プールやお出かけといった楽しいことがたくさんある夏休みから日常生活に戻る時には、一時的にやる気が低下することもあり、注意が必要です。「非日常」から「日常」へスムーズに移行する対応で、新学期に備えていきましょう。 |
【目次】
1.楽しいできごと「非日常」の後に起こる、発達障害・グレーゾーンの子どもの無気力の正体とは?
2.ガミガミ言わずに会話を重ねるだけ!一時的にやる気が出なくても、お母さんの対応で焦らずゆっくり日常生活へ戻して行きましょう!
1.楽しいできごと「非日常」の後に起こる、発達障害・グレーゾーンの子どもの無気力の正体とは?
みなさんはどんな夏休みを過ごしていますか?いつもと違う「非日常」を楽しんでいますか?
夏休みは、プールやお祭り、旅行と普段と違う「非日常」を楽しむ機会も多いと思います。
今日はこの「非日常」についてお話したいと思います。
実は発達障害・グレーゾーンの子どもは、この「非日常」が得意な子と苦手な子に分かれます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの楽しいことが大好きな子は、非日常にワクワクしちゃいます。だからおでかけとか、いつもと違う特別感で俄然パワーがでます。
一方、自閉症スペクトラム(ASD)タイプのお子さんは、ルールに則った行動を好むので、「非日常」が苦手な子が多い。そんなお子さんにはあらかじめ計画を伝え、心の準備をするという段取りが必要だったりします。
お子さんの特性に合った対応を知っておいてもらうと、お母さんも楽になりますね。
我が家の中3の息子は、ADHDタイプのグレーゾーンくんです。
以前、長期休みに信州に遊びに行ったときは、それはそれは楽しんでいましたし、楽しんだ後はとっても素直になりました。
祖父母の言うこともしっかり聞いて、布団の上げ下ろしも手伝ってくれる。
信州から東京に戻った後も、夜寝るまでずっと「楽しかったー!」と言っていたくらいです。
これは、さぞかしよい想い出になって、明日から毎日やる気に溢れるんだろうと期待しました。
ところが、次の日。
驚くくらいテンションが低く、「俺、イライラしてますから!」というオーラが全身から出ています。そして、もう「1ミリも動くつもりありませんから。」といった態度でソファーに張り付いているのです。
昨日まで、あんなに絶好調だったのにどうして?という状態になってしまったのです。
でも実はこれ、このときに限らず我が家のADHDグレーゾーンくんによく起こる現象なのです。
それはなぜかというと、あんなに楽しかった「非日常」から、嫌なことがたくさんの「日常」に戻ってきてしまったからなのです。
ヒトの脳は、嫌なことに対してはなかなか働こうとしません。
「勉強しなさい」とか、
「ゲームやめなさい」とか、
「部屋を片付けなさい」とか…、
そんなやりとりが染みついた「日常」は、嫌な記憶とセットになってしまいやすいのです。
本人の気持ちとしては、「昨日まであんなに楽しかったのに、また嫌なところに戻ってきちゃったよ!」という感じです。
2.ガミガミ言わずに会話を重ねるだけ!一時的にやる気が出なくても、お母さんの対応で焦らずゆっくり日常生活へ戻して行きましょう!
そんな時は、無理に何かさせようとせず少し待ってほしいのです!
そんな状態のときにお母さんがガミガミ注意しても、口論にしかなりませんよね。
焦らずに1〜2日様子をみてください。
一時的に、お子さんへの要求量を下げて、
「今、何のゲームやってるの?」
「今日なにか面白いテレビある?」
「ご飯、何食べたい?」
といった会話を重ねてみてください。
ガミガミ言わずに会話を重ねるだけでもお子さんの「日常」に対するネガティブな感情が減っていきます。
こうして穏やかな会話が成立しそうなレベルまで戻ってきたら、行動を促す声かけを使ってみます。そうしたら、またお子さんが少しずつ行動を起こせるようになります。
夏休み明けも、もしかしたら同じようなことが起こるかもしれません。
楽しかった夏休みが終わり、勉強、宿題、係の仕事といった「辛い」「嫌な」毎日が始まるのですから、一時的に「やる気が出ない!」という状態になるかもしれません。
そんな時こそ、
焦らずに、
イライラせずに、
ガミガミ言わずに、
お母さんの対応で日常生活にソフトランディングさせてあげてくださいね!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)