子どもが発達障害で、不登校・行きしぶりになり、学校に行けないとき、学校が子どもに合っていないだけかもしれません。子どもが大きく成長するために、どのような居場所の選択肢があるのか、何を考えて選んだらいいか、一挙に紹介したいと思います! |
【目次】
1.発達障害の子どもが学校に行けないとき、今の学校に戻ることだけが正解なの?
2.小学校と中学校の学びの場はどこがある?
◆通常級
◆通常級+通級(特別支援教室)
◆特別支援学級
➀「知的障害 特別支援学級」
➁「自閉症・情緒障害 特別支援学級(情緒級)」
◆特別支援学校
◆夜間中学校
◆フリースクール
◆デモクラティックスクール(サドベリースクール)
◆ホームスクール(ホームエデュケーション)
3.居場所を選ぶときに考えてほしいことは、これです!
1.発達障害の子どもが学校に行けないとき、今の学校に戻ることだけが正解なの?
子どもが登校渋りや不登校になったとき、お母さんもいろいろな対応をされていると思います。
先生や医療機関と相談して連携をとった。
学校にお願いして、環境調整もやった。
自分もペアレントトレーニングを受けて対応を勉強した。
考えられる対応を実施しても、まだ子どもが安心して学校にいけるようにならない…そんなとき、今の学校に戻ることだけが正解なのでしょうか?
まず、どんな学びの場があり、他でも学習できる場所があるのかを知っておくと、少し気持ちに余裕がでてきます。
今の学校に行くことが、子どもにとっていいことだと思えない。
そう思ったら、居場所を変えることも一つの方法です。
小学校、中学校、高校、高校卒業後と選択肢は異なります。
中学を卒業し、義務教育を終えると、学びの場はたくさんあります。
義務教育では、全科目を決まった時間割に沿って、学ぶことを求められます。そのため発達に偏りのある子どもにとって、苦しいことも多くなります。
この苦しい義務教育期に、自信と学びたいという気持ちを失わずに、育てていくことがとても重要になってきます。
ここでは義務教育期に、どんな選択肢があるのか紹介したいと思います。
2.小学校と中学校の学びの場は何がある?
発達障害とその支援を中心に、学びの場所について説明したいと思います。
自治体や学校によって、支援の実態が異なることが多いです。必ず学校に確認してくださいね!
◆通常級
大体1クラス35人程度に担任が1人配置される。
副担任がいる自治体もある。
支援として、特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラー、特別支援教育支援員、学校独自の支援員がいる場合があるが、自治体によって大きく異なる。
◆通常級+通級(特別支援教室)
通常の学級に在籍し、ほとんどの授業を通常の学級で行いながら、週に数時間、個別や小集団で指導を行う。
授業の補講や先取り学習、運動、ソーシャルスキルトレーニングなど指導内容は多様にある。
◆特別支援学級
基本的に1学級8人程度で学級数+1人の教員が配置される。
学校によっては教員以外の支援員が配置されている。
教科は子どもの理解の実態に合わせて、少人数または個別で授業を受けることができる。
特別支援学級から通常級への転入は、審査で適応と判定されれば、制度としては可能。実際に可能かは学校に確認が必要。
発達障害の子どもで対象となりやすい、「知的」と「情緒」の特別支援級について説明します。
◆➀「知的障害 特別支援学級」
発達の遅れ・障害の中でも知的な遅れや障害が強く、通常の集団生活が難しい、学習内容の習得に時間がかかる子どもが在籍する。
授業では、教科書は知的障害用の検定教科書(星本)を利用したり、プリントを利用したりすることが多い。
➁「自閉症・情緒障害 特別支援学級(情緒級)」
コミュニケーション能力や言語能力、人との付き合い方に課題がある子が在籍する傾向がある。
授業の教科書は、子どもの理解に合わせて通常級と同じ物を利用したり、プリントを利用したりする事が多い。
教員と支援員が連携をとって、特性に配慮された静かな環境で授業を受けることができる可能性が高まる。
通常級との交流級に積極的な学校もある。
◆特別支援学校
知的障害、肢体不自由、身体虚弱、弱視、難聴、その他健康面・生活面・行動面の様子から、特別支援学校においての教育が適切な場合、選択可能となる。
1学級6名程度のことが多い。
副籍制度といい、行事で定期的に地域の学校の児童と関わる機会がある。
◆夜間中学校
全国30校程度。
不登校の学び直しや日本語を学びたい外国人の受け入れもしている。
◆フリースクール
国や行政が作る学校ではなく、行政のカリキュラムから離れて自由に教育活動を行っている。
小学校、中学校は公立学校に在籍はするが、そこに通わず、卒業資格を得られる場所もある。
◆デモクラティックスクール(サドベリースクール)
やりたいことを自分で決定し、カリキュラムやテストはない。スクール全体に関わる予算、方針、人事などもスタッフと子どもで決定する。
小学校、中学校は公立学校に在籍はするが、そこに通わずに卒業資格を得られる。
◆ホームスクール(ホームエデュケーション)
学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うことをいう。
自治体によっては、不登校の小・中学生の自宅へ教師を派遣して個別授業を行う「ホームスタディー制度」を設けているところもあります。
3.居場所を選ぶときに考えてほしいことは、これです!
ご両親からすると、子どもに今の学校にできれば復学して、現状を乗り越えて欲しいという思いはあるかと思います。
しかし、今の学校に積極的に「いかない」と選んだわけでなく、学校に長い間「いけない」状態だったなら、子どもは何を感じているでしょうか?
多くの親にとって、子どもの将来に願うことは、こんなことではないでしょうか。
・自分がいなくなった後も、子どもが自立して生活できる
・安心して幸せに生活できる
そのために身に着けたい能力とは
集団内でやりとりする力、基礎的な教養、自己肯定感、自発性、独創性、自己抑制力…
色々考えられると思います。
それらを身に着けるための場所として、学びの場があります。学びの場の選択肢を知った上で、今の居場所が適当か検討してもいいでしょう。
居場所を選ぶときに考えてほしいことは、これです!
「どこにいたら子どもが成長できるか」
残念なことに、自分の居場所を自分で探して提案できる子はごくわずかです。
特に、義務教育期は親が居場所を探して提案する必要があるかと思います。
子どもが自信と学びたいという気持ちを失わずに、育てていくことができる場所。
子どもの将来の自立と幸せにつながるような場所を見つけて、サポートしていくことが親にできることかと思います。
自分の子どものいいところはなんでしょう?
好きなことなら時間を忘れて、いつまでも追及できる!
好きなことへの記憶力はなかなか良い!
子どもの「いいところ」を成長させてくれるのはどこ?という視点で学びの場を探してみませんか?
今、どこで何を身に着けると子どもが成長するかを考えて、子どもが笑顔ですごせる居場所を選べるといいですね。
執筆者:森富ゆか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)