まもなくやってくる夏休み。ダラダラモードな我が子が目に見えて本当に憂鬱…と感じる発達障害グレーゾーンの子を持つママに向けて指示を行動につなげる力の弱さを克服するヒントを解説しました。
【目次】
1.なぜ発達障害がある子は指示から行動へつなげる力が弱いのか?
2.発達障害がある子に行動を促すカギは得意な力を活かすこと
3.見せるだけじゃもったいない!発達障害の子の行動力を引き上げるワンポイントアドバイス
1.なぜ発達障害がある子は指示から行動へつなげる力が弱いのか?
世間はまもなく夏休み。
休み中の宿題や身の回りのことなど…。
やらなきゃいけないことがあるのに学校がないからとダラダラしてしまって、すぐに取りかかろうとしない我が子。
そんな姿を見てイライラしてしまうのは、どこの家庭でもあるあるだと思います。
特に発達障害グレーゾーンの子どもはその特性でどうしても
・見通しを立てるのが苦手
・衝動性が強くやりたいことをついつい優先してしまう
ですから、行動を促すには少し工夫が必要になるのです。
私が書いた別の記事でも、発達障害グレーゾーンの子どもには見る力と聞く力に凸凹があってどちらか片方だけ強いタイプのお子さんがいる事をお話ししました。
見る力が強い子におすすめのミッションボートとは?お手軽で簡単な作り方はこちら
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特に見る力が強いタイプのお子さんに何度も同じ指示を口頭で言い続けていてもなかなか行動には繋がりません。
“指示を聞いて行動にうつす”と文章で書けばたった一言になってしまいます。
しかし!それを行うためには、
①相手の声を聞き取る
②聞こえた声の内容を理解する
③どうすればいいか考える
④実際に行動へうつす
といったように、細かく分けると私達の脳はこれだけの事を一瞬で処理しているのです。
①〜④がスムーズに進めば何も問題はありません。
しかし、どこかでつまづいたり、苦手さを感じてることが多いのが発達障害グレーゾーンと言われる子達なのです。
・自分の耳に入る多くの音から必要な音を聞き取れない
・話してる事はわかるけど、どうすれば良いが考える力がまだ弱い
・そうこうしてるうちに耳に入ってきた違う音が気になって言われたことさえ忘れてしまう。
といった具合に深掘りしていくと、その困りごとを引き起こす原因が見えてくるんですね。
原因が分かれば、あとは対策方法を考えるだけ!
脳はネットワークでつながっています。
だから得意な分野を使うとそこに関連する苦手な分野の能力も一緒に引き上げて伸ばすことができるのです。
2.発達障害がある子に行動を促すカギは得意な力を活かすこと
見る力が強みの現在小学生2年生の長男に視覚支援を取り入れた時の話をしたいと思います。
発達障害がある長男は、注意欠陥多動性障害(ADHD)とわずかに自閉症スペクトラム(ASD)の特性も併せ持っています。
おしゃべり大好きですが、聞く力が弱く質問に合わない受け答えをすることがよくあります。
また、注意が逸れやすく待つことや静かにしている事が苦手です。
そして、目に入ったものや聞こえた音すべてが気になり1点に集中できない。
さらには衝動的に浮かんだやりたいことをやらずにはいられない。
そんな脳の特性を持っています。
大好きなゲームがやめられず、次のことが始められない長男。
彼を叱らなくて済むようにミッションボードと名付けた視覚支援をしようと考えました。
取り入れた結果、長男はそれまでの半分以下の時間でやるべきことを完了できるようになりました。
そして現在、ボードがない状態で学校の支度などができるようになっています。
しかし一方で、こういったやるべき事が目で見てわかるアイテムを作ってみたけれども、いざ使ってみた時に
・ボードを見てくれない
・子どもが途中で諦めてしまう
・最初はやってくれたけど日を重ねるとなかなか続かない
といった事が理由でうまく機能しない…という声も聞かれます。
次の章では成功のヒントとなる活用法をお伝えしたいと思います。
3.見せるだけじゃもったいない!発達障害の子の行動力を引き上げるワンポイントアドバイス
結論から言うと何よりも大切なのは、動き始めたタイミングを見逃さずに褒めることです。
「すごい!早いじゃん」
「おっ!動き始めたね。いいね」
など声をかけてあげましょう。
特に年齢が低い子は発達障害の有無に関わらず、始めから終わりまでを1人でやり遂げられる集中力がない事がほとんどです。
ですから、着替えの最中なども終えたことに着目することがポイントです。
「もう上半分着替えたの?」
「自分で着る服を選べたね!」
「かっこいいなぁ」
などの肯定の言葉掛けで、最後まで頑張るエネルギーをチャージしてあげてくださいね。
また、1つの項目ができた時に丸や星などお子さんが書けるマークを本人に書いてもらうのも効果的です。
もちろんここでも、できた事をしっかりと認めて褒めてあげてください!
「次は何をしようか?」
と本人に決めてもらうのも行動力が上がり、モチベーションに繋がるのでおすすめです。
子どもは大好きなママに自分をずっと見ていてもらいたいんです!
ですから、もしも褒める言葉が思いつかない…なんて場合は、子どもの動きをそのまま実況中継してみたり、ジェスチャーでグッドサインを作って伝えてみたりしてください。
ボードを使うとどこまでできたのか、これから何をすべきなのかがパパや兄弟など他の家族にも見えます。
褒める人数は多い方が効果的です。
このチャンスを生かして、パパや他の兄弟も巻き込んで楽しい雰囲気で盛り上げてくださいね!
ボードに書いてあることを自分からやろうとすると
“みんな見てくれる”
“褒めてくれる”
“なんか楽しい!”
そんな刷り込みが入っていくといつの間にか自分から動ける子に変身しますよ!
ぜひこの夏から取り入れて実践してみてくださいね。
困りごとを生む発達障害の特性を逆転の発想で強みに変える方法をお届けしています
執筆者:すぎたなお
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)