりやすいようによくできている!
ゲームやスマホ・動画サイトは、年々進化しています。ゲームでは、すぐにポイントが貯められて魅力的な特典がもらえたり、キャラクターが成長したり。レベルがどんどん上がって報酬がもらえる仕組みは、もっと続けたくなるものです。
動画視聴は、DVDのように1つ観たら終わりにすることが難しいようになっています。
動画視聴サイトは、続けて観てもらえるように、勝手に次の動画が流れるように設定されていたり、関連する動画がすぐに目に入るようになっていたりします。
私たち大人もドラマの1話が終わるとすぐに続きが観たくなりますね。続きがパッと目の前に現れたら、つい観てしまうのではないでしょうか。
子どもも同じで、つい続きを観てハマってしまうのです。
このように発達障害・グレーゾーンの子どもがゲームやスマホ、動画にはまってしまうのは、子どもがわがままだったり、怠けているからではないのです。
ではゲームやスマホ、動画にはまる発達障害グレーゾーンの子には、どのように対応したらよいのでしょうか。
3.ゲームにはまる発達障害グレーゾーンの子どもへの鉄則!
魅力的なバーチャルの世界のゲームや動画にくぎ付けになってはまる発達障害・グレーゾーンの子どもに、ただ「時間だからやめなさい!」と言っても、なかなかスムーズには言うことを聞いてもらえないですね。
ここでは、効果的なゲームとの付き合い方の鉄則を3つお伝えします!
◆①ゲームをテーマに楽しくコミュニケーション
まず最初にやっていただきたいのは、子どもにゲームやスマホ、動画について語ってもらうことです!
「どんなゲームなの?」「うん、うん、それで?」と子どもの話を促して、語ってもらいましょう!
お母さんに自分が好きなことについて話を聞いてもらえると、子どもは話すことが楽しくなってきます。
次にゲームや動画を見ているときも「お母さんに教えてあげよう」と考えながら話すことを準備してくれるようになります。そうなればこっちのもの。
また、観ていたことを言葉にして話すことで、それまでゲームやインターネットをやるときには使っていなかった脳のエリアが動き出します。
言葉にする力も育ちますし、さっき観たりやっていたことを思い出すので、記憶力まで育つんです。
また、コミュニケーション力も育ちます。コミュニケーション力は、まずは自分のことをわかってもらうことから育ちます。
自分がわかってもらえると他人への理解力も深まっていきますので、ぜひコミュニケーション力を伸ばすためにもお子さんの話を聞いてあげましょう!
◆②親子で一緒にルールを決める
<子どもが納得できるように>
つい、「一日〇時間!」と言いたくなるものですが、大人から一方的にルールを押し付けるのではなくて、子どもが納得できるように話し合ってルールを決めましょう。
ゲームやインターネットは大人でも依存しやすいこと、ルールが子ども自身を守ってくれることをわかりやすく説明してあげましょう。
子どもが、理由が分からず納得できていないと、ママの目が離れた隙や隠れてゲームや動画視聴をしてしまうこともあります。
また、話し合うときに、子どもが遊ぶゲームや動画の内容が子どもに合っているのかどうかも重要なポイントです。
ゲームや動画をみた直後に言葉使いやふるまいが攻撃的になっているようなら、内容や時間が合っていない可能性があります。その場合は、子どもと話して調整しましょう。
<子どもが守れるルール>
子どもが到底守れないルールを作ってしまうと、子どもを叱ることが増えてしまいお母さんも疲れてしまいます。
子どもと話し合って、子どもができそうだと思える、子どもが守れるルールを決めましょう。
具体的には、1日◯分、◯時間と書き出してよく見えるところに貼っておくととわかりやすいですね。
さて、ゲームやスマホをしているとき、子ども自身で時計をみて止めるのは難しいですよね。どうやったら止められるか子どもと話し合いましょう。
タイマーをつけて鳴れば自分で止められるのか、お母さんに終了時刻の15分前から5分刻みで声をかけてもらえれば止められるのか、具体的な止める方法を決めておくといいですね。
<守れなかったとき>
それでも実際には「あと、もうちょっと」と抵抗して、ルールを守れないこともあるかもしれません。
守れないと、叱りたくなったり、次の日のゲーム・動画をみる時間はなしなど制限をした方がいいかと思われるかもしれません。しかし、子どもは罰を受けたと感じてしまいますのでオススメしません。
守れなかったらどうするのか、事前に子どもに決めてもらいましょう。
お母さんが予告をする回数を増やすのか、
タイマーを3つつけるのか、
ゲームをする時間帯を変えるのか、
お母さんが止めていいのか、
制限時間になると自動的に止まるようにゲーム器やパソコンにペアレンタルコントロールを設定をするのか、
など、話し合って決めましょう。
◆③ポジティブな注目をする!
ゲームやスマホ、動画視聴を止められたら「止められたね」と必ずポジティブな注目をしてあげましょう。
「もう!いい加減にしなさい!」「何回いったら止める訳?!」と言いたくなると思いますが、怒りは深呼吸をして流しましょう。
詳しい方法はこちらを参考にしてくださいね。
子どもが「今の行動でいいんだ」とわかって記憶して次も同じ行動ができるように、やめられたことにポジティブに注目してあげましょう。
ゲームやスマホ、動画視聴をやめた後に、おやつやお出かけ、好きな夜ご飯など、子どもが喜べるご褒美になるような活動があると切り替えしやすいです。
ゲームをテーマに子どもと楽しくコミュニケーションして、子どもの脳も発達させましょう!
ゲームにはまる発達障害・グレーゾーンの子どもの力をグングン伸ばす方法をお伝えしています!
執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)