子どもが思春期になり、感情が不安定で接し方が難しくなったと感じているママはいませんか?ネガティブ感情に振り回されるとこちらまで気分が滅入りますよね。今回はそんな難しいお年頃の思春期女子が自ら気持ちを立て直せるママの会話術をお伝えします。 |
【目次】
1.思春期女子って不安定になりやすい?
2.ネガティブ感情から抜け出しにくい理由とは
3.子どもが自分の気持ちをコントロールできるようになる会話術
◆STEP①たくさんの共感を示す
◆STEP②子どもが自分で考え始めるきっかけ言葉
1.思春期女子って不安定になりやすい?
むずかしいお年頃と言われる小学校高学年からの思春期女子。
子どもが考えていることがよく分からない、対応が難しいなんてよく聞きます。
実際に子どもとの関わりがうまくいかなくてどうしたらいいか…と悩んでいらっしゃるお母さんは多いかもしれませんね。
だんだんと年齢を重ねることで人との違いを認識して、劣等感を抱きやすい思春期は大人には分からないようなことで悩んでいることもあるようです。
さらに発達に凸凹があると、思春期の難しさにプラスして特性が影響し、余計に関わり方が難しくなってしまうこともあります。
わが家のASD傾向の娘も、小学校高学年という思春期に入り、学校での役割が多くなってきたことから、以前に比べるとイライラすることが増えてきたように感じています。
たとえば、下級生との交流会でリーダー役を任されることになった時、やらなきゃいけないことへのプレッシャーからか、
「先生は私がこういうのが苦手って分かっているのに、なんでリーダーなの?」
「1、2年生なんて、ワーワーうるさくて好きじゃない」
「〇〇ちゃんがちゃんとやらないから、すごく困る」
などと感情的になって次々と文句を言っては、いつまでも気持ちが治まらないということがありました。
親の私からすると「そんなに文句を言ったって仕方ないじゃん!」くらいにしかとらえていませんでしたが、娘にとっては大問題のようです。
時間が経って忘れた頃になっても思い返しては「嫌だ、やりたくない!」「〇〇ちゃんが、悪い!」といつまでも文句が止まりません。
さらに、感情が高ぶったのかふと気が付くと1人で思い返して泣いているということもありました。
どちらかと言えば、おとなしいタイプの娘でしたから、今までは感情を乱してもなんとか対応ができていました。
しかし、最近ではいつまでもネガティブな感情に引きずられて家の中の雰囲気が悪くなってしまう一方です。
一体、どうしたらいいのでしょうか。
2.ネガティブな感情から抜け出しにくい理由とは
もともと、人間の脳はネガティブなことに反応しやすいという特徴があります。
これは動物の防衛本能として、危険から身を守るために備わった大切な機能です。
誰でも何か新しいことにチャレンジする時には、「失敗したらどうしよう」と心配が先に立ってしまうのはこの機能が働くためです。
さらに、こだわりが強い、切り替えが苦手という特性がある発達凸凹の子どもの場合には、頭の中で沸き起こった心配や不安などのネガティブな感情を何度も思い返しています。
脳は繰り返し思い起こされることは、大切なこと、覚えておくべき重要なこととしてしっかりと記憶しようとする特徴があります。
そのため、余計に不安や心配な感情が脳に強く印象づけられてしまうのです。
思春期は周りのお友達と比べて違いを意識したり、自分の価値を判断したりする時期です。
特に発達に凸凹がある思春期女子は周りのお友達と比べ、見た目や能力の差を認識しては劣等感を感じてしまいます。
ですから、ネガティブ感情をくり返し思い起こしていては、イライラして身近な家族にあたったり暴言を吐いたりという行動が起きているのです。
親としてはイライラをなんとか助けてあげたい、力になってあげたいと思ってしまいますよね。
3.子どもが自分の気持ちをコントロールできるようになる会話術
では、どうやったら子どもの感情を安定させて、前向きな気持ちにすることができるのでしょうか?
◆STEP1 たくさんの共感を示す
ここで少し考えてみると、私たち大人も普段の生活でイライラすることってありますよね。
そういう場合、誰かに話を聞いてもらうだけでイライラが落ち着くということはないでしょうか?
発達凸凹がある思春期女子も同じです。
まずは子どもが感情をアウトプットさせることで、気持ちが落ち着くように、しっかりと話を聞いて、共感してあげてください。
ワーワーうるさくて好きじゃない!
⇒そうなんだ、うるさくて好きじゃないのね。
やりたくない!
⇒そうだよね、やりたくないよね。
と、子どもの言葉じりをとって、反復しながら声掛けをすると、子どもも共感してもらっているとしっかり感じとることができます。
ただ、こうして話を聞いている時、発達凸凹の思春期女子にママがやってはいけないことが1つあります。
それは「求められていないのに、意見を言ったり、アドバイスをすること」です!
こうしたらいいんじゃない?とか、こういう時はね…と人生経験豊富なママはつい声をかけたくなるかもしれません。
けれども、ここでどんなにママが素晴らしい意見を言っても、ネガティブ思考にはまっている子どもは「そうなんだ!」とは思ってくれません。
むしろ、「ママは私の気持ちをちっとも分かってくれない!」と、せっかく話してくれていた口を閉じてしまいかねないのです。
ですから、とにかく話を聞く。
そしてうなずいたり、反復して共感を示すことがまずは重要なのです。
◆STEP2 子どもが自分で考え始めるきっかけ言葉
子どもの問題はママの問題ではなく、子どもの世界の中での問題です。
これから先、親が子どもに変わって問題を解決することはできなくなってきますから、子どもが自分で考えて解決できるようにフォローしてあげることが大切です。
ここでわたしがお勧めする、ママがかける言葉は「じゃあ、あなたはどうしたらいいと思う?」です。
人は、自分のことを一番分かってくれる人の言葉は受け入れやすいと言います。
これまでの会話の中で、子どもの言葉に共感し続けたことがこのタイミングで活きています。
自分のことを良く分かってくれるママが投げかけた一言から、子どもは自ら解決策を考え始めるのです。わが家の娘も
「わたしがやらなかったら、みんなも困るよね」
「できないことがあったら、先生に相談したらいいかな?」
と、共感した後で自分から気持ちの折り合いをつけることができました。
そして、嫌だと言っていたリーダー役も自分からやってみようと決めたのです。
ママが口を出したのは、共感のための反復と「じゃあ、あなたはどうしたらいいと思う?」という言葉だけ。
このように、ママがしっかりと共感すること、そして背中を押すような言葉をかけてあげると子どもは自分から気持ちを切り替えていくことができるのです。
思春期って難しい!と構えてしまうのではなく、まずは子どもの気持ちに共感することから、ぜひ始めてみてくださいね。
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執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)