全国でどのくらいの学校が音読を宿題として出しているのでしょうか?お母さんが子どもの頃から音読の宿題はありましたよね?昔から楽しく音読をした記憶もありません。その音読を少しでも楽しめる方法を今回はお伝えします!
【目次】
1.とにかくやりたくない音読
皆さんのお子さんの学校では、国語の宿題として「音読」が出されていますか?
わが子の学校では1年生からずっと!ほとんど毎日音読の宿題が出されています。
回数の制限こそありませんが、毎日、音読をするという宿題はなかなか大変です。
わが子の場合、音読に楽しさを感じていないため、義務的にさせられている感じが見て分かります。
・必ず宿題の最後に残る音読…。
・やりたくないとぶつぶつ言いながらやる音読…。
・やる意味を見出せない音読…。
算数のように計算ができるようなったという達成感を味わうこともないため、とても音読に対しては後ろ向きな発言が目立ちます。
「早くやってしまいなさーい!」
「ちゃちゃっと読んだら直ぐ終わるわよ!」
「もういつになったらやるのー!」
と、こんな調子で息子に注意する毎日。
やっと始めたと思っても、超ハイスピードでやっつけ仕事のようにやります。
間違いがあっても無視。 とにかく1回読んで終わってしまえばいいんだ、という姿勢で取り組んでいます。
できれば、他の宿題をする流れでそのまま音読も終らせて欲しい。
そしてごちゃごちゃ言わずにやって欲しい。
なおかつ、間違ってもいいから少~しだけ丁寧に読んでくれると嬉しい!
私はずっとそう思っていました。
では、なぜ、こんなに音読をすることを嫌がるのでしょうか?
2.発達凸凹の子どもには難易度が高い音読…。
実は発達に凸凹のある子どもが、音読をするのはとてもハードルが高いのです。
ただ本を読むという動作だけに注意が向きますが、実際は、
・文章を見て目で追う
・目で見て文章を理解する
・自分が発した声を聞く
・読むスピードを調整する
などの動作を一度に要求されることになります。
このように、一度に複数の動作をすることで、脳の色々な部分を使うと脳に負荷がかかります。
それはストレスがかかってしまうのでやりたくない!
その為、音読をするのはとても大変だということが分かります。
子どもがなぜ音読をやりたがらないか、裏を返すとこのような事情があるということをお母さんが事前に理解しておくと良いですね。
ただ、脳の発達を促すという観点から見ると、音読はとても効果が期待できるものなのです!
先に、複数の動作をすることは脳に負荷がかかると説明しましたが…
つまりそれは、一度にたくさんの刺激を脳に与えることになるので、普段使っていない部分の脳にも刺激を与え、脳の発達を促すことになります。
では、具体的にはどのような効果が期待できるのか、次で説明していきますね。
3.音読から得られる効果
音読を続けてすることで嬉しい効果があることも事実です。
算数の計算や漢字とは違って、パッと見て効果が分かるものではありませんが、継続することで着実に子どもの力になります。
例えば、
① コミュニケーション能力がアップする
② 記憶力がアップする
③ 語彙力が鍛えられる
④ 文章理解力がアップする
などが期待できます。
しかし、間違った音読の仕方をしていると効果は半減してしまうのです。
一人で読んで、「終わったからサインをしてね」では本来の音読の効果は期待できません。
これらの効果を得るためには、実はとても大事なポイントがあります。
4.お家の人との二人三脚がキーポイント!
実は、お母さんやお家の人と一緒に音読をする!ということが最大のポイントなんです!
音読はお家の人に聞いてもらい、音読カードにお家の人からサインなどをしてもらうシステムになっていると思います。
ということは、誰かに読んで聞いてもらうことに意味があるのです!
相手が居て、その相手に伝えるために声の大きさや速さを調節したり、抑揚をつけるなどの工夫をしようとします。
「うちの子、そんなところまで考えて読んだりしてないわ」と思われるかもしれませんが、決して読み手側だけに任せてお終いにしないで欲しいのです。
・読んだら即座に褒める!
・読み方についての感想を告げる(上手に読めてなくてもいいのです)
・音読の内容について話す、質問する
など、聞き手側から働きかけていきましょう。
それを繰り返し行うことで少しずつ音読に向かう姿勢が変わってくるはずです。
ただ、お母さんは音読をしてもらいたいと思っていても、子どものやる気がなかったり、面倒臭がってしないことがありますよね。
そのような時は少しでも負担を軽くしていきましょう!
5.音読を負担にさせないための方法とは?
わが家では音読を少しでも楽しく、負担にならないようにやり方をいくつかのパターンに分けました。
その日その日に子どもの要望に合わせて音読をする仕組みです。
・全部一人で読むパターン
・1ページずつ交代で読むパターン
・一文ずつ交代して読むパターン
・リズムに合わせて読むパターン(わが子はラップ調で読むのが好きです)
・お母さんが音読するパターン
必ず子どもが全部を読まないといけないという固定概念を捨てて、親子で楽しく文字に触れる時間と考えるとコミュニケーション効果が一気に上がります。
話し合う要素が入ったり、順番を待ったり、テンポを合わせたり、アイコンタクトをしたり、脳への刺激が入る時間になります。
また、お母さんが音読するパターンについてですが、これは読み聞かせと同じことになりますよね。
実は読み聞かせの効果と音読の効果は全く同じ効果があるのです!
それを知っていると少し気持ちが楽になりませんか?
どうしても読みたくない、という日は無理に子どもが音読をしなくても、「お母さんが読んであげるから聞いてね」と読み聞かせの日にしても良いのです。
それだけで、効果が期待できるのでお得ですよね。
読んであげた後に、内容について感想を聞いたり、内容に触れるやり取りをすると尚、良いですね。
どうでしょうか? これならマネできそうというものがあったでしょうか?
皆さんも色々な音読のパターンを見つけて、少しでも音読へのハードルを下げて取り組んでみて下さいね。
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執筆者:たむら ようこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)